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ギルドに朝の静寂が戻り、フィンたちはカジノの戦利品を眺めながら次の計画を練っていた。
フィンがコーヒーを一口飲み、満足そうに言う。
「平和ってのはいいなぁ。今日は何も起こらない気がする。」
その瞬間、窓の外が真っ暗になり、不吉な風が吹き荒れる。遠くで低い雷鳴が鳴り響く。
「…今のセリフ、フラグだった?」ローザリンドが冷静に尋ねる。
「いや、天気の悪化じゃね?」フィンが笑うが、その笑顔はすぐに凍りつく。
街の広場に巨大な影が現れる。赤黒いオーラをまとったその姿は、見る者すべての心を凍らせた。
「……あれ、本物の魔王じゃねぇか?」フィンが震える声で呟く。
広場に集まる人々を見下ろし、魔王が不気味な低声で語り始める。
「この地の者どもよ、聞け。我が名はヴァルドラ。長き封印から目覚め、この世界を支配する者なり。」
その声には凄まじい威圧感があり、誰も動けない。
ローザリンドが槍を握りしめる。
「まさか本当に来るなんて…。これ、ただの冒険者ギルドの問題じゃないわ。」
「俺たちに何ができるってんだよ!」フィンが叫ぶ。
「あんな化け物、国の軍隊とか召喚される勇者が相手するやつだろ!」
しかし、魔王は広場の群衆の中に目を止め、低く笑う。
「……そこのお前たち、なぜその力を隠している?」
魔王の赤い瞳がフィン、ローザリンド、ドーベンに向けられる。
魔王の言葉にフィンが動揺する。
「な、なんの話だ!? 俺たちはただの冒険者だぞ!」
「ほう、まだ気づかぬか。愚かなる者よ。」ヴァルドラが指を一振りすると、フィンの周囲に炎のような紋様が浮かび上がる。
「な、なんだこれ!? 俺、呪われたのか!?」
ローザリンドが目を見開く。
「フィン、それ、ただの呪いじゃないわ。…王族の証よ。」
「はぁぁぁ!? 俺、平民だってば!」
ヴァルドラが冷たく笑う。
「嘘をつけ。お前らの血筋が力を隠していたのだ。王族の力は、我が敵にして唯一の脅威となる。」
ドーベンが淡々と分析を始める。
「これ、きっと脚本の急展開ですね。視聴者を驚かせるための仕掛けです。」
「お前もメタ発言すんな!」フィンが叫ぶ。
ヴァルドラが力を解き放ち、広場の一部が崩壊する。
「逃げ場などない。戦え。そして死ね。」
「ちょっと待て! まだ俺たち、準備できてねぇって!」フィンが慌てて剣を構える。
「準備不足だろうと、戦うしかないわ。」ローザリンドがフィンを睨む。
「これは私たちだけの問題じゃない。この街全体を守るためよ!」
「……やれやれ、マジでシリアス展開かよ。」フィンが苦笑しつつ剣を振り上げる。
ドーベンがD47を操作し、力強く宣言する。
「全システム起動。魔王討伐プログラムを実行します。」
「お前、それが最初からあるなら早く言えよ!」
空が割れ、魔王と冒険者たちの激しい戦いが幕を開ける。
ヴァルドラが地を揺るがす攻撃を繰り出し、一行はそれぞれの特技を駆使して応戦する。
「俺たち、これからどうなるんだ!?」フィンが叫ぶ。
「それは次回を見てからね!」ローザリンドが槍を振り抜きながら答える。
画面が暗転し、赤い文字が浮かび上がる。
「次回:全員覚醒!そして伝説へ…」
フィンの声が震える。
「覚醒って…俺、本当に王族なのかよ!? そんな設定聞いてねぇぞ!」
「大丈夫、きっと最終回までには慣れるわ。」ローザリンドが微笑む。
To Be Continued…