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レイカ「う~ん…微妙な天気だねぇ…」

昨日と打って変わって晴れてることを馬鹿馬鹿しく期待したが、やはりその夢は叶わなかった。

レイカ「そんな沢山ゲームは持ってきてないし…だからといってこの蒸し暑さを練り歩くのはなぁ…」

るう「ねぇ、なら少し聞きたいことがあるんだけど…」

レイカ「えっなになに!?教えて!何でも答えたげる!」

るう「…藪な質問ってのは分かるんだけどさ?君はどうして死のうだなんて思ったの?」

レイカ「……」

初めて見たレイカの黙りこける姿。あの騒がしささえなければ充分整った容姿をしている。珍しくレイカは5分ほど悩んだ 。

レイカ「これは言おうかずっと悩んでたんだけどね?私実は…」

レイカ「本当に死ぬ訳じゃないんだ」

真剣な顔で少し申し訳なく、そして哀しい顔で笑いながらレイカは言った。

るう「………え?」

つまり私は嘘の発言をまんまと信じ、知らない相手に勝手に同情し、お泊まりをしたわけだ。

レイカ「え~っと…私の言い方には色々語弊があったんだけどね?今からちゃんと話すよ…」

レイカは今まで見なかった真剣な顔で話し始めた。

レイカ「私ってさ?ニジュージンカクってやつらしいんだよね~」

るう「二重人格?たしか二つの人格があるっていう?」

レイカ「うんそれ!あれ?どっちだっけ…ニジュージンカクだっけ?ムユービョーだっけ?」

二重人格、夢遊病。待て、頭がこんがらがる予感しかしない。

レイカ「なんか…私はそれでしゅじゅちゅを受けると私は消えちゃってもう一人の私が登場するんだって~!」

るう「要するに…レイカは二つに意思が分裂していて、今のレイカはそれが分かれた方、そして手術することでその夢遊病か二重人格がなおって分かれた方である今のレイカは消えてしまうってこと?」

レイカ「うんうん、そゆこと!」

レイカ「だからさ…私、そのしゅじゅちゅを受けるためにずっと病院にいたんだぁ…」

レイカ「ずっと学校帰りのみんなを見てた。昔見てた友達はもう皆居なくなっちゃった。」

言動からするに元々一人だが途中から分裂し、それが小学校時代で中学で意識を取り戻すものの、今のレイカに中学校の知識はないため言葉遣いがたどたどしいのだろう。高校でまた帰ってきてしまい、小学校の友達が性格の変化などで疎遠になり、見れなくなった。ということだろうか。

るう「じゃあ、君が露骨に青春を求めたのって…」

レイカ「ずっと病院で皆が羨ましかったんだよね…皆でゲームしたり…出掛けたり」

言動からするに元々一人だが途中から分裂し、それが小学校時代で中学で意識を取り戻すものの、今のレイカに中学校の知識はないため言葉遣いがたどたどしいのだろう。高校でまた帰ってきてしまい、小学校の友達が性格の変化などで疎遠になり、見れなくなった。ということだろうか。

るう「じゃあ、君が露骨に青春を求めたのって…」

レイカ「ずっと病院で皆が羨ましかったんだよね~…皆で買い物に行ったり、祭りに参加したり、楽しそうだった…」

レイカ「施設は楽しいゲームもないし お友達には会えないし お菓子そんなに食べれないし おしゃべり出来ないし 同年代の友達も居ないし 薬は苦いし 検査は痛いし、優しい子も居るけど、その子の話を聞くともっとそとに出たくなった…だから」

るう「オセロとか必要なものをもって家出…いや逃げてきたんだね?」

レイカ「うん…」

るう「でもそれって許可もらってないでしょ?皆心配してるんじゃ…」

レイカ「そんなことないんだよ!」

大きな声に驚き、少し後ろに引いてしまった。やはり更なる事情があるのだろう

レイカ「あっ…ごめん」

レイカ「皆ね?私に「早く戻るといいね」っていうの…私だって…私だって生きてるのに!みんなみんな、私に戻ってほしいって!」

レイカ「私、戻ったら消えちゃうんだよ!?…皆私が消えること望んでるの…」

レイカ「…当たり前だよね…だって私レイカじゃないんだもん…レイカだけどレイカじゃないもん。皆が求めてるレイカは中学生のレイカで、現高校生の…いや、小学四年生のレイカはただの邪魔なんだ…」

皆望んでる。悲しい話だが、病気を治すには今のレイカに消えてもらう必要があるのだ。ただ私は違った。

るう「私は…私は今の君が好きだよ」

るう「ダメなものをダメとはっきり言って私の質問に濁さず答えてくれた。何より…私が知ってるのは今の君だから…」

るう「過去の君がどうだったかなんて知らないし知りたいとも思わない。皆にどう言われたって、思われたって…私を救ってくれたのは、私が助けたいと思ったのは…今の君だから…」

レイカはうっすらと瞼に涙を浮かべている。きっと、ずっと我慢したのだろう。当たり前だ。コントローラーの故障ではなく、感情を持った一人が消されようとしているのだ。

二人ともレイカで、二人とも違う人間なのだ。

るう「他人がどう言ったって関係ないよ…君が、君が生きたいと思ったならそれに従っていい。だって君が私に「自分のために生きたらいい」って言ったんだから…」

きっと二人とも泣いていた。これはただの、「居場所を消された人」と、「今消されている人」の物語だ。



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