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「うあ‥ぁぁ‥」


捻り込まれる狂気に、圧迫感に悲鳴が漏れる。


「痛‥い、‥‥」


想像を絶する痛みに涙が止まらない。このままでは引き裂かれてしまう。その恐怖心で眼の前の彼にしがみついた。



「力抜けって、藍‥」


耳元で囁かれるが、そんな器用に力を抜くなんて出来るわけがない。痛みが理性を奪う。受け入れている部分が激しく収縮し、内部に侵入する陰茎を押し戻そうと蠢くおかげで、余計に痛みが増していく。



「ぬ‥抜いて‥お願い‥やから、」


しがみつく祐希さんに必死で懇願した。


抱いて欲しい‥そう思っていたのに。こんなにも痛いのものだとは知らなかった。

溢れる涙が、しがみつく祐希さんのTシャツを湿らせていく。


震える手でしがみついていると、耳元で彼が溜息をつくのを感じた。


「藍、お前‥本当に初めて?」


真意を問われ、夢中で首を縦に振る。


「なんで嘘ついた?」


「ヒック‥‥経験あるって言ったら‥祐希さ‥抱いて‥くれるんやと‥思った‥か‥ら、」


嗚咽を零しながら白状する俺に、今度は盛大な溜息が聞こえた。



「そんな発想どっからくるんだよ‥本当、バカだな、」


心底呆れるような口調。


「ごめん‥なさ‥い」


「もう二度と嘘つくなよ。俺、嘘だけは無理だから」


顔を覗き込む冷ややかな視線を受けながらも、夢中で頷く。もう嘘はつくまい。心の中で何度も復唱した。


俺の必死さが伝わったのか、顔のすぐ近くでもう一度祐希さんは大きく溜息を吐き出す。その中には呆れつつも、ほんの少しの慈しみが含まれていた。



「藍‥口、開けて 」


次に発してきた言葉に、固く閉じていた眼を開けて彼を見た。驚きも込めて。


初めでだと伝わった今‥凶器のように内部に侵入する熱く反り立ったものを、祐希さんなら抜いてくれると思ったからだ。

先端部分しか含んでいないが、それでも一旦抜いてくれるだろうと、淡い期待を抱きながら。


しかし、どうも祐希さんは抜こうとは思っていない。先端部分だけを押し込み、そのままの状態でキスを強請っている。


貫こうとする凶器はそのままに。


「なんで‥抜いてからで‥ええやろ?」


「ダメ」


たった一言。しかし、その一言で引き抜く意思がないのが汲み取れた。内部に押し込まれた祐希さんの部分が熱い。ドクドクと脈打ちながら、今か今かと更なる侵入を待ち望んでいるようで‥


「藍‥口、開けないとこのまま無理矢理挿れるよ?」



本気の声色に、涙目になりながら口を開けた。痛みには酷く弱い。このまま挿れられるなんてとてもじゃないが耐えきれない。


ようやく、口を開いた俺に満足したのか、光悦の表情を灯しながら口腔内に熱い舌が侵入してきた。


粘膜や舌を撫でられたかと思うと激しく吸われ、時折痛みで顔をしかめる程に激しかった。


おまけに組み敷かれてる体勢では、祐希さんの唾液が否応なしに注がれる。逃げ道などなく、ひたすらそれが喉奥を通過していった。


濃厚な口づけの合間も、身体中を弄られた。胸の突起を指の腹でグリグリと押さえつけられ、抓られ、その度に身体が反応する。


摘まれた時は痛みで声を上げたが、熱い口腔内に吸収されるだけで無意味だった。


息苦しさに喘ぐ中、中心部分に大きな手が伸びる。キスで薄く反応していたその部分をやんわりと握りしめられ、上下に扱かれる。


先程の射精の名残でまだヌメつくそこからは、ヌチャヌチャ‥と卑猥な水音がした。


その動きに連動するように、最奥へと突き刺さっている先端部分がグリグリと動きを開始するから、ひたすら前の刺激に意識を集中させる。


祐希さんの大きい手は気持ちがいい。自ら腰を振りたくなる程の快感に必死になって食らいついた。逃してなるものかと。


最初は恐る恐るだった腰の動きが、徐々に大胆になっていく。祐希さんの手に自らを押し込む動きへと変化する。性を吐き出すことしか考えられなくなる。



しかし、それがいけなかった。



それを合図とするかのように、祐希さんの唇がふと離れ、俺を見下ろし呟く。



「藍‥愛してる」


甘美な響きを含む甘い声に、俺も‥と伝えようとした瞬間、



下半身に激痛が走った。



あまりの衝撃に息が出来ない。



「‥‥‥‥‥‥っ!!!」



一気に汗が噴き出す。思考が停止する。扱かれていた気持ち良さなど吹き飛ばされ、あるのはただ内奥への痛みだけだった。


「な‥んで‥」


先端部分しか含んでいなかった陰茎を、一突きで無理矢理捻り込まれていた。


慣れていない内奥が悲鳴を上げる。ギュウギュウと締め付け、余計に異物感を汲み取り必死に押し戻そうと蠢く。悲鳴を上げる身体も身を捩って抜け出そうと藻掻くが、熱い両手が両腰をガッチリと押さえ込まれ、逃れることも出来ない。



「きついな‥でも、やっと一つになった‥」


熱いセリフを耳元で囁かれるが、答える余裕など無かった。



「ずっと、こうしたかった‥藍‥もう‥俺のだ、誰にも渡さない」



一つになった。


ずっと聞きたかった言葉が落とされる。


それは俺が望んでいたはずだった。


だが、痛みで麻痺していた俺には、その言葉を喜ぶ余裕など無かった。


ただ、ひたすらこの行為が終わるのを待ち望んでいた。


内奥に熱い性を解き放たれるのを待つしか‥




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