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_実力足らず__🥀𓈒 𓏸
どこかの山奥では森が繁る中、小屋の屋根が山の中からチラッと覗かせていた
小さな焚き火の煙が上がっている場所をずっと下がっていくと、花歌を歌いながらナイフを磨いているミジと煙を吸い咳を込むマロンの姿があった
ゴホゴホと苦しそうに咳を混むマロンを見つめながらミジは呆れながら喋りかけた
「あんたさ〜、体弱いんだから小屋の中入りなさいよ」
「ううん……暖かいもん……」
しかしミジの言葉を否定するように首を横に振りながら答えた
「もう春だってのに…あんたは寒がりだね〜」
「ミジミンは寒そうな格好……」
咳をしながらも、煙から離れないマロンにミジは呆れながらカーディガン投げつける
「わぷっ」
「着ていいから小屋に入りなよ」
こくりと頷くとマロンは咳を混みながらガーディガンを大切そうに持ち、小屋へと入っていった
そんなマロンの様子を見るミジはやがて反対方向を見つめる
木々の奥には誰の姿も見えないが、ミジの目はしっかり奥を見つめていた
「バロイン…変なこと言ってないよね…」
ミジの見つめる奥にずっと行くと、多少高さがある木の上に座り顔を埋めたマイクの姿があった
服は全身真っ黒でフードの着けた服はなかなかに重そうで暖かそうだ
奥からマイクと似た服を来た男…バロインがゆっくり近付いてくる
「……近寄るな。話し掛けるな」
「……どんな心情でも威勢はいいんだな。」
バロインはマイクの乗ってる木の近くまで歩むとすでに切られた、切り株に腰を下ろす
タバコを取り出すとバロインはタバコを咥え火をつけた
胸元から写真を取り出す.そこには盗撮されたダレイの姿が映り込んでいる
写真の男をじっと見つめ…バロインは煙を口から出す
「随分賢そうなお友達だな…犯罪のひとつも出来なさそうだ」
「……当たり前だ」
「お前があの男に何を吹き込まれたか知らないが……俺たちとしてはお前が戻ってきた事が1番の目的だ」
92
#事件
_狭山08☕️
715
バロインは写真を真っ二つに切り裂き、タバコの火を近付け写真を燃やした
焦げ臭い匂いがその場を囲う
「がしかし、俺たちをガッカリさせる真似をするのならば…この男の命は無いと思え」
その瞬間マイクは木から飛び降り、静かに着地するとバロインのすぐ近くまで一瞬で詰め寄る
バロインの首元にはナイフが突きつけられている
「この人にだけは近寄るな」
バロインの口角が左右に広がる。
マイクの周りには蔓が複数詰め寄ってくる
しかし蔓はマイクの近くまで近寄るが途中で方向を変え、触れることは無い
カチャ…
マイクの腹部は重い何かに突きつけられる
バロインの銃口がマイクに当ててるのだ
「マイク…ガッカリさせてくれるなよ」
「ッ!!」
バロインの拳銃はそのまま2発発砲された
しかしマイクは頭の上まで来ていた蔓をがむしゃらに掴み咄嗟に避ける
バロインの構えは速かった
そのままマイクを殺す勢いで拳銃をまた向け発砲
全身の体の勢いを使いバロインの背後に飛び移ると、発砲された弾は蔓を弾き飛ばしバラバラになった欠片が宙を舞った
背後に回ったマイクはバロインの背目掛け、素早くナイフを振る
しかしバロインの拳銃はマイクのナイフに当たり、ナイフが手元から飛ぶ
手に小さな痙攣を感じながらも素早く体制を整えある程度バロインから距離を開くと腰から小さな小包を取り出しその場に投げつけた
「……ッチ…煙幕か」
モヤモヤ白い煙がマイク達を包む
しかし油断はできない。そこら中にバロインの蔓が地面を這いずっている
いくら小包の力でも自分から当たりに行けば意味が無い
当たりを警戒しながら小包を握り込む
小包は小さなナイフになり,両手に持ちながら煙を警戒する
後ろ、前、上、下までも目を走らせながら…身構えるマイク
マイクの足元から突如と蔓が現れ足に絡み付く
(っ!?…しまった!)
蔓にナイフを振り被ろうとした時、煙が薄くなった真上からバロインが姿を現し拳銃をマイクに向けた
「……ッ!」
拳銃は1発…マイクに向け当てられる
しかし当たったのはマイク本人ではなく、縛っていた後ろ髪だけに当たり吹き飛んだ
バロインが煙幕が晴れてきた所から姿を現す
蔓がそのうち…砂のように煙幕と共に消える
撃たれてはいないが、マイクは地面に膝から崩れるようにしゃがみ込んだ
「今のお前は、昔のお前より遥かに弱い」
咥えていたタバコを床に落とすと、火を消しもせずにマイクに背を向け小屋の方へと歩く
再び静かになった森にはタバコの匂いとマイクの呼吸音だけが残ったのだった
煙の処理をしながらミジは奥から戻ってきたバロインに気が付く
「あっ…バロイン!ちょっとなんの音よ!」
「…ほんの戯れだ」
バロインが腰を下ろすとミジはバロインを見ながら不安そうに声を漏らした
「マイクに手を出さないでよ〜、?折角生きて戻って来たんだし、バロインのせいで怪我でもしたらあたいが許さないわよ!」
そんなミジの会話を聞き流し、バロインは一言呟いた
「あいつを連れて国外に行こう」
ミジがポカーンとする
「あいつに昔のような実力がないのは…あの男が居るからだ。」
「じゃあの男殺せばいいじゃんよ…あんた得意でしょ」
「あの男を殺せば、今の彼奴は俺達を殺して自害でもするだろう…どちらにせよ殺せば彼奴が俺達に従う理由が無くなる」
「……へぇ〜?上等じゃん♪」
ミジはにっこり微笑みながらバロインのすぐ近くまで近寄り、座っているバロインを立ちながら見つめる
「いいね国外…あたいは好きだよその考え」