テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
シャワーの音で目が覚めた
なんだ?珍しく早起きじゃん
そんなに楽しみにしてたの?
青桜は今日がスノーボード
初体験だそうだ
ワタシは何年か前に友達と
一緒にスノボを始めた
みんなで初心者教室に行って
ハマって最初のうちは頻繁に
ゲレンデに通っていたが
友達たちが飽きてきて余り
付き合ってくれなくなったので
去年はそういえば行ってなかった
カズくんは結構 上級者っぽい
なるみちゃんとその 友達の
かなちゃんは 初めてではない
けど初心者とのこと
あともう一人 カズくんの
友達が 来るらしい
「おぅ 起きた?」
『ずいぶん早いね』
『そんなに楽しみだったん?』
「お前がオレに引っ付いて..」
「..イビキかいてたから
うるさくて 起きた」
『え!? イビキかいてた?』
『それは マジですまん』
歯磨きをしている私の後ろで
青桜がドライヤーをかけてる
絵面だけみたら 同棲カップル
なんだけどねぇ
ふと 鏡越しに青桜を見ると
なんかワタシの首?を見てる?
「スゲー 綺麗に
ついちゃったなぁ」
?
「コレ」
青桜は 狐の笑みを浮かべ
ワタシのうなじをつついた
『ぎゃっ!何?』
肩をすくめて逃げるワタシに
追撃する青桜
「キスマ」
『は?』
「キ ス マーク❤︎」
『はああ?!なんでっ!?』
「オマエが激しくて(イビキ)
オレを寝かせてくんないから
お返ししてあげたのに
起きないんだもん♪ 」
『だもん♪ じゃない!!』
『そんな凄いイビキなんか
かいてた??』
『よりにもよって 皆に
合う日に! さすがにコレは
誤解されるって!』
ケタケタと狐らしい嗤い声を
上げて ワタシを押し退け
鏡を独占する青桜
このやろっ!
しかし相手してる場合じゃない
台所でうがいを済ませて
コレを隠すアイテムを探す
絆創膏は逆に目立つ
コンシーラーは落ちるだろうし
あ 肌色の湿布があった
これなら完全に隠せるし
『寝違えちゃった』でいける
この上にネックウォーマー
もつけるし 問題ない
いや.. シップ臭っ!
ーーーー
皆 集まったので近場の
スキー場に向かう
初心者が多いからリフトに
乗る前に一応 転び方 止まり方
リフトの乗り降りなどカズくんに
教えてもらう
『ちょっと 真面目に
聞きなよ!』 『危な!!』
青桜は笑いながら直滑降して
止まりきれず保護ネットに
突っ込んで行った
運動神経に自信がある
無謀な初心者ほど怖いもんは
ない
自爆はご自由に だけど
他人様 巻き込まないでよ?
お願いだから!
あと レンタルした装備
壊したら弁償だかんな!
たぶん
リフトで上に上がっても
狐の暴走は止まらなかった
カズくんとその友達のヒロくんが
なるみちゃんたちに教えながら
キャッ キャ うふふ と
平和にゆっくり滑ってくるなか
また ほぼ直滑降で滑り下りる
バカ狐
『危ないって!
バカじゃないの?!』
とりあえず 放ってはおけない
のでついて行くが ワタシに
直滑降に 追いつけるほどの
スキル はない
『危ない!!』
ヨロヨロしている他の初心者さん
にぶつかりそうになる
軌道を変えて躱したがバランスを
崩して すっ転んだ 青桜
派手に雪煙を上げて転がって
行った
『大丈夫ー!?』
あははは
「曲がれたー!」
目を輝かせる狐
このまま野に帰せそうだ
野生に戻ってる
『それは よかったですねぇ』
『頼むから 直滑降やめて
追いつけないし 回りの人に
ケガさせる!』
そこからは左右に 曲がって
減速することを教えようと
ワタシの後を同じコースを
辿って滑って下さるように
お願いした
『マジでお願いだから
言うこと聞いて!こっちの
寿命が縮むんだよ!』
って感じでお願いした
2本 3本と滑るうちに
リズムと体重移動をマネて
4本目には右にも左にも曲がれる
ようになり 割と普通に滑れる人
になった
『吸収 早っ!』
運動神経とかフィジカルって
努力だけではどうにもなんない
ところがあるから 羨ましい
ちくしょー こういうの持って
生まれたかった
それはさておき
ウチのコ 見て 見てー!
こんな 出来るように
なったよーって気持ちで
なるみちゃん達の近くを滑る
『おお!凄いねー!』
『下で待っててーお昼にしよう』
昼を食べ 身体が温まると
急に疲れが来た
何せ 青桜に付き合って
この時点でいつもの一日分くらい
の本数滑ってる
正直この後は 男性陣に
コイツの面倒を見てもらいたい
話し合いの結果 この後は
皆んなで ジャンプ台のところ
に行くことになった
女性陣は見てるだけでいいから
疲れないでしょ?
ってことらしい
見てるだけは寒いんだけどな..
まぁ 背に腹は変えられない
ジャンプ台の横見えやすい位置に
女性陣を残して 男性陣は
ジャンプ台の上に移動する
当然のように青桜も上に行ったが
大丈夫かな 今日始めたヤツが
まずは カズくん ボードを
掴んで大ジャンプ
『おおお!凄いー!』
『凄いじゃん カズ!』
ヒロくんは半回転して綺麗に
着地した
『わあ!すごーっ』
『カッコイーイ!』
黄色い歓声があがる
次は青桜が滑ってきた
え?もう飛ぶ気? なんも教えて
もらって無いんじゃない?
ストレートジャンプだけど
ちゃんと着地した 青桜に
素直に感動した
『わ 凄っ!』
青桜はこちらに勢いよく手を
振りバランスを崩してコケた
そして手首を痛めたらしく
その後はワタシ達と一緒に
見学に なった
急にしょんぼりとおとなしく
なる青桜 やだ 可愛い..
笑っちゃいけないけど
可哀想で可愛い
しばらく二人のジャンプを
見せてもらい
吹雪いてきたので帰ること
になった
ぎゃわわあ!!
ウエアを着替えていたら
なるみちゃんがワタシの
脇腹をくすぐった
『まだ童貞くんっぽい
けどな』
随分 前のネタだ
女子だけで なるみちゃん
の家に遊びに行ったとき
勝手にベットに座ったボク は
なるみちゃんに公開 お仕置き
をされていた
『よそ様の家のベットに
許可なく上がっちゃ
ダメでしょ? 』
『襲っちゃうよ?』
と なるみちゃんに押し倒され
直に腹を撫で上げられた
ゾワっとして その時も
確か同じ様な悲鳴を上げて
『襲われる童貞くんの図
じゃん』
って他のコに揶揄われた
恋愛経験値 高レベル帯の
人達のこういう冗談はマジで
心臓にわるい
やめてー
ボクはたぶん女のコ相手なら
タチなんで.. たぶんね
『勘弁してよ
姐さん(同い年) なに?』
『気づいてないの?』
なるみちゃんが自分のうなじを
トントンと指で叩く
『あっ!』と
声をあげて 確認する
湿布が取れてしまっていた
いつのまにかネックウォーマー
の方に くっついてた
『ついに そういうコトに
なっちゃった?』
『違う違う!』
『イビキで起こされて
ムカついたからだってよ』
『はぁ ムカついて
キスマークねぇー..』
『ちょっと青桜のヤツ説教
してきてイイかなぁ』
ちょっと姐さん 怖い
女豹を怒らせちゃったよ
『ちょっと 青桜くーん』
「今日のこと 話ししてたよな」
『どういうことかな?アレ』
なるみちゃんとカズくんに
拉致られる青桜
残された3人は ポカーン
一応ほか二人に聞いてみた
『何か聞いてた?』
『ええと 私 何も..』
「俺も聞いてないっすね」
『ワタシも聞いてないや』