テラーノベル
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第6話闇と王と怪物
「ククク…本気を出したウィースは止められないぜ?ククク…」と敵は鎌の形の双剣を構え口ずさむ。
「我が名はクネスダ…闇の使い手…!!!お前を闇へと引きずり込む…悪魔だァ…!!!」
『僕の名はジェランお前のような低能をボコボコにするスーパーイケメンだ覚えとけ』
『俺の名はラーオ、てめえをボコボコにするスーパーキュートちゃんだ覚えとけ』
「ケヒッヒヒャヒャヒャヒャァァ!!いいねぇ…いいねぇ!!!」と高らかに笑いながら影へ影へと体を潜ませそして再度ジェランの背後を取ろうとしたが 「チェックメイッゴヘァッ!!!ッぁぁ″ア″…」
地面が突如クネスダを襲った。
「ハァッハァ…ヒヒッ…ククク…これだから戦いはやめられん…」
『闇使いの人間との戦いは慣れんな…』
「…ククク……そうだろう…ククッケヒヒ…闇使いは珍しかろう……珍しいが故に………皆、俺を魔物と同等の扱いをしたよ…お前は人ではないと…悪魔だ!!!と…ククク…ヒーヒャヒャヒャ!! 」悪魔は高らかに笑った
「ならばなってやろう!!!
この……俺がぁ…!!!!真の悪魔になぁ!!」
『お前は悪魔にはなれないさ…所詮は只の人間なんだからな…』
「ククク…好きに言うが良い…」そう言うとマントからおぞましい程のナニかが溢れ出る。そのナニカは彼を包み込む
「ククク…さあ…狩りの時間と行こうか…!!」
仮面を外しマントを脱いだ。
全身は黒く所々、紫のラインがあり顔は大きな角のと目は赤く輝く。
その姿は正に悪魔と言えよう。
「悪魔の爪を味わうが良い!」そう言い放つと腕が肥大化し大きな爪が露わになる。
一振りした時大地は切り裂かれ森は切り開かれた。
「魔弾」と言えば周囲から大量の闇の球体が現れる。
「チェックメイトだ…」とそう言うと球体は槍の様にジェラン達の肉体目かげて飛んだ。
「クックック…キメラを倒して彼奴を助けに行くか…」
『なにをどうするってぇぇ~!?!』と弾丸の様な速度でラーオが飛び出し力業でクネスダの角を折り、更に土で殴りつけた。
「クソッ!!!」
と闇の球体を出そうとしたその時、
『無駄だ』
『風の怒り!!!』
途轍もない勢いで闇の弾はかき消され風圧でラーオごとクネスダを地面に倒した
『行くぜ糞野郎ォ!!!』と土がラーオの腕を覆われる。『アァァァァスアァァァム!!』限界まで強化された土の腕は悪魔の鎧を壊した。
「グッソォォ!!」と闇に消え、逃亡を図ろうとしたクネスダはある事に気づいた。
〈ウィースの魔力がかなり弱まっている…まさか負けた…!??〉
その時『何余所見してんだ糞がぁ!!』と風を纏った土の腕がクネスダの顔目がけ飛んでくる。「だアックはァっ…糞…我が友…よ」
『逃がさねえぜー?』と言うとクネスダは風で拘束され動かなくされた。
『結構離れちまったな…彼奴らの所行くぞジェラン』
『あぁそうだな。』
『グッ…しょら!どうする!!』
『まず僕が隙を突いて拘束するからその隙に何とかして…!!!』
『つったって…こんなやべえモンスターどうしろと…!!!』静寂の中で王は愚民を見下す。
王は鋭い目つきで彼等を睨みつける
「グル″ゥ″ゥァ″ァ″″ァ″ァ″ア″″!!!」その咆哮が静寂を壊した。
サソリの尾はレン目がけ飛んでくる。
『ヤッッべぇぇ!!』と即座に雷でレンは避けた。
『レンくん!!避けて!!』そう言うと直ぐさまレンは空高くに飛び上がる。
『アイビードレイン!!』巨大なツタが地面より出現しキメラの屈強な巨大に覆い被さり体力を吸収する。
『僕のアイビードレインは敵の体力を吸収すればするだけ強くなる!!悪いけどこの勝負は僕の勝ちだね!!』
だがその想いは儚く散っていく事になった
「ガルルルァァ″ァァ″ァァ″!!」と吠えた直後尻尾がツタに突き刺さり次第にツタは枯れてゆきツタを壊し、ガルルルとしょらへと絶対的な殺意を向けた
『雷″ッッ砲″″!!!』その雷は見事キメラの頭上に当たろうとした、その時キメラは大きく羽を広げ、一振りしその暴風により雷もまた散っていった。
『ッッなっ…!!!』
王はケタケタと嘲う、 愚かな愚民達を嘲う
『雷ッ砲!!』王は呆れる。あぁまたその攻撃かと…無慈悲なことにその攻撃は当たることなく再び消えていった。
そして王がしょらへと目線を向けたときにそこには彼はいなかった。
『アイッビィーー!ドレイン!!』
そのツタは再度王を捕らえただが今回は
足や尻尾や羽等の攻撃されにくい場所をツタで押さえ込んだ。
王は笑みを浮かべたその筈だ王は数百年孤独だったのだから。
キメラは生態系のピラミッドでは上位に食い込むだが頂点ではない。だが王は違う
正に孤高の最強と言われる最強だった
敵は居ず、孤高の最強と謳われた
だが王も年には抗えぬ。
日に日に弱体化していく身体
王は遙かに弱くなった。だがそれでも王は
好敵手に会いたいと願う。
そして願わくばかの者に倒されたいと。
愚民たちが抗うのなら我の好敵手となりえるのならと王は覚醒する。
「グルアァァァア!!」その歓喜に近い咆哮を上げれば王は老体を酷使してツタをちぎる。
「ガルルルゥアァ…」尻尾を振り回し彼等に斬撃をお見舞いする。
『雷ッッ刃!!!』レンのその攻撃は見事王の尻尾へと届き見事切り落とした。
だが彼も無事では済まなかった。
『ゴハッグ…ウッ…』王の尾には大量の毒が仕込まれておりそれを切れば勿論毒を浴びることになる。
『レンッ!!』
「ガルァァア!!」王はしょらに向かって腕を振り上げようとした。
その時だった。
『はい。そこまで』
王の身体は溶岩により溶かされる。
「ルグゥァァァ″ァ!!」先程の余裕は消え断末魔をあげる。
「ルグァァアァア!!…アッグッァァ」王は何かに気付きその者を恐れる。
王は分かってしまった。その者に勝てないと何があっても、絶対に、それ程の差を分かってしまった。そして王は恐れという感情を持った己に怒りがこみ上げる。
「…ガァアッア!!!」王は立ち向かい敵を喰おうとする。
王の口の中に入ったその者は
『くっさ…最悪…』と言いながら王を内部から燃やし尽くし、平然とした姿で出て来た。
『はぁ…。なにしてんのクネスダ…と…は?お前ら誰?』
そこにはクネスダたちの様な仮面を被った黒いマントで身を包まれた女性と思わしき者がいる
『コハッぐ…お前の方こそ…誰だよ…』
『私?…名乗る程の者じゃないよ。』
その時
『お前誰?』
とラーオたちが言う
『ん?…おっクネスダ居るじゃん』
するとホブ達もウィースを引きずりながらやって来る。
『あっ?お前誰…だ』
『皆!!そいつ等捨てて逃げるよ!』
としょらが叫び直ぐさま皆を大きなツタに乗せ逃亡を図る。
『ンなっ?!』とホブ達は驚きと何処か理解した様子で彼女の仲間を地面に放り投げる
『あ″ー…逃げられたじゃん…どうしてくれんだ雑魚共…全く…アヤメ様の頼みじゃなかったらこんな所来たくなかったのに…』
「はぁ…はぁすまない…」
『次失敗したら分かってるよな?…』
「分かってる…」
『じゃっ…私アヤメ様の迎え行くからぁ~』
と言うと彼女は
『おいカンラ、後任せたるから、』
『了…』背後から老婆が現れる
クイッと老婆が彼等を持ち上げると
『行ってらっしゃいませ…アグリ様…』
そう言うとアグリは『はーい』とルンルンな様子で仮面とマントを取り何処かへと消えてゆく。
コメント
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アヤメ「おー。アグリちゃんよく頑張ったねー♪」