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mogyumogyuGemi
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#AI
みら

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みら

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第二十二話 星が消えない朝
朝なのに、星が消えない。
その光景は、どこかおかしかった。
でも。
誰も「間違ってる」とは思えなかった。
窓の向こうには淡い青空。
中央恒星庫には無数の星。
夜と朝が、静かに重なっている。
まるで。
“忘れる”と“覚えている”の境目みたいに。
⸻
栞はその景色を、じっと観測していた。
『……矛盾状態、継続』
「やっぱり変なんだ」
『はい』
即答だった。
私はちょっと笑う。
栞は続ける。
『通常、夜明け後は恒星観測領域が収束します』
「でも消えてない」
『はい』
その夜空みたいな瞳が、私を見る。
『あなたが観測し続けているからです』
「私?」
伊織が静かに補足した。
「この図書館では、“認識”が現実へ影響するんです」
「夢みたい……」
「近いですよ」
彼は窓の外を見る。
「ここは、記憶と感情で構築された場所だから」
⸻
私は中央恒星庫を見る。
小さな恒星。
あのやさしい光。
“もういない”はずなのに。
私はまだ、そこにいる気がしてしまう。
だから消えない。
そういうことなんだろうか。
⸻
その時。
瓶のひとつが、ふわふわこちらへ漂ってきた。
『ねえ』
小さな女の子の声。
『星って、朝になると消えるの?』
私は少し考える。
「……見えなくなるだけじゃないかな」
『ちがうの?』
「うん」
私は空を見上げる。
淡い青の向こう。
まだ残る星たち。
「そこにあるけど、見えづらくなるだけ」
瓶の光が、やわらかく揺れた。
『そっか』
その声は、なんだか安心したみたいだった。
⸻
澪が小さく呟く。
『……わたしたちも、そうなのかな』
伊織が目を細める。
『忘れられても』
澪は胸元の星核へ触れる。
『いなくなるわけじゃない』
静かな声。
でも。
以前みたいな苦しさは、もうない。
⸻
栞は、その会話を黙って聞いていた。
やがて。
『観測補助記録、更新』
空間に淡い文字列が浮かぶ。
⸻
【存在は、認識消失後も完全には消滅しない】
【記憶痕跡は、他者内観測として継続】
⸻
「なんか論文みたい」
私が言うと。
澪が少し笑った。
伊織は疲れた顔でため息をつく。
「最近、図書館が詩的になってきた気がする……」
『定義更新の影響です』
栞は真顔で答える。
「絶対それ便利ワードにしてるでしょ」
『はい』
「認めるんだ……」
⸻
その時だった。
図書館の奥。
今まで閉ざされていた通路の先から、淡い光が漏れ始める。
伊織の表情が変わる。
「……また開いた」
「なにが?」
彼は少し警戒した顔で答えた。
「下層です」
空気が少し冷える。
以前、封印扉の前で感じた嫌な気配。
でも今回は少し違う。
怖いだけじゃない。
“誰かが待っている”みたいな気配。
⸻
栞が静かに告げる。
『未観測領域、再接続開始』
『原因』
その瞳が、こちらを見る。
『――朝の発生による境界拡張』
伊織が低く呟く。
「つまり」
彼はゆっくり、光る通路を見た。
「今まで夜に閉じ込められていたものが、出てこられるようになった」
コメント
1件
おお、第12話…「星が消えない朝」、すごく綺麗な回でしたね。朝なのに星が消えない矛盾した風景が、まるで“忘れる”と“覚えている”の境目みたいだって描写、心に染みました。特に「忘れられてもいなくなるわけじゃない」っていう澪の言葉が優しくて、胸がじんわり温かくなりました。ラストで下層が開くところ、続きがすごく気になります…!