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暁の時に目覚めた2人。福寧はどこか不眠を感じさせられる表情だ。お腹を擦り、今にも寝そうだ。
藍妹が訊く。「朝食はないがいい?」と。福寧は元気なく「…なくていい。」と答える。藍妹はため息を吐いた。すると、福寧が藍妹に疑問を「そういえば、藍妹って多分長安からきてて、多分蜀(フゥルク)系の祖先がいるだろ。」とぶん投げる。福寧には自分のことについては何も話していないが、藍妹は顔色一つ変えず、「よくわかったな。」と話を繋ぐ。藍妹は「多分お前は魯(ルァッ)系の祖先がいるだろ。」福寧は頷く。藍妹は果物の端切れを食べながら福寧に疑問を投げつける。「そういえば、お前さ、なんか声色が高いし…礼節の種類が僕と違う。お前…もしかして…女(ンラッ)か?」っと。福寧は驚きもせず、「あぁ?バレた?じゃなかった…バレました?」急に女っぽい色づいた声になる。藍妹は一瞬笑って「お前、向上心すごすぎる!」って言った。続けて、「女が高魂剣を目指したのは紀元前から数えてほんの数十人。手に入れたのは三人いるかいないかくらい。都が長安になってからは、一人もおらん。」と話す。福寧は笑いながら「あなたについていけば、芋蔓式で高魂剣を手に入れるかなって。」と正直になる。藍妹は「正直すぎるな〜」と思わず笑ってしまう。その後も、「円径比(グワンケェングスピッ)はなにを使いますか?」と福寧が訊くと、「密率(ミッスロッ)。」と藍妹が返して、福寧は「私の家系は、約率(ロクッスロッ)!」と劔鍛冶の範囲を超えた学問で盛り上がった。
時が進み、早朝。2人は宿を出て八六百尺のところにある宝鶏(プウックェイ)の修行所(カンシュルスタッ)にたどり着く。もう既に何人もいる。みんなは舎師(フラッスト)を待っている。
舎師の登場。「古くは夏朝、進んで隋朝。東は閩、西は蜀と、古今東西、高魂剣を目指すものは多数。ここでふるい落とされたものも多数。いいか、ここは宝鶏。まだまだ高魂剣からは遠い。力が入れていけ。」
と話している。また「定石な言葉を話してる。」といいながらこっそり笑っているのは、賢仁(グァンニン)実は彼の年齢は高魂剣を手に入れるのも最後くらいかの年齢。「絶対帰ってきたら殺してやる。」と恨みつらつらな彼は親に駆らされた、住園(タッスグァン)。寝ている女もいる。福寧の旧友――霞仙(グァラスナール)だ。ただ、お互い気づいてない。その他で計五十人くらい修行所にいる。今日が新月なので、次の満月まで耐えないといけない。訓錬(グヮンラン)の始まりだ。
集合日は準備や願掛けなどをする。舎師「この一月の修行で認められたら、山奥に来い。」とのこと。夜、焚火で全員で願掛けを終えると、福寧が霞仙の存在に気づき、「霞仙、久しぶり」と歓声を上げる。霞仙も後に続いて、「久しぶりー」と歓声を浴びる。社交辞令の接吻も忘れていない。その時、藍妹我を忘れたように願掛けをしていた。
訓錬の現実的な生活。それは病で人生を終えるほうがマシに思えるほどだ。
ようやく暁になる頃、鐘が鳴って起床。起きないやつは鋨や鉈などでできた激硬の鞭で痣を作られる。朝食も酷いもの。米なんか贅沢なほどの精進料理。満たぬまますすむ訓錬の日々。将来的には16500尺の距離を15分以内で顔色一つ変えずに走れと。しかし、藍妹はそれでも顔色を変えない。大体の日は、長距離走、腕立て伏せ、腹筋、背筋、槍投げと人智を越える体力をよこせという。ただ、最初の宝石を手に入れる修行のためかあまり回数は多くはないと言える。これが西部に進むほど、比例して回数や日数、訓錬の内容も増える。夕方に冷水を浴びて、瓜1本を食べさせられる。瓜の種類は季節よって違う。就寝は自由だが、みんな速く寝ることに精神を削っている。その就寝も布団がある日やない日がある雑魚寝。これが通常運転だ。藍妹によれば「これを乗り越えずして高魂剣を手に入れようなど愚かさが限界突破している。」だそう。
ある日の夜、福寧と霞仙が詩を作り上げていた。藍妹が聞こえた範囲の会話だと、
霞仙「いいよー!七言絶句形式で!」
福寧「私が負けるわけない!」
という会話。少しすると、福寧が詩作り上げる。
「日落餘暉照遠巒,靄雲深處若神觀。
松風吹動影猶在,山鬼幽棲夢未寛。」
(意味:日が沈めば、山々を照らし。神など居るかも。)
後に続いて霞仙も詩を作り上げた
「暮蟬一鳴夢眼開,枕邊幽影映心懐。
微光未到新辰現,黎明消息入窗來。」
(意味:蜩の声聞けば、就寝時視える。新しい日告む。)
と聞こえる。2人の会話からもともと文武でいえば、文学に勤しんでいたが、武転したんだそう。藍妹は霞仙の詩を聞き終えると、寝た。藍妹は感じたことのない魅惑的な声でてる恋から逃げようとした。あとからだろうか、2人は同じところで寝ていたという。