テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
195
瑠南
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
日本 夜。
まぜたが一人、イヤホンを外す。
まぜた「……違う。」
スマホの録音を何度も聞き返している。
小さく、かすかに入っている音。
あっきいの声。
あっきい(録音)「……び……ぶ……」
ノイズの奥。
確かに“何かの言葉”。
まぜた「音程は合ってる。」
まぜた「でも、発音が足りない。」
目を閉じる。
まぜた「……もう一回。」
小さく息を吸う。
まぜた「ብ……」
その瞬間。
イヤホンがノイズを走らせる。
まぜた「……!」
空気がわずかに震える。
まぜた「やっぱり、これだ。」
次の日 学校。
あっきい「おはよー。」
ぷりっつ「おそいで。」
まぜた「……あっきい。」
あっきい「なんだよ。」
まぜた「昨日の言葉、もう一回思い出せるか。」
あっきい「またそれ?」
ぷりっつ「しつこいなあ。」
まぜた「いいから。」
あっきい「……頑張ってみる。」
目を閉じる。
あっきい「……び……ぶ……り……」
頭を押さえる。
あっきい「っ……!」
ちぐさ「やめて!」
全員が驚く。
ちぐさが強い声を出す。
ちぐさ「それ、ダメ!」
空気が凍る。
あっきい「ちぐちゃん……?」
あっとが前に出る。
あっと「やめろ。」
まぜた「やっぱりか。」
けちゃ「……。」
ぷりっつ「どういうことや。」
まぜたが一歩前に出る。
まぜた「その言葉。」
まぜた「普通じゃないな。」
あっと「関係ない。」
まぜた「関係ある。」
まぜたの声が静かに響く。
まぜた「音が空気に干渉してる。」
ぷりっつ「は?」
まぜた「ただの言葉じゃない。」
まぜた「“鍵”だ。」
ちぐさが息を飲む。
あっきい「鍵?」
まぜた「俺、少しだけ再現できる。」
あっとの目が変わる。
けちゃが一歩後ろに下がる。
ちぐさ「やめて……」
まぜた「聞け。」
目を閉じる。
空気が張り詰める。
まぜた「ብብርሃ……」
その瞬間。
ゴォッ
突風。
窓が揺れる。
空が、わずかに歪む。
あっきい「なにこれ!?」
ぷりっつ「おいおい……!」
まぜたが目を開く。
まぜた「やっぱりだ。」
まぜた「これ、発動しかけてる。」
あっと「やめろ!」
一瞬で距離を詰める。
まぜたの胸ぐらを掴む。
あっと「それ以上言うな。」
まぜた「図星か。」
静かな睨み合い。
ちぐさ「やめて!!」
二人の間に入る。
ちぐさ「もうやめて……!」
声が震えている。
あっきい「ちぐちゃん……」
けちゃ「……もう隠せないね。」
静かな声。
ぷりっつ「どういうことや。」
あっとが手を離す。
あっと「……まだだ。」
ちぐさ「でも……」
まぜた「隠すなら止める。」
まぜた「俺は全部知る。」
あっきい「俺も。」
ぷりっつ「当然や。」
三人が前に出る。
ちぐさが目を閉じる。
ちぐさ「……ごめん。」
空が、大きく揺れる。
そのとき。
バキッ
空に、はっきりと亀裂が走る。
全員が見上げる。
黒い影が、そこから覗く。
あっきい「……は?」
ぷりっつ「なんやあれ。」
まぜた「出てくるぞ。」
あっと「下がれ。」
ちぐさ「もう隠してる場合じゃない。」
けちゃ「うん。」
ちぐさが前に出る。
ちぐさ「全部、話す。」
空が割れる。
影が落ちてくる。
秘密は、もう隠せない。
第6話 終わり
次回 「隠していた空」