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「和華、パラオ、久しぶりだな。いや、覚えてはいないか」
そう言った初めのドールの瞳は少し、寂しそうに揺れていました。
「なら、もう一度、自己紹介しないとな」
「私は日本国様のドール、愛華だ。陸の様(大日本帝国陸軍様)達には、愛と呼ばれている。一応最年長だからな、ドール達のリーダーをしている。宜しくな」
その声は、威厳と優しさ、そしてほんの少しの苦しさと寂しさが交じっていました。
「あ、えっと、和華と、和華の主のパラオ様です。えと、よろしくおねがいします!」
言葉に詰まりながらも頑張って話しました。
「よろしく」
「っ!」
小さい声だけど、確かにはっきりと、パラオ様が一言、話しました。うれしくてうれしくて涙がでそうでした。
小さい声だったから、和華と愛華さん以外はきこえてないみたいですけど。
「質問はあるか?勿論青木達の事でもいいぞ」
愛華さんがそう優しく笑いながら言いました。
「えっと、じゃあ、あの、愛華さんのはいてるそのカランコロンって鳴る靴って、、、」
「ん?あぁ、下駄のことか?」
愛華さんは優しく聞き返しました。
「はい。あの、すっごく前に、その、げたの音を聞いたことがある気がして、、、気のせいかも、知れないんですけど」
「確かに、昔から履いていたな。和華の今感じている疑問に答えれるかもしれんな」
愛華さんは少し思い出すようにして返事をしました。
「教えて下さい」
和華がそう食い気味に答えるとニヤリと笑って「少し長くなるぞ」と言いました。