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1. 「 そんな訳ない 。 」
目 side
男 ) なあ 、 知ってるか ? 隣の クラスの 向井 、まじで 目黒 の こと 好きらしいぞ 、 !
教室 の 前 で そんな 会話 が 聞こえてきて 思わず立ち止まってしまった 。
目 ) … あの こーじが 、 ?
まさか 、 聞き間違い だろう 。
男 ) まじ !? 笑 あの こーじが ?! 笑
友人の 1人が 興奮気味に 続ける 。
男 ) だって いつも 一緒に いるし 、 あれで 付き合ってないの 不思議なくらいだろ 。 絶対そうだろ 笑
目 ) いや 、 ! ねえよ 、 !
慌てて 俺は 割り込んだ 。
目 ) ほら 、 まず 、 幼馴染だし 、 家族みたいなもんだし 、
俺の 登場に 驚いた 友人たちは 、 「 ほら本人 」「 本人が否定してる 」 と笑い飛ばす 。
俺も笑って誤魔化しながら、心臓だけが妙にうるさいことに気づいた 。
だが 、 その日以来 、 こーじのことが 気になって 仕方なかった 。
昼休み 、 購買で パンを 選んでいる こーじの 横顔 。
授業中 、 真剣な眼差しで ノートをとる 手元 。
今まで 当たり前すぎて見過ごしていた 些細な一つ一つが 、 友人の 言葉を きっかけに 、 意味深に俺の目に映り始める。
向 ) なあ 、 いつまで見てるん ?
隣から呆れた声が聞こえて 、 俺は慌てて視線を逸らした 。
目 ) … 別に、見てねーし
向 ) ふーん
こーじは それ以上何も言わず 、 食べ終えたパンの袋を くしゃりと 丸めた 。
俺は気づかなかった 。その一瞬 、こーじの耳が 少しだけ赤くなっていたことにも 、 俺を見つめる視線が いつもより少しだけ熱を帯びていたことにも 。
―― 俺はまだ 、「 好き 」の意味を知らない 。こいつの気持ちにも 、 自分の気持ちにも 。