がっつりセンシティブじゃないです。一応です。
side zm
メダカに餌をやる。
近寄ってくる魚を眺めながらボーっとしていた。制服の上に着ているジャージからショッピと同じ匂いがする。
一晩じゃ乾かなくて、体育着をショッピから借りたが、正直、なんというか。
「…。」
今日は一緒に帰れんしな…。
立ち上がりカバンをもち理科室をあとにする。廊下から見える景色はグラウンドが広がっており、野球部が活動していた。
「部活動ねぇ…。」
1年のときめんどくさくて入部しなかったのが仇となり、部活によって構成されるグループの輪に入れず、孤立している。
まあ…。ショッピがいるし気にしてはないんやけど。ただ、たまに見かけるショッピは人と行動していることが多く嫉妬をしてしまうことがあったりなかったり。
今日はなんだか気分が上がらない。
ぐったりしてる。そんな気がする。
「あのっ…。ずっと好きでした。」
廊下を曲がろうとしたとき。
告白が聞こえた。こっそりのぞき込むと、顔を赤らめた女が1人目の前のやつに告ってるようだった。顔を確認する。
「良かった。ショッピやない…、」
勝手に出た言葉は、自分の気持ちを分からせてくる。ぐっとこらえながら遠回りをすることにした。
下駄箱に着くと外で委員会活動をしている塊がみえる。むらがっている中心はどうせ…。みないように裏門から出ていく。こっちは、本当の通学路だから、みられても不自然じゃないため、難なく進む。
ただ人が少ないせいか荒れているこの場所は見渡しにくい。グイグイと進み門から出る。少し暮れかかった空は孤独を際立たせる。そんな時だった。
「おい。」
腕をぐいっとつかまれる。
その声に背筋が凍る思いをする。
つかまれた方をみればあの男がいた。
母さんの恋人だ。
「え…。」
恐怖で足が動かない。
「なんで昨日帰ってこなかったんだ。」
淡々と話だす男の目の奥はこちらに殺意とまでの思いを持っているだろう。
獣のような目が突き刺してくる。
「あっ…いやっ…、」
震える手と、緊迫しだす心臓は、軽いパニックを引き起こす。そのまま男は俺の身体を這うように触りだす。「だめじゃないか。反抗期か?」ニヤニヤと微笑む男の手は俺の素肌に触れようとしていた。
「やっやめっ…。」
焦らされる身体は行為を欲するように反応している。
男が、俺の服を脱がそうとしたとき。
男の手が振り払われる。
その方を見ればトントンだった。