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15 - 第15話

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2025年04月04日

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ショッピを見送りそういえばと思って、玄関に向かう。

「ん。やっとるな。」

花に水をやってる生徒に軽く声をかける。

「トントン先生ー!」

今度は生徒に声をかけられる。

「どうしたんや。」

「それが裏門のところに変な人いて…。勘違いかも知んないですけど一応報告しようと思って…。」

「そうか…。わかったありがとう。正門から帰れよー」

変な人ねぇ…。そう考えてると、

「トントン先生だ!」と生徒か寄ってくる。

トントン先生何してるんですか!?」

「あっえっと…。」キャーキャーと騒ぎだす生徒を落ち着かせようとする。

その時ゾムが校舎からでてくる。

そんなゾムは裏門に向かっていった。

まずい。直感で思う。「あっ…」

声をかけようにも追いかけようにも生徒たちに遮られていけない。そこに向かうことができたのはちょっと過ぎたあとだった。走ればまだ間に合うと走ると、

ゾムと男がしゃべっていた。ゾムの身体を触ってるように見えて俺は男の手を振り払った。そして俺は迷わず間に入る。

「トントン…。」小さく後ろでつぶやいたゾムは少し泣いていた。怒りがこみ上げる。腕をつかもうとすると、男は走って逃げていった。急いで振り返る。

「大丈夫か…?」よろけるゾムを支える。「ありがとう…。トントン…」火照った顔と肩で息をしているゾムは心臓に悪い。空いているジャージの中に着ている乱れたワイシャツも色気を増幅させる。

「とりあえず校舎はいろか…。」裏口からゾムを校舎にいれる。職員室ではなく、教室に案内した。


「…。」俯くゾムはうつくしく蛍光灯にきれいに照らされている。聞いていいのだろうか。俺は逃げたのに、今さらいいのだろうか。そう思いつつ先生として話しかける。「ゾム。落ち着いたか…?」

「…うん。」久しぶりの面と向かっての会話は正直気まずい。

「…。」「…。」

沈黙が続くなか、しゃべりだしたのは意外にもゾムからだった。

「変なとこ見せたよな〜。あはは…。」


「いや。そんなこと思ってへんよ。」

こちらを見つめるゾムは悲しそうな顔をしている。「とりあえずどうするんや。」

「しょっぴんちに行くよこのあと。」

そうか。と返事をする。時計の針の音が、響く。「じゃあ帰りますね。


先生。」


この一言は、心の距離を感じてしまう。自分の作った関係性なのに…。


立ち上がり、教室を出ようとするゾムを追いかけて、気づいたらゾムに抱きついていた。

「えっ…。」

ああだめじゃないか。あいつとおんなじじゃないか。こんなの絶対だめなのに…。

「ごめんなゾムっ。助けてやれなくてごめんなっ。ごめんっ。ごめんっ。」

ポロポロと雫が頬をつたう。



「あっ…」正気に戻りゾムから身体を離す。「すまん。」こちらを向かないゾムは怒ってるように感じる。

またやらかしちまったなと肩を落とすと急にこちらを向く。

なんだと思うと笑顔のゾムがいた。困ったような笑顔で

「トントンは優しいな。ありがとうな。」そうやってもう一度微笑んで去っていった。

この選択は合っていたのだろうか。



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