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初の小説の投稿です
しょっぱなからシリアスめ
慣れていないので下手くそ&お盆要素少なめかもしれないですが大見に見てください
「ただいま。」
玄関から居間に聞こえるぐらいの声量で声をかける
空 「あ、兄さんおかえりー!今日も随分と遅かったね。」
台所の方から空(くう)が顔を出してきた
陸 「あぁ、ここ最近成果があまり芳しくなくてな。あの軍の人間ども俺にばっかり仕事を押し付けやがって。」
空 「ははwやっぱどこも今は大変だよねー。僕もいつ駆り出されるかわかんないからいつもひやひやしてるよwあ、上着預かるよ」
陸 「ありがとう。そうだな、とにかく体調は崩さないように気をつけろよ。」
空 「わかってるよ。そろそろご飯できるから居間に行ってて。」
陸 「ああ。」
そんな他愛もない会話をしながら俺は居間へと向かった。
実弟”空”は正式名称”大日本帝国海軍航空隊”。普段は航空隊を続括・指揮している。
あいつも仕事はそれなりにあるはずなのに一番に帰ってきては俺や兄の代わりに家事の多くを担ってくれている。
居間に行くと既に一人、ちゃぶ台に食事を並べて空の手伝いをしているやつがいた。
海 「遅かったな。陸軍様は仕事が遅いようで」
陸 「そういうお前は今日は早そうだが暇なのか?w」
こうやって互いに皮肉を言い合っているのは実兄海(かい)、正式名称は”大日本帝国海軍※。
俺と海は昔から仲が悪く、口をきくたびに喧嘩になっていた。
今回も口喧嘩がヒートアップしそうなところで空が入ってきた。
空 「はいはい、そこまで。だいたい今日は喧嘩してる場合じゃないでしょ」
海 「そういえばそうだな。こんなやつ放っておいてとっとと飯食わないとな」
陸 「こんなやつとは何だこんなやつとは。まあ時間も時間だししょうがないな。」
時刻はもう0時になろうとしていた。ここ最近全員忙しくそろって食事をとることは少なくなっていたが今日ぐらいはと皆急いで帰ってきたのだ。
「いただきます」
三人の声が同時に響く。このようなのもあと何回できるだろうか。食事の味がすることが奇跡のように感じる。やはり誰かと食べる飯はうまい。
「お粗末様でした」
三人同時に言い席を立つ。三人で分担して後片づけをし、三人で居間にある仏壇の前に正座する。
仏壇にはきゅうりとナスで作られた精霊馬と精霊牛が飾ってあった。
今日はお盆、先祖が帰ってくる期間だ。位牌の置かれた仏壇に向かって手を合わせる。
海 「この頃戦いは激しさを増し三人そろうのも難しくなってきました。どうかこれからも我々を見守っていてください。」
そう言いしばらく手を合わせ続ける。
そのあとは久々に三人で酒を酌み交わしながら明け方まで語り明かした。
そんな懐かしい夢を見た。
時刻は朝8時30分。外は晴れていて風もあり過ごしやすそうだ。
あれから80年たった。今この家には俺と日本とにゃぼんが住んでいる。
少なくともこの国は平和になり、明日が約束されている。あの時はいつどこでだれがいなくなろうと不思議ではなかった。それは自分の兄弟にも言えることだった。
布団をたたみ、居間へと向かう。自分の部屋までいい匂いがしていた。居間へ顔を出すとにゃぽんが朝食を作り、日本が皿をテーブルに並べていた。
普段は社畜で朝早くから夜遅くまで家にいない日本だが今日は珍しく家にいる。
日本 「あ、父さん起きたんですね。おはようございます。」
日帝 「おはよう。珍しいな日本がこんな時間まで家にいるなんて。」
日本 「今日だけ会社から休みをもらえたんです。まああの日ですしね。明日が憂鬱ですけどwハハ」
目が笑っていないのは気のせいか…
にゃぽん 「お父さんおはよー!二人とも手動かして!ごはん冷めちゃうよ!」
日帝 「あぁおはよう。わかってるから急かすな」
日本とにゃぽんは俺を父と呼ぶが直接血がつながっているわけではない。
しかし二人ともしっかりとした日本家の跡継ぎだ。
日帝 「じゃぁ席に着くか」
にゃぽん 「はーい」
「いただきます」
三人の声が居間に響く
どこか懐かしさを感じながら食べ進めていく。
「ごちそうさまでした」
食べ終わったら三人で分担しながら片づけをしていく。慣れた手つきで終わらせ、仏壇の前に三人で座る。
きゅうりとナスでできた精霊馬と精霊牛を供えたあの時と同じ仏壇。に、二枚のモノクロの写真が増えている。
写真の中の自分と似た顔をした兄と弟はどちらも笑顔だった。
最初に空が特攻によっていなくなった。そのあとに海も敵艦の艦砲射撃により船とともに海底へ。
二人共国のためにその命を散らしていったのだ。
二人の訃報を聞いたとき自分もいっそのことと思った。しかし日本とにゃぼんのことを思い出したとき二人だけは守らねばいけないと思い、それから俺は今日まで生きている。
三人で仏壇に向かって手を合わせる。
日帝 「…あれからこの国は平和になり日本とにゃぽんも大きくなりました。今や私も時代に順応し、日々生活を送っています。どうか安心して帰ってきてください…」
そう言い終わったとき風が通り抜けていった。居間の窓は開けていないはずなのだが…
「「ただいま」」
ふとそんな風に声をかけられた気がした。
あぁそうか、帰ってきたのか。
手を合わせたまま不思議そうに俺を見つめる二人をよそに後ろを向き声をかける。
「おかえり」
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