テラーノベル
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(なんだここは……? 一体どこだ?)
床に寝ている点は変わらないが、天井や周囲の景色が違う。
身体を起こしてみると、驚くほどに身体が軽い。
俺は動くのもままならないほどの老体のはず……。
戸惑いのまま、俺はこの部屋の鏡の前に立つ。
そこには見知らぬ冴えない少年が映っていた。
自分の顔を触ってみると、鏡の中の少年も逆の手で同じように触る。
「……まさか、俺か? この少年が?」
自分の喉から若々しくも情けない声が出た。
状況を鑑みるに、俺は……この子に転生してしまったらしい。
ふと、机の上に開かれたままのノートに目を落とす。
ノートには「落ちこぼれ魔法士w」「劣等生w」「退学しろ、雑魚!w」などと書かれている。
ふむ……どうやら魔法学校の学生らしい。
「本当はボケ防止の為に発明した魔法なんだが……【記憶同期《リフレイン》】」
俺は、まだ世界で俺しか使えない魔法を自身にかける。
魔法のおかげで、俺の頭の中にはこの肉体が持つ記憶が流れ込んできた。
(俺の名前はラティス・レオグラッド……クリスタリア魔法学校の1年生……なるほど。少しずつ分かってきたぞ)
同期作業を行っていると、激しい声と共に扉が叩かれた
「ラティス! 何をしている! 準備はできたのか!?」
(この声は……)
俺は扉を開く。
すると、目の前には怒り心頭といった様子の中年男性が立ちはだかっていた。
彼はドラル・レオグラッド。
この少年の父で、この貴族レオグラッド家の当主だ。
「ラティス! 早くしろ! この当家の面汚しが!」
まだ同期が途中だ……何の用事か分からない。
「すみません、頭を強く打ちつけて意識がハッキリしないのです……いったい何の準備でしょうか?」
「ハッ! この後に及んでそんな言い訳で逃れられるとでも思ったか! ならばもう一度言ってやろう!」
中年男性はそういうと、1枚の皮紙を私の目の前に突き出す。
「ラティス・レオグラッド! 当家の面汚しよ! 貴様を我がレオグラッド家から追放する!」
その皮紙にはこの身体――ラティスのステータスに加えて学校の校章のようなモノが刻まれていた。
”ラティス・レオグラッド”
クリスタリア魔法学校
検査結果
魔力量G
魔力G
出力速度G
詠唱G
魔法習得度G
攻撃魔術G
回復魔術G
補助魔術G
学年順位100/100
総合評価 ”劣等生”
そして、ドラルは怒りのままに話を続ける。
「他の兄弟たちはみな、お前とは違って優秀だ! 我が家にお前のような落ちこぼれは要らんのだ! 伝説の大賢者、『コルネリア様』のような崇高なる大魔法使いを輩出する為にな!」
……目の前に居る私が、そのコルネリアなのだが?
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