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バレンタインの夜。甘い香りに包まれた街を嘲笑うかのように、怜也は安田穂乃花の隠れ家である超高層マンションの最上階から、再び「地獄の宣告」を世界へと発信しました。目の前には、捨てられるのを待つばかりの高級チョコの山。そして、その山を背もたれにして、怜也はスマホを手に取ります。
【SNS投稿内容】
ユーザー名:@Reiya_King_01
「ハッピーバレンタイン。
今年も『非リア』のゴミどもは、コンビニの安物チョコで自分を慰めてるのかな?
見てよ、この山の残骸。100人以上の女たちが泣きながら貢いできたけど、さっき全部ゴミ箱に指定したわ。
一億円のチョコ? 知らねーよ、そんなの。俺にとっては、ポテチのカス以下の価値しかないんだよね。
『本命が貰えなかった』とか嘆いてる君たち。
君たちが一生かけても拝めないような美女たちが、俺の足元で『捨てていいから受け取って』って土下座してるんだ。
顔がいいだけで、努力しなくても世界は俺の胃袋を満たそうとする。
格差、楽しんでる?(笑)」
炎上を「娯楽」にする王
投稿した瞬間、通知欄は「死ね」「クズ」「神様ごめんなさい」という罵詈雑言と崇拝が混ざり合ったカオスな状態になりました。しかし、怜也はそれを見ても眉一つ動かしません。
「あはは、見てよ穂乃花。非リアたちが顔真っ赤にしてタイプミスしながらリプ送ってきてる。こいつら、俺を叩くことでしかバレンタインの孤独を癒せないんだ。マジで資源の無駄だよね」
「そうね、怜也。そんなゴミみたいな言葉、見なくていいわ。はい、お口直しに私の用意した特別な果実を……」
国民的女優である穂乃花が、指先で丁寧に皮を剥いた最高級のフルーツを怜也の口に運びます。怜也はそれを咀嚼しながら、足元でチョコの仕分け(捨てる作業)をしている神奈を蹴飛ばしました。
「おい、神奈。お前が作った安物チョコ、SNSの背景に使ってやったぞ。感謝しろよ。『元・学校一の美女からのゴミ』ってキャプション付けても良かったんだけどさ」
「っ……ありがとう、ございます……怜也くん……」
神奈は屈辱に震えながらも、怜也に一瞬でも視線を向けられたことに歪んだ喜びを感じていました。もはや彼女の自尊心は、怜也の「クズな支配」によって完全に破壊されていたのです。
非リアたちの絶望
ネット上では、この投稿によって「バレンタイン中止」を叫んでいた独り身の男子たちが、戦意を完全に喪失していました。
「……もうダメだ。俺たちがどれだけ頑張っても、長島一人の『暇つぶし』にすら勝てない……」
「女子ランキングの1位から3位だけじゃなくて、安田穂乃花まで膝枕して、チョコをゴミ箱に捨てる……? これが現実かよ……」
怜也は、由奈にスマホを持たせ、画面の中のアニメ美少女に向かって優しく語りかけます。
「さあ、現実のゴミ掃除は終わった。あとは、本物の『かわいい女の子』たち(二次元)と、静かにバレンタインを楽しもうか。由奈、部屋の明かりを落として。画面が反射して見にくい」
「了解。怜也、おやすみのマッサージはいつにする?」
「アニメが終わってから。お前はそれまで、廊下で正座して待機してて。ノイズが嫌いなんだ」
「……わかったわ」
世界中の非リアを絶望の底に突き落とし、自分に尽くす美女たちを家畜のように扱いながら、怜也は暗闇の中で青白く光るモニターを見つめ続けます。
愛も、感謝も、痛みすら忘れた「クズの王」にとって、バレンタインはただの「自分の優位性を再確認するための道具」に過ぎませんでした。