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休日の秋葉原。歩行者天国で賑わう中央通りに、その異様な集団は現れました。中心にいるのは、最高級のブランド服を気だるげに着崩した怜也。

その周囲を、国民的女優の穂乃花、お嬢様オーラ全開の心美、クールな由奈、ド派手なギャルの茜、そして荷物持ちとして大量の紙袋を抱えさせられている神奈が取り囲んでいます。

秋葉原という「聖地」に集うオタクたちにとって、その光景はあまりにも非現実的で、暴力的なまでの「格差」として映りました。

「背景」たちの羨望

「おい……見ろよ。あの男、安田穂乃花に腕を組まれてるぞ……」

「隣の金髪の子も、黒髪の美少女も、モデル並みだろ。何なんだあのハーレム……」

リュックを背負い、推しのグッズを大切そうに抱えたオタクたちが、羨望と嫉妬が入り混じった溜息を漏らしながら、遠巻きに怜也たちを見つめます。中には、あまりの格差に絶望して立ち尽くす者や、スマホで隠し撮りをしようとする者もいました。

怜也は、お気に入りのアニメの限定フィギュアを穂乃花に買わせた帰り道、自分を見る彼らの視線に気づき、心底不快そうに鼻を鳴らしました。

「……ねぇ、見てよ。あの群れ」

怜也は、足を止めて周囲のオタクたちを指差しました。その声は、静まり返った雑踏の中で残酷なほどクリアに響きます。

「自分たちが『尊い』なんて言ってる二次元のキャラのグッズを、必死にバイトした小銭で買ってる連中。……哀れだよね。あんなプラスチックの塊に縋って、現実の女には見向きもされない。あぁ、見向きされないんじゃなくて、相手にされないのか」

「……本当ね。怜也の足元にも及ばない、ただの『ノイズ』だわ」

心美が軽蔑の眼差しを向け、穂乃花が憐れむように微笑みます。

公開処刑:王の嘲笑

怜也は、近くで震えながら自分を見ていた一人のオタクの男の前に、ゆっくりと歩み寄りました。男が抱えているのは、怜也がさっき「飽きた」と言って穂乃花に捨てさせたアニメのヒロインのバッグです。

「それ、いいよね。……でもさ、君が一生懸命そのキャラに貢いでる間に、僕はそのキャラのモデルになった声優や、この女優(穂乃花)を膝枕させて、君の給料一年分を一瞬で使い切ってるんだ。……どんな気分?」

「あ……、あ……」

男が絶句していると、怜也は神奈が持っている大量の買い物袋の中から、数万円する限定フィギュアを一つ無造作に取り出し、道端のゴミ箱にポイと捨てました。

「あーあ、手が滑った。……まぁいいや、どうせゴミだし。君たちにとっては宝物かもしれないけど、僕にとっては、退屈を紛らわすための『使い捨ての道具』に過ぎないんだよね」

「「「…………っ!!」」」

周囲のオタクたちのプライドが、音を立てて砕け散ります。

怜也は、自分を囲む五人の美女たちを満足げに見回し、さらに追い打ちをかけました。

「茜、こいつらに見せつけてやりなよ。僕がどれだけ『モテすぎ』て困ってるか」

「了解だよ、怜也きゅん!……おーい、オタクくんたち! 怜也きゅんはね、あんたたちが画面越しに拝んでる子たちより、リアルで何百倍もエモくて最高なんだよ! あんたたちみたいな『背景』には、一生縁がない世界だけどねー!」

茜が怜也の頬にキスをし、由奈がその髪を整え、心美が優雅に腕を絡める。

オタクたちが聖地として守ってきた場所で、怜也は彼らのアイデンティティを徹底的に踏みにじりました。

支配者の帰還

「……行こうか。オタクの匂いが服に移りそうで嫌だ。穂乃花、今すぐ最高級のサウナ付きホテル、貸し切りにして。この不快感を洗い流したい」

「ええ、怜也。リムジンを呼んであるわ。……さあ、皆さんも行きましょう。王のお着替えを手伝わなきゃいけないから」

五人の美女を従え、リムジンへと乗り込む怜也。

秋葉原の街に残されたのは、ただ呆然と立ち尽くす「非モテ」たちの群れと、ゴミ箱に捨てられた高級フィギュア、そして圧倒的な「クズの王」が残した、消えない劣等感だけでした。

「(……やっぱり二次元はいいけど、それを手に入れるためにリアルな女を道具にするのは、もっと気分がいい。……さて、次はどのアニメを『所有』しようかな)」

怜也はリムジンの革張りのシートに深く沈み込み、冷酷な笑みを浮かべながら、秋葉原の喧騒を窓越しに切り捨てました。

嘘はつかない鶴森さん

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