テラーノベル
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ガキーン!
レヴスの鎌とフィニスの剣が激しくぶつかり合う。
『お、フィニス君、キミ人間にしちゃやるやんけ!』
「そりゃどうもっ!こっちも白髪の魔女を倒さないといけないんでね!!」
片方の剣で鎌をいなし、もう片方の剣を振り抜くフィニス。
『うひゃ〜!』
焦ったような声を出してはいるが、余裕で上空へ飛んで交わすレヴス。
「!!」
レヴスが上に飛んだその隙を狙い、ニティアが構築していた魔法を放つ。
ドォーン!
『なっ!危ないやんけ!』
ニティアの放った魔法を、軽々と鎌で弾いて避けるレヴス。
「何が危ないよ!全然余裕じゃない!」
「ったく……調子狂うな……」
2人を見てニヤリと笑うレヴス。スタッと地面に着地すると、クルクルと鎌を頭上で回し始めた。
『うちはホルスみたいん眷属を出したりはできんし、ギースやガノスみたいに器用な魔法も使えん。獲物はこれだけやしな!』
そう言い、再びフィニスに突撃するレヴス。即座にニティアの前に立つフィニス。両手の剣で受けの体制をとると……
『ちと油断しすぎちゃう?』
ニティアの放つ魔法を全て鎌で弾きながら、レヴスが地面を足で強く叩き、高く飛び上がると、レヴスは上空で鎌を振りかぶろうと、大きく鎌を後ろにそらした。
(そんな遠くから……遠距離攻撃か?!)
飛んでくる斬撃に備えてその場で身構えるフィニス。しかし、身構えると同時にフィニスの立っている地面がグラグラと揺れ始めた。
「?!」
足元の地面が一気に隆起し、まさに斬りかかろうとしているレヴスの目の前まで持ち上げられる。
「フィニス!」
ズガガガーン!
隆起した地面が崩れ落ち、あたりに砂煙が立ち込めた。
「この嘘つきめが……何が魔法が使えないだ……」
肩から血を流したフィニスが姿を見せる。
「フィニス!大丈夫?!」
「掠っただけだ。インパクトのタイミングがずれたからな……」
苦笑いをするフィニスが煙の先にいるレヴスを睨みつけた。
『これでも仕留めきれんかったか……初見でここまで防いだのフィニス君が初めてや……』
驚いた表情のレヴスに、フィニスは少しだけイラッとしていた。
「そりゃ騙されたらやられるだろ」
「騙す?」
フィニスの投げた言葉に首を傾げた後、大きく笑うレヴス。
『あぁ!ちゃうちゃう!うちは”器用な魔法”は使えんって言っただけやん!うちが使えるんはあくまで陽動……本命はこっちやからな(笑)』
そう言って鎌を上下に揺らす。
「けっ!もう信じれるかよ!!」
『いけずやなぁフィニス君……。ほんま相手を殺せるんはこれだけやって言うのに……。でも……うちはもっと本気になったフィニス君とやりたなってきたわ』
そう言うと再びフィニスに向かって突撃をしてくるレヴス。再び地面を叩くと、今度はフィニスの地面が小さく割れ、バランスを崩したフィニスは倒れてしまった。
「いい加減にしなさいよ!!」
バチチッ!!
高出力の雷がニティアの杖から放出され、真っ直ぐにレヴスの方へ向かう。
音よりも速い高速の雷。しかし、レヴスは易々と鎌で受け止め、そのままニティアの方へ弾き返した。
「きやぁ!!」
「ニティア!!」
フィニスが飛び起き、レヴスに一振り剣を振るった後、即座にニティアの元まで飛び下がった。
「大丈夫か?」
「いったぁ……ちょっと痺れるけど大丈夫よ……」
『……』
まじまじとフィニスとニティアを見ているレヴス。
『ふむ……あの嬢ちゃん邪魔やな……』
今度は鎌の柄で地面を叩き、フィニスとニティアに向かって突撃するレヴス。
「来るぞ!」
「うん……!!」
フィニスが剣を構え、ニティアが術式を構築し始める。突撃してくるレヴスを受け止めようと、フィニスが前進したその瞬間……
ヒュン!ヒュン!
フィニスの視界からレヴスが消えていた。
『おっと……動いたらあかんで♪』
声のする後ろを振り向くフィニス。そこにはニティアの両腕を背で掴み、首元に大鎌を当てて構えているレヴスがいた。
「てめぇ……」
『今嬢ちゃんと話をするんや。フィニス君は大人しく待っとき』
「……話って何よ」
ニティアを人質に取られ、動けずにいるフィニス。にやにやしながらニティアに何か話を持ちかけているのか……ニティアも小さな声で受け答えをしていた。
「くっ……」
動けずに剣を強く握ることしかできないフィニス。しばらく2人のやり取りを見ていた次の瞬間……
『ほな、交渉決裂やな♪』
レヴスが笑顔でそう言うと、ニティアを軽く前に突き飛ばす。そして、そのまま大鎌を大きく振りかぶり……ニティアの背中を切り裂いた……
「ニティア!!」
フィニスが叫び、ニティアに近づこうとした次の瞬間……
ドゴォーン!!
壁を突き破り、一直線にレヴス目掛けて黒い魔力の光が飛んでくる。
ガキーン!!
『うおっ!危なっ!!』
飛んできた魔法を鎌で天井へ弾き返すレヴス。
「ナイス近道」
「魔力の消費でけぇなやっぱ……」
「お待たせいたしました!」
穴の空いた壁の向こう側には、槍を前に突き出しているルシオ。そしてその後ろにはアルテアとエラリスが立っていた。
「アルテア!ニティアの回復を早く!」
「……?は、はい!」
倒れている影の元へ駆け寄るルシオと、視線を上げながらルシオの後を追う2人。
『今うちはフィニス君とデートしとんねん』
大鎌を振り回し、地面を切り刻むレヴス。
『外野は黙っててくれんかの!』
その後、大鎌の持ち手を地面に突き立てる。
ゴゴゴ……ドガン!!
切り刻んだ地面から徐々に地面のひび割れが大きくなっていき、地面が崩れ始める。
「こんな所で馬鹿じゃねーのかあいつ!」
「フィニス!なんとか登るからそれまで待ってて!」
「ニティアさん!!」
そう叫び声を上げた3人は、そのまま崩落した地面と共に落下していってしまった……。
『ようやく2人きりになれたのお……。これで邪魔者はおらん。さて……楽しみましょか♪』
ひでお
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コメント
1件
えっと、これ読んでまず「騙し合いがえぐい」って思いましたね。レヴス、あれだけ陽動で行くって言っときながら地面隆起とか鎌で雷弾き返してくるし、相手の読ませ方うますぎる……。「器用な魔法は使えん」って台詞、後からぞわっと来ましたわ。で、ニティアを人質にしてこっそり交渉→「決裂やな」で背中切る流れ、一瞬の空気の変わり方が容赦なくて、正直息止めて読んだ。そこにルシオたちが壁ぶち破って突入するカットイン、めちゃくちゃ熱かったです。『これで邪魔者はおらん』で終わる最終ページ、一気に孤独度が上がるタイトル回収、秀逸です。 さてフォローあとはネタについてはまだ書き溜めが読めそうですね。続き気になります。