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射撃場にて、國光は新しい魔獣用の銃を手にしていた。
その姿はまるで英雄のようで、メイは彼の美しさに目を奪われた。
心の中で彼女は思った。(國光様の内に秘めた力強さを感じる...)
國光が銃を構え、引き金を引くと、巨大な音と共に稲妻のような光が走り、
的を粉々に破壊した。「あはは、これはすごいね」と國光は笑顔で感嘆の声を上げた。
リディアは誇らしげに「そうなんです~霊獣の毛を素材にして、精霊の力を宿らせた究極の武器なんです~!」と説明した。
國光は微笑みながらリディアの頭を優しく撫でた。
その後、國光はメイの方に向き直り、「メイちゃん、撃ってみる?」と提案した。
しかし、リディアは慌てて「國光さま!いけません、この子死んじゃうよ!」と叫んだ。
國光は優しく微笑んで「大丈夫。ボクが浄化してあげるから」と答えた。
メイは少し躊躇しながらも、銃を手に取った。その銃は霊獣の一部で作られており、
まるで生きているかのような感覚が手に伝わってきた。彼女は深呼吸をし、
國光の優しい目を見て覚悟を決めた。
メイは緊張した面持ちで銃を構えた。その銃の呪いなのか、持つ手から
じわじわと黒い霧のようなものが這いつくばるのがわかる。
その闇に飲み込まれそうになった瞬間、夢で見た魔狼の姿が脳裏に浮かんだ。
「運命を変える者」――その言葉の意味はまだわからない。
しかし、闇がメイを飲み込もうとした瞬間、彼女は覚悟を決めて引き金を引いた。
ドンという音と共に稲妻が走り、メイは衝撃で後ろに吹き飛ばされた。
的には当たらなかったが、その後ろの岩が粉々に砕けた。驚いたメイは「す、すごい」と呟いた。
國光はメイを支えながら微笑んだ。リディアは目を丸くして
「え~!!普通引き金も引けないはずだよ」と叫んだ。
國光は優しくメイを見つめ、「メイちゃんは何か特別な力があるみたいだね」と言いながら、
後ろからメイを抱きしめて浄化を施した。
メイはその暖かな腕に包まれ、緊張して張りつめていた気持ちが消えていき
思わず、「く、國光さま...」とつぶやいた。
國光はメイの木刀を見て、「そうだ、今度は剣術を教えてあげるよ。
ボクは何もしないから、思い切って向かってきて」と提案した。
メイは戸惑いながらも「で、でも...」と答えた。
國光は笑顔で「ふふ、もしボクに当てられたら何でも言うこと聞いてあげるよ」と言った瞬間、
リディアが飛び込んできた!
「その約束、私がいただきまーす!」と叫びながら、リディアは木刀を振り下ろす
しかし、國光はその攻撃を軽々とかわし、「メイちゃんもかかってきなさい」と優しく促した。
メイは木刀を握りしめ、連との約束――強くなるという言葉を思い出だす。
メイも加わり、國光に向かって木刀を思いっきり振り続けた。
國光は楽しそうにひらりひらりとかわし続けていた。
やがて、國光は両方の手でリディアとメイをつかまえ、
二人を両脇に抱え笑いながら、「これは両手に花ですなぁ」
リディアは、「両手に花?花は私だけでしょ!」ともう一振り木刀を振り下ろした。
その時、凌が現れ「もうよろしいですか?」と尋ねた。
國光は「もうそんな時間かぁ、残念だけどまた今度ね」と名残惜しそうに言った。
メイは焦りながら「あ、あの、討伐に行くんですか?」と尋ねた。
凌は冷静に「おや?待機してろと言ったはずだが」と応じた。
國光は「まぁまぁ、いいじゃないの。ボクの練習に付き合ってくれたんだ、
もう待機命令も解除しちゃおうよ」と優しく言った。
しかし、凌は厳しい表情で「いえ、今回の討伐は...」と國光に言うと
メイは強い意志を込めて「副司令官、私、部隊に戻りたいです。戻させてください」とお願いした。
凌は静かにメイを見つめ、「ダメだ、お前を襲った魔獣だぞ。
恐怖で動けなくなると、部隊全体に危険が及ぶ」」と説明した。
メイは真剣な表情で「私はもっと強くなりたいんです!」と言った。
凌「霜月、お前の気持ちはわかった、だが今のお前を連れていくわけにいかない、ここで待機だ」
國光は優しい微笑みを浮かべながら、メイの方に向き直った。「あらー、メイちゃん、これは諦めた方がいいね。」
メイは小さく頷き、「わかりました」と静かに答えた。
國光はメイの肩を優しく叩きながら、「今度一緒に行こうね」と約束した。
その後、彼は凌と共に部隊の元へと戻っていった。
その光景を見守っていたリディアは、思わず声を上げた。「もう〜、天城副官、優しすぎ♪」
メイは少し驚いた顔でリディアを見て、「優しい?」と問い返した。
リディアはにっこりと笑って、「メイちゃんの身体を気遣ったのよ」と教えてくれた。
「そのぼこぼこに腫れた顔見たら、誰でも心配するよね。今はゆっくり休んだら?」
メイはその言葉に少し考え込むように、「私を心配して…?」とつぶやいた。
彼女はゆっくりと、去っていく凌の姿を見つめた。
その背中はいつものように堂々としており、何かを背負っているように見えた