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ERINEKO
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コメント
1件
おお…これは重いっすね…。ソラの「全部、アオじゃん」って言葉がめっちゃ刺さりました。アオはソラを守りたかったんだろうけど、それが本人にとっては“決められる苦しさ”になってたんだな…。あとラストのアオが手を洗い続ける演出、ヤバかったです。視覚的に来るものがある。カイの「大丈夫でしょ」が逆に一番冷たく響くの、うまいなあ。次どうなるか気になりすぎる🔥
昨日より、少しだけ静か。
でも――空気は重い。
「……昨日はごめん」
ユイが小さく言う。
「別にいいよ」
アオは短く返す。
「……ソラは?」
ソラは、少し離れた席に座っていた。
珍しく、アオの隣じゃない。
「……大丈夫」
ソラが言う。
でも、目は合わせない。
「ほんとに?」
ユイが聞く。
「うん」
その“うん”は、明らかに軽かった。
「……ソラ」
アオが呼ぶ。
「なに」
「こっち来れば」
少しの沈黙。
「……いい」
その一言に、アオの手が止まる。
「なんで」
「……別に」
「別にじゃないでしょ」
「今日はいいの」
「意味分かんない」
アオの声が少し強くなる。
「昨日まであんなに——」
「だからだよ」
ソラが、遮る。
「え?」
「だから、だよ」
ソラはゆっくり言う。
「ずっとくっついてたから」
「……それの何が悪いの」
「悪いとかじゃなくて」
ソラは少しだけ顔を上げる。
「……疲れた」
一瞬、誰も言葉を出せなくなる。
「……は?」
アオの声が低くなる。
「疲れたって何」
「そのまんま」
「意味分かんない」
「分かんなくていい」
「よくないでしょ」
アオは立ち上がる。
「ちゃんと説明して」
「……やだ」
「なんで」
「言ったら、また——」
ソラの声が少し震える。
「戻されるから」
その言葉に、空気が張り詰める。
「戻すって何」
アオが詰め寄る。
「だって」
ソラは目を逸らしたまま言う。
「アオ、全部決めるじゃん」
「は?」
「ここ座って、とか」
「それは——」
「触るのも時間決めるし」
「それは必要だから」
「……ほら」
ソラは小さく笑った。
「“必要だから”って」
「何が悪いの」
アオの声は、もう明らかに苛立っている。
「ソラが困るからやってるんでしょ」
「うん」
「じゃあいいじゃん」
「……でもさ」
ソラはゆっくり言う。
「それ、俺が決めてない」
沈黙。
「全部、アオじゃん」
その言葉が、静かに刺さる。
「……じゃあどうしたいの」
アオが低く聞く。
「……分かんない」
「分かんないって何」
「分かんないけど」
ソラは顔を上げる。
「今は、離れたい」
その一言で、空気が完全に変わった。
「……きついね」
ミナトが小さく言う。
「止めた方がいいかな」
ユイが不安そうに言う。
「やめた方がいいと思う」
レンが即答する。
「なんで」
ミナトが聞く。
「今止めたら」
レンは静かに言う。
「どっちも余計壊れる」
「……カイは?」
ユイが振る。
カイは少しだけ2人を見てから言った。
「大丈夫でしょ」
「え?」
「そのうち落ち着くよ」
「でも——」
「感情的になってるだけだから」
カイは淡々と言う。
「放っておけば戻る」
その言葉に、レンが小さく呟いた。
「……またそれ」
「離れるって何」
アオの声が震えている。
「そのまんま」
ソラが答える。
「無理でしょ」
「無理じゃない」
「無理だって!」
アオが、初めて声を荒げた。
「無理だよ……」
少しだけ弱くなる声。
「だって、ソラ——」
「大丈夫だから」
その言葉に、アオが止まる。
「……何が」
「離れても、大丈夫だから」
「……嘘」
「嘘じゃない」
「昨日だって無理だったじゃん!」
「昨日はね」
「じゃあ今日もでしょ」
「違う」
ソラは、ゆっくり言った。
「慣れるから」
沈黙。
「……やめて」
アオが小さく言う。
「何が」
「変わろうとするの」
その言葉に、ソラが固まる。
「今のままでいいじゃん」
アオは続ける。
「困ってないでしょ」
「……困ってるよ」
「どこが」
「……全部」
その瞬間。
アオの表情が、崩れた。
「……意味分かんない」
アオが後ろに一歩下がる。
「じゃあ今まで何だったの」
「必要だった」
「必要?」
「うん」
「……それだけ?」
ソラは答えなかった。
「……そっか」
アオは小さく笑う。
でも、その手は震えていた。
「じゃあいいよ」
「え」
「もういい」
アオはそのまま、近くの洗面台に向かう。
そして――
何度も、何度も手を洗い始めた。
「アオ……」
ユイが小さく呼ぶ。
水の音だけが響く。
「……止まんないね」
ミナトが呟く。
「うん」
レンは、アオではなくカイを見ていた。
「……ねえ」
「ん?」
カイが振り向く。
「これも“大丈夫”?」
少しの沈黙。
カイは、いつもの調子で答えた。
「大丈夫でしょ」
その一言が。
今までで一番、冷たく聞こえた。