テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
382
#人間ドラマ
ウェイの回想シーン(数日前の河川敷戦にて。
普通完璧連合軍の機動隊風兵士Aがこう言った。
『ミャンマー人のラテン料理?何だよそれ…しかもミャンマーってビルマのこと?』
妹ハインにしばかれていて愚痴をこぼしながらもこの発言は彼にとっては許せなかった。
ウェイ『おい、そこのお前ら….今何つった?』兵士A『何ってビルマって言ったけど?』
ウェイ『おいテメェらマジでぶっ潰してやるぜ!!俺らの国のことを勝手にビルマと呼ぶんじゃねぇぇぇぇぇ!!!!ミャンマーとして、バマー族としての誇りってやつをテメェらに見せつけてやるぞ!!』
と怒りが頂点に達し鬼のような険しい表情をして走って兵士たちを『ドンッ!!』、『バンッ!!』と殴って蹴っていった。
ウェイ『妹から教わったブラジリアン・ムエタイだ!!喰らいやがれ!!』
ウェイを冷笑しながらこう呟いた。
ハイン『フフッ..バカコー。そう来なくっちゃ。ビルマと呼ぶことは私たちミャンマー人の誇りが持てなくなる。日本をジャパンと呼ぶのと一緒ってことよ』と言い、二刀のダーで兵隊たちを『バキッ!!バキッ!!』と薙ぎ倒すのだった。)
そして清掃係のヤン・ロンもいて話しかけてくれた。
ロン「彼はある意味いざという時はがむしゃらに戦いながらも何よりも純粋で、真っ直ぐな一面もあるんですよ。」
トッポギ「彼はヤン・ロンさんで歳は40歳。従業員の中では最年長だけど清掃員として黙々と働いているんだよ。」
ロン「私はこう見えてミャンマー人なんです。コーカン族という少数民族なんですが、私はこの見た目のせいで中国人と誤解されたり、余所者扱いされたこともあってここへ移住しました。」
ザウの回想シーン(数日前の河川敷にて。
ウェイが怒りに任せて兵士たちに突撃していく。
「おいテメェらマジでぶっ潰してやるぜ!!俺らの国のことを勝手にビルマと呼ぶんじゃねぇぇぇぇぇ!!!!ミャンマーとして、バマー族としての誇りってやつをテメェらに見せつけてやるぞ!!」
鬼のような険しい表情で、ウェイが兵士たちを殴り、蹴り飛ばしていく。
ロンがザウに声をかけた。
「行きましょう、ザウさん。」
ザウは淡々と言った。
「ええ、そうですね。対機説法したいけど、そうはいかないですか……パヤー様がこの戦いを見たら、煩悩に悩まされてると解釈するかもしれませんね。」
(テーラワーダネタですか? あなたらしいですね、ザウさん)
ロンは心の中でそう呟く。
「私は日本国籍を取得したロヒンギャ族として……」
「私はコーカン族の誇りとして……」
「この戦いに参加させてもらいます!!」
二人は声を揃えると、ウェイの背を追って兵隊たちの中へ飛び込んでいった。)
T「ロンさん…あなたが中国人だと誤解されて移住したと聞いて心当たりがあるんです…もちろんあなたがコーカン族にルーツあるミャンマー人なのは受け止めますが…あなたとは違う悩みかもしれないですが、話しても大丈夫ですか?」
ロン「大丈夫ですよ?ここはただのお店じゃありません。どんな事情や悩みがあっても遠慮なく無償で相談に乗ることが可能な溜まり場でもあるんですよ。ウェイさんが空回りをして騒がしく見えるのもただラテンパッションを宿しただけでなく地元の兄さん感を出したい彼の思いなのですから。」
T「優しいですね、ロンさん…実は私はこの見た目のせいで一般社会の学校で….ハーフじゃないのによく中国人と日本人のハーフだの誤解されて….生きづらい思いをしたことがあったんです…」と涙をこぼしながら語っていた。
みりみ「マジかよ…Tさんそんな悩みがあったなんて…俺はミャンマーのハーフですし、一般社会に出たことないし、ここに住んでるから見た目の悩みなんて気にしなかったですねぇ…あなたがその学校に行った時、ハーフの生徒たちいましたか?」
T「ほとんどいませんでした…いたとしても同い年の純ロシア人女性がいたくらいですよ…ただその人は高身長でアンアンさんのお姉ちゃんのリーアンさんくらい大きくて、マドンナ扱いされてました….」
ムラクモの心の声「まさかそのロシア人とは美澄…エカチェリーナのことを言ってるのか?問い詰めたいが彼を失望させたくない」
みりみ「じゃあもし俺が一般社会に行ってたらどうなるって言うんですか、Tさん?」
T「わかりませんよ….ハーフと言っても国やルーツによっても悩み方が人それぞれ違いますから…」
T「ところでロンさん..もし私がミャンマーに行ってたらコーカン族なのかと誤解して私に突っ込んでくるんですか?中国のハーフと誤解された私とミャンマー人なのに見た目が中国人だと言われたあなたがやり取りしてますから…」
ロン「それは私にはわかりませんね…言うとしてもごく一部の人だけかもしれませんから、あまり気にしなくてもいいです… けどこれだけは言えますよ、Tさん。誤解する一般社会が狭いだけです。あなたのその見た目は、ここではただの美しい個性ですよ」
クロブ「あんまり無理しねぇでくだせぇよ、Tさん…確かに難しい問題かもしれねぇですけど、俺もこの見た目のせいで一般社会で純日本人なのに石油王だのアラブ人だの言われていましたから。」
環「そうだぜ、T。」
環の心の声「ここへ移住してよかったぜ。支援学級、不登校、フリースクール出身者というレッテルを貼られずに済むわ。でも信頼できるTとムラクモ、アンアンには言えたな。」
ケイド「難しくて何も言えね〜」
アンアンももらい泣きしてこう言った。
アンアン「僕だって…台南市の学校でよくフィリピン人だのインドネシア人だの誤解されて生きづらかった….パイワン族ルーツの僕がなんでって今でも思い出すんですよ、Tさん」
アミナグリも泣いていた。「私もさ、新疆ウイグル自治区のタシュクルガンにいたんだけどさ…私は中国人だけど、イラン系タジク族という少数民族であって同じ中国人たちから『ハロー』ってよく話しかけられたことが何度かあって外国人扱いされて辛かった。でも私はここへ移住してギャルになって生きやすさを得たかったから…」
一方でデニズとムラクモは平然としつつ心境を語っていた。
デニズ「確かに俺はトルコ系ウイグル族の中国人ですが、アミナグリさん同様見た目で誤解されることが何度かありましたね。ですが、俺は物理学を専攻したくてここへ移住しました。」と。
ムラクモ「クロブさんに言われました。もし私が一般社会に行ったら韓国人の若手俳優に似てると言われるそうですが、私は気にしませんから…個性というのは自分自身で見つける物です」と。
ロン「みんな….例えハーフ云々問わず国ごとに、見た目が違うだけで無意識な偏見を持たれて辛い思いをすることはよくありますよね…」
コメント
1件
読了しました。第45話、それぞれのルーツや見た目にまつわる「生きづらさ」を打ち明け合う、とても温かい回でしたね。Tさんの「ハーフに見られる」という悩みに、ロンさんやクロブさん、アンアンさんたちが自身の経験で丁寧に応えていく流れが沁みました。特に「誤解する一般社会が狭いだけ」というロンさんの言葉は、この店の空気そのものだなと。環さんの「言えたな」という心の声にも、居場所のありがたさが詰まっていて、ぐっときました。