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(怖い怖い怖い…何誰よ!)
ふと前を向くと数メートル先にカーブミラーがあるのが見えた。
(あれを使ってつけてる奴の顔を拝んでやる)
カーブミラーを横切る際、ミラーをチラ見した途端フードを深く被った男が電信柱に隠れているのが見えた。
(あ、あれって…拓也?!
ヤバいどうしよう……!)
私は少し遠回りをする事にした。進むにつれて人気が少なくなり街灯も減っていく。
私はある違和感を感じた。
それは、少しずつだが後ろの足音が早くなるような気がするのだ。
(近づいてる?!)
ヤバいと思って私は走り出した。後ろを振り向くのが怖くてただ一心不乱に足を動かす。
こんな時に限ってパニックになり過ぎて声が出ない。
(足音が少し遠くなった?)
勇気を出して振り返ると拓也は数メートル後ろにいた。
疲れているのか息を切らしてヨロヨロになっている。
(そうか、思えば拓也も母と同じ年齢。体力的に考えれば私の方が上だ)
自信が出てきたのか足取りが軽く感じる。
優佳「これなら逃げ切れるかも」
私は全速力で家に帰った。
帰る途中も後ろを確認したがもう拓也が追ってくることは無かった。
念の為玄関の屋根部分に小型カメラを設置しその日は倒れるように眠りについた。
ー翌日ー
優佳「私昨日の帰り道、拓也に後をつけられたの」
翔子「襲われたりしてない?!」
優佳「遠回りしながら走って逃げたよ」
瞬「一体どこからつけていたんだ」
碧「ここから近くのコンビニ。監視カメラに映ってた。きっと奴は偶然アンタがここに入るところを見たんだろうな。それからずっと物陰に隠れて様子を伺ってたんだ」
優佳「ずっと…私が出るのを待ってたの…?」
恐怖で鳥肌が立つ。
そんな拓也の行動に周りの皆もドン引きしていた。
碧「それともうひとつ…」
碧は開いたパソコンを私達に見せながら言った。
碧「今日も来てるよ。昨日と同じ場所でずっーとこっちを見てる」
とうとう言葉も出なくなった。
翔子「ど…どうしよ!!これじゃ優佳が危ない!っていうかストーカーじゃん!!!」
瞬「落ち着いて。とりあえず今日は裏口から出よう」
私は言われた通り裏口から音を立てずに出た。
今の所拓也にはバレていない。
(このまま逃げ切ってやる)
その日も玄関先にカメラを仕掛けて寝ることにした。
翌日、小型カメラには何も見られなかった。
翔子「こんなに被害に遭ってんのに警察は何してんのよ!」
優佳「パトロールしても見つかんないのか」
瞬「そういえば、拓也の指名手配書が貼り出されるのを見たんだ」
(とうとう警察も動き出したのか)
瞬「昨日もその前もストーカーにあってるし、今日の帰り道くれぐれも気を付けて」
(忠告されるとますます怖くなってくる)
その日の帰り道、私は周りを警戒しながら歩いていた。
優佳「あっ……」
うっすらと人の視線を感じ背中がゾクッとなる。
でも今なら振り返れそうな気がする。
優佳「ふぅ………よし!!」
思い切って振り返ってみる。
そこには誰も居らずただ真っ赤な夕日が私を照らしているだけだった。
優佳「誰もいない……痛っ」
振り向きざま、 いつの間にか前にいた人にぶつかってしまい思わず声が出てしまった。
優佳「すいませ、あっ…」
(拓也?!!どっから出てきやがった……)
私がぶつかった相手は拓也だった。
拓也はニヤリと笑うと私の腕を掴む。
拓也「やっと話せた……フフッ…優佳ちゃん僕の事覚えてる?」
優佳「離して!気持ち悪い!」
拓也「気持ち悪いだなんて言わないでよ〜。僕今までずーっと見てたんだよ、君のこと」
拓也の目には私しか映っていなかった。
(ヤバい…逃げなきゃ!)
腕を振り払おうとするが拓也の力が強すぎて全然振り払えない。
それに『今まで』とは一体いつから見ていたのか。
(怖い…怖い…怖い!!!)
ガサッ