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たぶん、最初からそうだったんだろう。
それでも、これが間違いじゃないと思いたい。
どうにもできなくて、苦しくて、わからなくて。
胸の痛みが喉を伝い、いつまでも聲にならないままだ。
叶えることも、辞めることもできずに、膨らみ続けるこの思いを。
曝け出せたらどれだけ楽なんだろうな。
夜の帷が降りる。
静けさに包まれるたび、らっだぁへの感情が、優しくいたいと頭の中でこだまする。
声をかけることも、自分から行動することもできないのが、自業自得なのにもどかしい。
失敗と傷つけることは、常に紙一重だから、ふと自分を恐れてしまう。
いつか傷つけてしまいそうで。
だから、素直でも在りたいのに、ずっと、そう思っているのに。
僕らはヘタクソに生きてる。
半端なままで、許されるために生きてる。
そうしなければ、きっと自分を忘れてしまうから。
「駄目でもいい?」
「弱くてもいい?」
星空の向こうに呟く。
君に直接言えるわけがないけど、心の中に留めておくことはできないんだ。
「「答えてよ。」」
『好き。』
その二文字が口に出せたなら、こんなに思い悩むことはないのに。
無意識にぐちつぼの姿を探してしまっている。
なのに、眩しくて話しかけられなくて。
君の幻影をただ、抱きしめる。
その手が空を切っても、何も無いよりマシかもしれないから。
幾通りの未来の中で、いつも通りの日々を過ごし、そして、強く、酷く、願っている。
触れ合えばきっとわかるから、今日も震える一歩を踏み出す。
愛されたいのに、いつも通りな自分が嫌になってしまうのはなんでだろう。
間違いばかりの今日をまず愛そうか。
深呼吸して、そう自分に言い聞かせる。
そう、この繰り返しだ。
あゝ理想だ。
結局は、そんなもんなのかな。
「⋯⋯mhm〜⋯」
「おはよ〜。」
「ん、おはよ。」
会話なんてそれくらい。
何日かに一度しか会えないし、しょうがないか。
近づけたらいいのに、なんて思うけれど、そんなことは叶わなくて。
自分で望んでいるくせに、行動して叶える気はさらさら無くて。
薄情なわけじゃないと思うけれど、特に優しいわけじゃない。
なんでいつもこうなってしまうのだろう。
「つからっだぁ、さっき誰かに呼ばれてたよ。」
「マジ?ちょっと行ってくるわ。ぐちつぼ、またあとでね。」
「了解、いってらー。」
駆けていくらっだぁを見送る。
少し寂しい気持ちを抑えて溜息を吐く。
ふと君が普段着ている羽織が目に映った。
誰もいないのをいいことに、吸い寄せられるようにそれを手に取った。
君の匂いがする。
「⋯〜♪」
本能のままに、狂おしく頬を擦り寄せて歌を唄う。
不安をかき消すように、愛情で満たされるように。
暗闇の中の光が俺の傷跡に染みるが、それさえも愛しいほどに君を求めている。
この矛盾こそ、俺が生き抜く為の美だ。
「⋯〜♪」
ぐちつぼが唄う声が聴こえる。
楽しそうで、嬉しそうで、それで俺も嬉しくなる。
勝手な気持ちだけど、それが君への愛なんだ。
つらいときは、自分の感情を抱きしめてあげてね。
虚ろな日々でも、乱した呼吸を整えて、ほら。
そう言ってくれた君が綺麗で、かっこよくて、本当に好きで。
この気持ちは、「愛されたい」は、報われるかな?
たとえそれが不可能でも、君とともに生きていたいから。
手を取り、微弱な風に揺られて。
無茶苦茶なこの世界を愛そうか。
他人への感情なんて、すぐに崩れてしまうもので。
きっと、塵みたいなもんでしょう。
どうせ、勝手に積んできたんでしょう?
歩き続けるのはこんなにもつらいのに。
そうやって、悲しそうに笑うらっだぁの顔が美しくて。
必死に生きていることが伝わってきて。
いつの日か崩れても、誰のせいでもないよ。
誰のせいにしなくてもいいよ。
歩くのが疲れたの?
むしろ正常でしょう?
それが生きている証なんだ。
全て無駄に思えても、君は正しいんだよ。
「研ぎ澄まして。」
あれもこれも、ぐちつぼへの気持ちはどれも、全部本当だ。
そのはずなのに、目を背けようとしても、焦がれてやまない、もうひとりの自分がいる。
期待と欲望。
俺が満たされれば、満たされる分だけ、自分同士がせめぎ合う。
君の幻影をただ、抱きしめる。
その手がなにかに触れても、何も掴めずに終わるかもしれないから。
幾通りの未来の中で、いつも通りの日々を過ごし、そして、強く、それでいて柔く、願っている。
現実なんて、何も確かなものじゃ無いから。
触れ合えど、釦はズレていくけれど。
君への思いが、溢れて止まらない。
愛したい。
最後まで、信じたい。
見事さ。
どれだけ互いを愛そうと思っても、また間違えて、履き違えてく。
それも、僕らの愛情。
端的で不器用な、愛しいボンクラ。
等しい僕ら。
End。