コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
お腹を空かせたアリスと明は、もうよだれが出そうだった
かまどで炙ったカリカリのバケットにバターを塗り、出来立ての野イチゴのジャムをスプーンですくってバケットにこんもり乗せ口の中に入れた
モシャ…モシャ
「ふぅ~~~~んん♪」
アリスは言葉にならない言葉を発した、しっとりとパリパリのバケットと野イチゴジャムの甘さ・・・そして太陽と雑木林の爽やかさが、鼻孔いっぱいに広がった
「こんな美味しいジャムは食べたことがないわ!いくらでも食べられる」
「野イチゴは今のこの時期に少ししか採れないからな、貴重な自然の恵みだ 」
キヒヒッといたずらっぽく笑って言う
「私がぶくぶく太ったらきっと北斗さんのせいね」
「太っても可愛いよ」
「本当に?お相撲さんみたいになっても?」
フム・・・と北斗が親指と人差し指で顎をはさむ、宙を見て想像してにっこり微笑んだ
「やっぱり可愛いんじゃないか?」
「んもう~~~!真剣に考えて!それじゃ私がしわくちゃのおばあさんになっても?可愛いと思う?」
アリスが北斗の膝の上に着地した、当たり前のようにアリスのウエストに北斗の両腕が回される
「可愛いと思うな、それを言うなら俺が禿げ上がったらどうする?」
アリスが北斗の首に両腕を回してう~んと想像する
「やっぱりカッコいいわ」
プッ
「嘘つけ」
「ほんとだもん!あなたは世界で一番素敵よ、この淡路で一番カッコいいし― 」
クスクス
「それはどうかな? 」
「頭もいいし、優しいし、手も大きいし、暖かいし―、本当にこんな素敵な男の人はいないわ!」
アリスはきっぱり言って、彼の顎の下に顔を押し付けた
クスクス・・・
「さては俺を捕って食おうをしてるな、フォアグラは食う前に太らすだろ?」
アリスは彼が本気にしていないのが気に入らなかった
「世界でいちばん素敵!間違いなく!もうっ!本当だったら!」
くっくっく・・・
「なんでキレてるんだ?」
アリスは背を北斗にあずけてもたれていた。ぴったり引っ付いている感覚が、二人の体が調和しているように感じた、まさに彼はアリスの体を包むのに、ちょうど良い大きさなのだ
まるで自分のために作られたような人、今はただこうして彼の膝に乗っているだけで、とても幸せだった
ヒソッ・・・
「君が俺を褒めたおしてくれるから、すっかり気分が良くなったヤツがいるじゃないか・・・」
そう囁くとアリスの手を取り、北斗はすっかり硬くなった自分のモノにあてがった
アリスがポッと頬を染める
「あら・・・カチカチ・・ 」
「シーッ・・・聞こえる 」
「私と北斗さんの体って全然違うわ」
「うむ・・・同じなら俺はすでに泣いているぞ」
彼は微笑んでアリスのほっぺにキスをした
「北斗さんは私以外の女性と何人セックスしたの?」
ガタンッ
「なっ!何を言い出すんだ?」
北斗がテーブルに肘をぶつけた、電気が走っているのだろう、顔をしかめてブンブン手を振る
「だって気になるんだもん、私は北斗さん以外に経験ないから、違いがわからないけど北斗さんは・・・」
彼の首筋に鼻を寄せて匂いを嗅ぐ、素敵な男らしい匂いがした。それと太陽と野イチゴの匂い
「ねぇ!何人?」
「え~っと・・・・ 」
北斗が自分の口に手を当てがって考えている。額には汗が光って目が泳いで、アリスを見ようとしない
「きっ・・・君が初めてだよ・・・」
ブゥーーー!
「絶対うそだぁ~~~~!!!」
鼻に皺を寄せて唇を尖らせ、アリスが北斗を睨む
「あー!もう!口を塞ぐっ!」
「んんんんっ 」
突然北斗の熱い舌がアリスの口の中に入って来た。アリスに息つく間も与えず、十二ぶんに口の中をさぐった。北斗は甘いジャムの味がした、多分自分もだろう
北斗が唇でアリスの顎の輪郭をたどって首に降りるとアリスの後頭部をつかんた
コツンッ
「痛っ」
おでこを突き合わせて北斗が、上目づかいで言った
「いいかい?アリス・・・・俺達が出会う前の過去の異性関係のことなんてものは、どうでもいいし、俺にとっては何の意味もなかったんだ」
「そうなの?・・・・ 」
なんだかキスで回答はごまかされた気もしたが、彼のキスで脳みそが溶けてしまった感じなので、何も言わずに北斗の話を聞いた
「大事なことは、俺はこれからは死ぬまで君以外の誰かと、こういうことをするつもりもないし、君が俺以外に経験がないことも俺は誇りに思っているし、そのことを一生の俺の宝物にするつもりだ」
アリスは息を呑み身をくねらせた、ウッと北斗が反応する、目を閉じて興奮するのを抑えている仕草が可愛い
「・・・そろそろ膝からおりなさい」
「キスしてくれたら降りる〜(はぁと)」
「一回だけだぞ」
二人の唇が重なろうとした瞬間
ガリガリガリガリガリッ
「ハイハイごめんなさいよ~~~~♪」
直哉が草刈り機でけたたましい音をたてて、二人の前を通り過ぎて行った、明も直哉にくっついて笑っている
弾かれたように二人は離れた