TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

一松高校  吹奏楽部

一覧ページ

「一松高校  吹奏楽部」のメインビジュアル

一松高校 吹奏楽部

8 - 吹奏楽部の日常Part5

♥

43

2025年11月13日

シェアするシェアする
報告する

家に帰り手を洗ったあと、真っ先にスマホを操作し始めた。ホーム画面に表示されているアイコンの中のLINEを押すと教室で追加した友達のLINEや家族、部活のLINEがずらーと並んでいる。私はその中にあるあおいと書かれたLINEを押す。挨拶の文やスタンプやら表示されているトーク画面の下で私はキーボードを操作した。文を打つ際に迷いなどなく素早く作成していく。

【先輩、今お時間大丈夫ですか? 】

最初の文を送信した後、お弁当を出すことを思い出し、リュックの中のお弁当を取り出そうとすると、先ほど送ったメッセージに既読がついた。私は返信を待っている間に、お弁当を台所で洗い、再びスマホを見ると、返信が来た。

【大丈夫だよ。どうしたの?】

【小柴先輩の事なんですけど。】

【あ〜、小柴先輩ね。はいはい】

私は帰り際にあったことを話した。

【今日の部活帰り、荷物整理してたら足元にノートが落ちてて拾って椅子の上に置いたら紙が落ちてきたんです。】

【紙?ノートに挟まってたの?】

私は真剣な表情で頷いた。

【そうです。それで紙は折り込まれていて、開いたら文字が書いてありました。】

【なんて書かれてた?】

【私はもう部活を続けたくありませんと書いてありました。 】

送るとすぐにリアクションマークがつけられ、びっくりしたのか既読をつけたまま会話が止まっていた。

【え?小柴先輩が!?】

【はい。】

【嘘、そんな事しないよね。今日の小柴先輩普段と変わらなかった?】

【はい。 】

【え、まじか。見つけた時小柴まだ居た?】

【いえ、居ませんでした。帰っていました。】

【そっかー。にしてもなんで部活続けなくないって書いてあったんだろう。先輩からなんか聞いてる?】

【なんかって何ですか?】

【あー相談とか。先輩って悩みとかあるとすぐ私に相談に来るからさ、まあ真由ちゃんには話してるのか分からないけど。】

【特に聞いてないですね。というかなんで小柴先輩が部長になったんですか?】

【小柴先輩はすごく真面目な人でね、先輩と同級生の人は入学式で新入生代表になったんだとか。】

初耳だった。確かに小柴先輩はすごく真面目そうに見えたけどまさか新入生代表だったとは。

【確か、小柴先輩のお母さんが高学歴出身ってこともあってお世話も結構厳しいって先輩言ってた気がする。】

【なるほど、そうなんですね。】

【明日先輩に会ったら言う?もし不安だったら私から話す?】

【いいえ大丈夫です。お気遣いありがとうございます。】と文と共にスタンプを送った。

【はーい。何かあったら言ってね。】

【はい、ありがとうございます。】

【ところで?真由ちゃんは小柴先輩のことどう思ってる?】

突然の質問にキーボードを操作する手が止まった。

【そうですね、すごく優しくて、部員のこともちゃんと考えてると思いますよ。】

【そっか。優しいのは確かにそうだね。でもさ?先輩が怒ってるところ見たことないでしょ?】

【あ、はい。】

【小柴先輩は優しくて真面目なイメージがあるけど怒るとすごく厳しんだよね。】

【え、そうなんですか?】

【そうそう、私が高一だった時先輩は高二だったね。先輩の代の時は今よりも実はかなり人いたんだよね。】

【そうなんですか!?】

【うんうん、確かね、2年生が15とか16とかあるいはもっといたかな。今は10人だけどね。】

【当時何があったんですか?】

メッセージを打つ手に力が入る。

【あまり話したくはなかったけど、真由ちゃんが入ってくれたからには頑張って言ってみようかな。当時はね、集団退部が起きたの。】

【え……?】

読み間違えかと思ったが、口パクで発音すると確かに集団退部とわかった。

【どうゆうことですか?】

【私はその時止め方が分からなかったんだけどね、些細なことだったの

。】

【先輩の代は初心者や経験者が半々でね、練習をサボったりする子がちらほらいたの。】

【え?】

【その時に小柴先輩は、注意に入ったんだけど、サボる子は全然聞いてくれなくてね、おかげで大喧嘩。練習するのが馬鹿だって言うの。酷くない?別に私は馬鹿で練習してる訳じゃないけどさ。】

私は完全に手が止まってしまった。

【練習すれば上手くなるじゃん?モチベも上がるしね。ただサボる子は練習せず遊んだりしてたんだって。】

【私はその時曲練してたんだけどね、声が聞こえてるんだよ。ほんとにむかつく。 】

【練習せず遊ぶくらいなら部活辞めればいいじゃんとか思ってたんだけどね、小柴先輩は違ったんだ。】

【何度も練習すれば上手くなるよって。出来たら褒めてあげるから。って言ってたけどね。サボってる子は小柴先輩にむかついて先輩の耳元で大音量で楽器を吹いたんだって。そしたらどうなったと思う?耳鳴りしちゃったんだよ。大音量で楽器吹いた子にムカついた先輩は、やめて、ほんとにやめて。って言ったの。そしたらじゃあ部活辞めますって言ったんだって。】

【そしたら先輩驚いた様子で立ったまま止まっちゃって。部活辞めるって言った子は駆け足で荷物もって帰っちゃったんだよね。その時先輩泣き崩れちゃって。私手洗い行ってたから見つけた時は慌てて駆けつけたんだ。大丈夫ですか?って。そしたら俯いて何も言ってくれなかった。】

【ごめんね、かなり暗い話だったよね。】

【大丈夫です。】

【でも今は先輩は支えてくれる人が多くて嬉しいって言ってたよ。】

とメッセージの下にスタンプがきた。

【このことは今でも覚えてる人がいるかどうかは分からなくて。本当は心配のないように話さなかったんだけどね。大丈夫?】

私は気づけば涙を流していた。瞳から出た涙はトーク画面にポタポタと落ちていった。

【辛かったんですね。】

【そうだね。】

【明日、部活頑張ろうね!】

【はい!!】

【それじゃあまたあしたね。】

【分かりました!!】

と会話が終了した。スマホの電源を切ると、思いっきり疲れたのか机に突っ伏した。

集団退部のとき小柴先輩はどんな気持ちだったんだろう。集団退部があったことで、練習もかなり大変になったはずだ。考えていると落ち着かなくなる。とお風呂が湧きましたとお知らせが来たので入ることにした。普段どうりお風呂からあがり夕食を食べ、歯磨きをし、部屋に移動するとベッドにダイブした。すぐには眠れないと思ったので、傍にあったタブレットでオルゴールと調べ、出てきたリストの1番上の曲を選択した。静かな空間に優しいオルゴールのメロディーが響き渡る。明日どうゆう気持ちで部活に行ったらいいのだろう。気持ちが落ち着かなくなるので考えるのをやめようと電気を暗くした。寝っ転がると、すぐそばでオルゴールが聞こえてくる。

「小柴先輩……」

声に出すも何も聞こえない。

今後どうなってしまうのか……

不安や緊張、プレッシャーなどが混じり合い複雑な気持ちが出てきた。

とりあえず寝ようとぎゅっと目を閉じた。

一松高校 吹奏楽部

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

43

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚