テラーノベル
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ふと、誰かに揺さぶられる。すまない先生はゆっくり目を開けた。
そこは灰色が広がっており、自分がレッドとブルーと会った時の白い景色と似ていた。
似ていない所と言えば、厳重な牢獄内に、数人の子供や少年少女がいた。
「・・・ここ、は?」
すまない先生は顔を上げた。すると、1人の少年の声が聞こえた。
「・・・ここは、誘拐犯の根城ですよ」
金髪に、片目に傷がある少年がそう答えた。
「・・・君は?」
「・・・僕は、ミスターバナナと言います」
「バナナくん?誘拐犯って?」
すると、バナナは答えた。
「・・・どうやら奴らは、容姿のいい子供などを捕まえて、奴隷、もしくは人身売買しているんですよ。で、僕らはその“奴隷”もしくは“商品”です」
「・・・商品・・・」
すまない先生はそうポツリと呟いた。ふと、ズキッと痛みが走る。
その際に、ふと思い出した。
まだ幼い少年が、悲しそうな声で「ごめんなさい」と謝っていたことを。
だが、ここにはその少年はいなかった。
すまない先生は許せなかった。
子供を誘拐して、奴隷や商品にしたり、子供に怖い思いさせたり、あの黒髪の少年に辛いことをさせたりなど。
「・・・許さない」
ポツリとすまない先生は呟いた。
瞳はいつものぼんやりとした瞳ではなく、“何か”が籠った瞳になったことに、ミスターバナナは首を傾げた。
✵✵✵✵✵
とある酒場で、爛漫豪華な男たちは大笑いをしながら、お酒を呑んでいた。
「しかし、随分商品も集まったなぁ!どうするんだ?あいつら」
「そうだなぁ、今回はかなりの上物ばっかだから、今回は“商品”だな!」
男たちはガハハと笑う。
そんな部屋から離れたところに、1人の少年が膝を抱え、座り込んでいた。よく見ると、腕や足には殴られたような痕が痛々しく残る。少年は、目からボロボロと涙を零しながら、膝を抱えていた。
コメント
2件
ヤッホイバナナ出たわ! でも会う場所がなぁ…牢屋で会いたくないなぁ…会うならもっと明るい場所がいいよね! 黒髪か!ブラックの可能性あるぞ!?