テラーノベル
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・・・ある日突然、自分は知らない人達の元に連れてこられた。
そして、“父親”は自分を置いていき、そのまま帰ってこなかった。
その男達は笑いながら答えた。
──『お前は売られたんだ』と。
絶望した。父を、その男達を、呪ったし、恨んだ。
けれど、まだ幼い体の僕は、男共に殴られ、蹴られるばかり。
その幼い体を駆使して、他の子供などの商品達を誘拐するために、攻撃をする役目を受けた。 運が悪ければ奴隷として、運が良ければ貴族に変われ、玩具として扱われる。
・・・どっちにしても、最悪な末路になるだけだった。
辛くても、苦しくても、怖くても、自分には何も出来ない、何も出来っこなかった。
弱い自分が、大嫌いだった。
✵✵✵✵✵
ふと、男達に頼まれ、商品の状態を見てくるように頼まれたその少年は、1人、牢屋に立っていた。
みんな眠っており、誰1人起きていない。
と、思っていると、
「やぁ?」
「!?」
思わず驚いて、尻もちを着いてしまう。目の前の青年は優しげに瞳を和らげる。とろりと蜂蜜のような優しげな瞳に、少年は一瞬息をするのを忘れかけた。それほど、目の前の青年は不思議な雰囲気で包まれていた。
「良かった。君がここにいなかったから、どこにいるんだろうって心配だったんだ。大丈夫?怪我はない?」
そう青年は優しく声をかける。少年はふるふると首を横に振る。
「そっか」
と、青年は優しく微笑む。それに、少年は答えた。
「・・・どうして?」
「?」
「・・・なんで、そう言えるの?僕は・・・悪いことしたのに・・・」
そう言うと、青年はキョトンとし、答えた。
「・・・でも、君は、“やりたくてやってる訳じゃないでしょ?”」
「・・・ッ!」
そう核心を突かれた気分に少年は見舞われる。そんな少年に、青年は答えた。
「・・・だから、僕にスタンガンを打ち込んだ時も、泣きそうな表情で謝ってくれたでしょ?・・・大丈夫、僕が何とかしてみせる。だから、あんしんして?」
そう青年の言葉に、凍っていた氷がじわりと溶けていくような。そんな感じがした。
少年はこくりと頷く。
少年にとって、青年は眩しくて、眩しくて、まるで、ヒーローのような人だ。と、少年“ミスターブラック”は思った。
コメント
2件
やっぱりブラックじゃん!ブラックにも辛い過去が…あの父親最低やねまじ許さん!死刑や死刑 すまない先生!ブラックやバナナ、その他の囚われている人たちを早く助けてあげて