テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

城から北へと進んでいたが、探索を進めているうちに東の方へと進む向きを変えていたようだ。

林を抜け、森を抜け、岩山のようなところまで辿り着いた。

周りは大きな岩が連なっている。

殺風景で目が痛い。

地面の反発がなく、普通に歩くよりも足が痛い。

👾「ここなかなかしんどいね…。」

💭「わかる。なんかこう、見慣れない物がドーンと現れたりしないのかな。」

👾「こんなしんどいときにそんなもん現れたらたまったもんじゃないわ。」

💭「まぁ、確かに…?」

ゴールの見えない岩山をひたすら歩く。

全員疲れているのか、口数もかなり減っている。

🫘「辺りも暗くなってきましたし、そろそろ寝床の用意を始めましょう!」

もうそんな時間か。

この世界に来てから、時計という概念が無くなった。

体内時計と感覚で時間を探るしか手がない。

ごまめさんはまたテントを建て始めた。

相変わらず手際が良い。

俺とはにさんは前に作った焚き火を再度作り始めた。

積み上げるのにもコツがあるらしく、なかなか難しい。

マナトとユメは横でくつろいでやがる。

呑気な奴らだな。


無事、テントと焚き火が完成した。

🍯「いえーい!おつかれさま!」

👾「お疲れ様です!!」

俺たちは食事の準備をする。

あの後もはにさんは狩りを続けてくれていたらしく、新鮮な獣肉を用意してくれた。

俺は森を抜ける際に道端で拾った果物をいくつか出し、皆に渡した。

🫘「それでは!いただきまーす!」

ごまめさんの掛け声に乗ることすらせず、料理に食らいつく。

やはり長旅の後の食事は美味しい。

疲れが全て飛んでいく。


全員が食べ終わると、いつの間にか座談会が始まっていた。

🍯「ねぇ〜?なんではるーは私に敬語使ってるの?」

言われてみればそうだった。

出会って以来、ずっと敬語を使っている。

初対面で会話した時に敬語だったからずっと引きづっていたのだ。

👾「特に理由はないですね、なんとなくです。」

🍯「なーんだ、特別な理由とかなかったのね!じゃあこれからは上下関係無しで軽くいこーよ!!」

隠しきれてない陽キャ気質…!!

なんなんだこのキラキラしたオーラは……!!

完全に乗せられている気がするが、ここは話に合わせた方がいいのだろう。

👾「ではお言葉に甘えて〜!!」

なんだか、普通にタメ口を使うのに抵抗がある。

敬語をいきなりタメ口に変えるのはなかなか難しいことだと思う。

🫘「はるーさん!!ぜひ私も!!」

嘘だろ、1人でも充分大変なのにお前もかよ!!

👾「わ、わかった〜!!ありがとね〜!!」

苦笑いで誤魔化しつつ上手くタメ口を使う。

こうして慣れていくのだと実感する。

🫘「まさか友達口調で話せるなんて…!せっかくだし一人称を変えよう、俺も立派な男だしな。」

ごまめの一人称が『俺』に変わってる…?!

み、見慣れない…。

2人一気に馴れ馴れしくするのは難しいよおおおおお!!!(泣)


⚡️「そういやお前ら、この辺にでっかい塔があるって知ってるか?」

でっかい塔…?

こんな岩山に塔なんてあるの?

誰がなんのために作ったんだよ。

💭「あー!聞いたことある!あの月に届くぐらい高い建造物を作るってのを目標に建てられた塔でしょ!」

⚡️「そう。噂によると、頂上には最強の戦士が君臨してるらしいぞ。」

最強の戦士って…。

なんかもっと具体的な説明はないのかよ。

でも1度会ってみたい気もする。

どれほどの強さなのかこの身をもってして体感してみたい。

やられる可能性は充分にあるけど。

🍯「まあ、こっちは5人もいるし?数でどうにかごり押せるでしょ!」

そういう問題なのか?

まぁ、数の暴力って言葉もありますしね。

どうにかなるのかもしれない…。

🫘「じゃあ、明日はその塔目指して進もうや!」

⚡️「そうするか。」

気が早いなぁ。


焚き火の火を消し、周りを片ずける。

既に日は暮れ、辺りの気温は低くなっている。

テントに入って眠りにつく。

明日もまた長旅をすると思うと、気だるさが込み上げてくる。


🍯「おっはよー!!!」

夜が明けた。

朝から元気なはにけーき。

うわ、めっちゃ語呂良いな。

て言うか、なんて呼べばいいんだ…?

はにちゃん…とか?なんでもいいか。

🫘「それじゃ、塔目指してまた歩くか。」

ごまめってこんなキャラだっけ…。

めっちゃ律儀でキラキラした昨日までのごまめはどこに行ってしまったんだ。

人間は素を打ち明けるとここまで変わるものなのか…。

なんだか人間の真理を知ってしまった気がする。


俺たちは塔に向かって歩き出した。

どこの方角にあるのかもわからないが、とにかく進む。

進めばいつか辿り着くだろうと、安直な考えで行動している。

たまにはこんなぶっきらぼうな考え方もありなのかもしれないな。

ツータマヒーローズ

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,000

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚