テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
absk
地雷さん回れ右
…寒いなぁ。…でも、家にいられなかったんだもん
マフラーに顔を埋めて、俺は駅から家までの道にある、小さな公園の角に立っていた。
abちゃんから「20時過ぎに着く」って連絡来て、20時まであと5分。
家で待ってればいいのに、1分でも、1秒でも早くabちゃんの姿を見たくて、気づいたらコートを羽織って外に飛び出していた。
abちゃん、疲れてるかな。……あんまりベタベタしたら迷惑かな
3日間会えないだけで、なんだか急に「abちゃん不足」になって、心臓のあたりがスースーする。
いつもはあんなに元気に「abちゃーん!」って呼べるのに、いざ帰ってくるとなると、なんだかちょっと照れくさいな、笑
あ……。あの歩き方、…abちゃんじゃね?
遠くの街灯の下、見覚えのある長身の影が見えた。
いつもより少しだけ、急ぎ足でこっちに向かってくる。
俺は駆け出したい気持ちを必死に抑えて、その影が近づいてくるのをじっと見つめた。
ab side
……あと、曲がり角一つ
駅から自宅までの最短ルートを、頭の中で探す
気温はかなり下がっていて、吐き出す息が白く濁る。
ロケの荷物が少し肩に食い込むけど、そんなのどうでもよかった。
skm、今頃何してるかな。……テレビ見て笑っててくれればいいけど。……
あー、ダメ。早く顔が見たい
自分でも驚くほど、心に余裕がない。
「早く帰るね」とメッセージを送った時の、skmからの『待ってる!』というスタンプ。
それを見た瞬間から、俺の足は勝手にスピードを上げていた。
角を曲がる、その時だった。
……え? なんで……
街灯の下、寒そうに身を縮めて、こっちをじっと見ている人影。
暗くてもすぐにわかる。あんなに鮮やかで、あんなに愛おしいピンク色は、世界に一人しかいないから
……skm。こんな寒いところで待ってたの?
心臓が跳ねた。
「バカだなぁ」って呆れる気持ちよりも、愛おしさが圧倒勝利。
早く触れたい
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!