![だって、あなたが沼らせるから[ゼロ]](/_next/static/chunks/src/app/(default-layout)/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
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目黒のマンションまで来ると、「舘さん！」と、声をかけられる。
声のほうを見ると、入口の前に立つ目黒がこちらに手を振っていた。
「外まで出てこなくてもよかったのに」
「だって、1秒でも早く会いたいじゃないスか！」
…この子こういうことサラッと言うよね
「ごめんね？急で」
「何で謝るんすか笑 俺明日休みだし、全然問題ないです！」
部屋の前まで来ると、玄関の扉を開け、「どうぞ」と促される。
扉を支えている目黒の前を通るとき、ふわりと風呂上がりの匂いがした。
（あ…目黒の匂い）
それだけで心臓が小さく鼓動を打つ。
こんな些細なことで心がかき乱されるのか？
それが恋とか愛とかいうものなら、それって結構しんどくない？
（身が持たないでしょ…）
部屋に通されながら、目黒に気づかれないよう小さなため息を吐いた。
「舘さん、何飲みます？」
飲む前提なの？
キッチンに向かう目黒が、振り向きながら俺に問いかける。
「いや、そんなに長居するつもりなくて…」
「えー、せっかく一緒に飲めると思ったのに…。あ、明日予定入ってました？」
「そうじゃないけど…」
「じゃあ飲みましょ！俺、舘さん来るからって、風呂上がりのビールがまんしてたんすよ？」
「そういうことなら…いただこうかな」
「そうこなくっちゃ！」
嬉しそうな目黒が冷蔵庫から缶ビールを2本取り出し、1本を手渡される。
軽く缶をぶつけ合うと、プルタブを開け、ぐいっと呷った。
「っあー、うまぁ」
「ビールって、ひと口目が一番旨いっすよね！」
変な緊張から喉が渇いていたこともあって、あっと言う間に缶は空になる。
軽い金属音をたて、テーブルに置くと、目黒もまた同じタイミングで飲み干したようだ。
「舘さんさすがー！」
「目黒もでしょ」
「俺、次もビールでいきますけど、舘さんは？」
「じゃあ俺も、ビールで」
酒豪が2人揃えば、飲むしかないこの空気。
他愛もない話をしながら過ごすこの時が、心地よくて好きだ。
目黒は上機嫌で、なんだかフワフワしている。
こんな目黒を知っているのは、俺だけなのか？
他の誰かにも、こんな感じなのか？
俺だけが知っている目黒を知りたい
そんな独占欲にも似た感情が、自分の中にあることに少し驚いた。
ああ、どんどんハマっていく…
会ってしまったら、気持ちは溢れるばかりで、でも切り出すタイミングが掴めないでいた。
「舘さん？」
一点を見つめていた視界に、目黒が映り込む。
「ぅわっ！」
思わず飛び退いた俺に、目黒は目をぱちくりさせた。
「びっくりした〜…舘さん、驚きすぎ笑」
「ごめん、ちょっと、考えごとしてた…」
「…何か、今日の舘さん変だよ？」
目黒が不安気な顔で覗き込む。
…そんな顔するなよ。
「…あのさ、目黒。俺、お前のこと、好きだよ」
「………え」
「あれから、考えたんだけど、目黒と一緒にいるのは心地がよくて、1人になると、今まで感じなかった寂しさとか、急に目黒のこと思い浮かんだりして、情けないくらい心が乱されてた」
「…それって…」
「今日も、会いたいなと思って、電話したらお前すごく嬉しそうで…。それが俺も嬉しかったし、やっぱりそれって好きだからなんだって改めて思った」
上手く伝えられない歯痒さ
好きって言葉は何でこんなにピンキリなんだろう。
「…だから、お試しじゃなくて、ちゃんと付き合ってみない？」
今自分の持っている言葉で、精一杯の気持ちを伝える。
今伝えないと、もう前には進めない気がして…
…で、この間はなに？
さすがに唐突すぎたか？
「ごめんね、急に変なこと言っ…
言い終わるまでに目黒に強く抱きしめられた。
「目黒…っ？」
「舘さん、ズルいよ…。急にそんなこと言うなんて」
「…ごめん」
少し震えている目黒の背中に、腕を回してそっと抱きしめる。
「嬉しすぎてシぬ…」
「それは耐えて？」
「これって、相思相愛ってヤツっすか？」
「…そう、なるかな」
背中に回した手に、ぎゅうっと力を込めた。
「…照れてます？」
「うるさいよ」
「ね、舘さん、キスしてもいい？」
「…もう、聞くなよ」
どちらからともなく、キスをする。
気持ちを確かめ合うような、優しいキス。
だんだんとそれは深く、濃厚なものになっていく。
息苦しいのに、やめられない。
お互いを求め合うように繰り返した。
ゆっくりと唇が離れると、目が合った。
優しい笑みを携えた目黒が、離れたばかりの唇に、軽く音を立てキスをする。
「舘さん、好き。…大好きです」
「俺も、好きだよ、目黒」
くすぐったくなるような甘い空気に、照れくさくなって2人で笑ってしまった。
ちょっとスペースお借りします作者です。
いいね👍️、コメント💬くれた皆様ありがとうございます！励みになります🙏
4話以降げろあまな展開が続くので胸やけ注意です。すでにげろいけど…
えち期待してる方まだですよごめん（いないか）
全5話と予告しましたが、全6話になりそうです。
もうしばらくお付き合いくださいませ
読んでくださっている方に少しでも楽しんでもらえたら幸いです♡
コメント
2件
めーーーーーーーっちゃ大好きで主様のストーリーが最近のモチベです😭👍
さん お待ちしてました♪めめだてほんとに大好きなので6話とは言わず何話でも読ませていただきます‼️
