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これはある異世界転生者のお話。
なにをやっても失敗ばかり。
上司には叱られて,両親には家を勝手に売り払われて,終いには誰からもいないような扱いをされて…
私の人生こんなのだったっけ?
いつから失敗だったっけ?
いや,最初から失敗だったっけ?
もうわかんない
わかりたくない
知らない
あれ?子供がトラックに轢かれそう?
あれを庇ったら死ねるかな
子供も助かるしいいよね
キィィィィ
ドンッ
鈍い音がした。跳ね飛ばされた音だろう。
死ねるのかな。ああ,幸せだ。
この人生を捨ててしまえるんだ。
さようなら。大嫌いなこの世界。
いつからだろう。こんなふうに思ったのは。
私がいなくなっても変わらない世界が憎くなったのは。
この綺麗な景色は私が死んでも変わらない。
誰も悲しまない。誰にも迷惑をかけない。
私がいてもいなくても一緒だから。
ここはどこだろう。ああ,天国か。綺麗な景色だ。
???「こんにちは」
誰かから話しかけられた。
???「あなたは死にました」
そんなの知ってる
???「今なら死ぬ前まで戻れますよ」
???「いいのですか」
「別にいい」
???「いいのですね」
???「大半の人がここで戻るのに,」
戻るってどう言うことだろう
「戻るって?」
???「時間を操るのです。死ぬ直前に戻って死ななかった世界線にするのですよ。」
「そんなことできるんだ」
???「そうそう,申し遅れました。私は異世界への案内人、フレアです。」
「私は」
フレア「私はあなたの名前も知っています」
フレア「西園寺 香奈様ですよね?」
「その名前を言わないで!」
フレア「なぜ?」
「私はその名前が大っ嫌いなの。あんなにも憎らしい奴らがつけた名前よ?」
フレア「そうでしたか」
フレア「なかなか深い闇を抱えているのですね。」
フレア「私はあなたが気に入りました。私があなたを転生させてあげましょう。」
「どんな世界に」
フレア「あなたが最も望む世界に」