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#創作
M.S
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うちの高校『青花高校』に今日、東京から転校生が来る。
学校中は転校生の噂でいっぱい。
転校生はイケメンだとか、クールだとか。
どうしてみんな、転校生に興味を持つのか私には分からない。
午前9時。1年生の入学式が始まる。
退屈すぎるこの時間。校歌を歌うまで後、 4つものプログラムが残っている。
転校生でも探そ。
周りに転校生を探してることがバレないように、周りを見渡す。
あの人かな?
先生達の座っている席の隣に座っている。
黒髪に冷酷な青い目…
校長先生の長い話が終わり、次のプログラムに移る。
「次は、今年から2年生のクラスに入る転校生を紹介します。神崎風真(かんざきふうま)さんお願いします」
「はい」
既に声変わりが終わっている。
やはりみんな転校生に興味津々だ。
ステージに上がると、彼はお辞儀をして爽やかな笑顔で話し始めた。
「皆さん初めまして、神崎 風真と言います。俺もこの学校の1年生なのでお願いします」
彼はお辞儀で閉めてステージから降りる。
私は少し寒気を感じた。一瞬…
11時30分に入学式が終わり、2年5組の教室に戻った。
自分の席は、一番後ろの窓側の角。太陽の光が沢山入って、窓を開ければ涼しい風が入ってくる。
手のひらに顎を乗せて顔を支えながら、外を眺めている。
「あの窓側の子の隣の席が空いてるってことはあの席が神崎くんの席ってこと⁉︎」
女子二人の会話が小さい声だが聞こえる。
「そういえば神崎くんの隣の席のあの子って誰だっけ?」
「え、確か去年よく休んでた子でしょ?」
…
若い女性の先生が来て、みんなが自分の席に着席する。
「ホームルームしますよー」
「先生転校生は?」
「少し校長先生と話してから来るから、もう来るはず」
教室の扉が、息良いよく開けられる。
「あー来た来た」
転校生が入ってくる。
「改めて自己紹介をお願いします」
転校生が教壇に上がり、一瞬で教室中の空気が変わった。
彼はステージに上がった時の雰囲気とは違い、冷たく冷ややかな目をしていた。
「えー東京から来ました。神崎風真です。よろしくお願いします」
「はーい、ありがとうございました。風真くんは後ろの空いてる席に座ってね」
風真はだるそうに来る。外を見ていた私は風真を一瞬だけ見てすぐに目を逸らす。
だるそうに座る彼の横顔は冷たかった。
「神崎くんの自己紹介も終わったので、今から皆さんも改めて自己紹介をしましょう」
先生は笑顔で仕切る。
「まずは先生から。今年で4年目、今年初めてこの学校に配属されました。小林美波(こばやしみなみ)と申します!
私もこの学校初めてだから、みんなから色々教えてくれると嬉しいな」
暇。
「大崎美麗です。趣味は…」
順番に自己紹介が行われていく 。
「次は…」
「はい」
順番が回ってきた。前に行き、教壇に上がる。
めんどくさく、素っ気なく…
「柴村幸実(しばむらゆきみ)です。趣味は読書です 」
それだけ言って自分の席に戻った。
自己紹介の時間が終了。30分間のフリー休憩が始まった。
2学年の多くの人達が転校生に集まり始めた。
私は退屈でまた外を眺め始める。
私には友達なんて誰もいないし、声をかけてくる人もいない。だって、去年はよく病院に行っていて、学校に行けなかったのだから。
そんなことを考えていると、隣から冷たい視線が感じられる。
…視線が冷たい
それでも、そちらに振り向かない。理由は関わるのが面倒だから、だ。
「神崎風真くんだっけ?神崎くんは好きな人とかいるの?」
ある女子の一人が会って数分しか経っていないのに、馴れ馴れしく聞いていた。
「そんな事聞いてどうするんですか」
冷たい言葉が返ってきて女子生徒は少し焦った様子。
そりゃあ開口一番に聞くのが好きな人。
「あ、えっと…誰かな〜って気になっただけ」
フッ…バガな人。
女子生徒は恥ずかしくなってその場に入れなくなったのか、その場から離れるように逃げていった。
ざまあみろ。
私は気分が良くなり、バレないように笑った。
休憩が終わり、授業が始まった。
授業と言っても今日は、教科書やノートなど配られるだけなので超楽。
「配られたらマイネームペンで名前をちゃんと書いてくださいね〜」
配られた教科書が後ろまできた。
配られた時って先頭の列の方が有利に思えるんだよな〜
ページをペラペラと捲りおかしなページが無いか確認する。
小声で独り言を喋る。
「よし、大丈夫そう。次は名前を…ん?マイネームペンが無い」
まさかマイネームペンを忘れるなんて…隣の人から借りないと…でもすごく怖い。舌打ちとかされたら嫌だし、でも!
頭を抱えていると、隣から小さい紙が来た。開いて読んでみると『まさかマイネームペンない?』
隣を見ると、転校生は冷たい目をして前を見ているが、彼の大きい手は私の方に向けられていて紙をもらう準備は万全だった。
私は『うん』と書いてその手に手紙を渡した。
転校生は返事の書いた紙を見て、マイネームペンを渡してくれた。
借りたマイネームペンをスラスラと走らせて急いで書ききる。
付箋に『貸してくれてありがとう』と書いて、マイネームペンと一緒に渡す。
今度、恩をお返ししないと。
それから13時になり下校となった。
キーンコーンカーンコーン
「生徒の皆さんは速やかに下校しましょう」
歩道を歩いて昼ご飯のことを考えている。
今日のお昼何かな〜。莉愛(りあ)に何か作って貰おう。
とか考えていると、不意に転校生の事が頭を過ぎる。
そういえば転校生意外と優しいところもあるんだな〜やっぱり外見で決めつけちゃダメだね。
うんうんと自分に感心していると、前にうちの制服の男子が車の中にいる人と話していた。
「あれは…転校生?転校生が何をして…」
彼はその車に乗った。彼が乗った車はよく見かける車とは違い、黒くてすごい偉い人が乗っているような車だった。
その車は私を横切って行ってしまった。
…
自分の家の前に着いた。私の家は周りの家よりもでかいし、庭もある。
ドアを開けると莉愛が出迎えてくくれていた。
「おかえりなさい、幸実様」
「ただいま莉愛」
莉愛は私の家で、住み込みで家政婦をしてもらっている。
靴を脱いで家に上がる。
「幸実様、上衣をお預かります」
上衣を脱いで莉愛に渡して、部屋に行く。
「はぁ〜」
疲れてベットにダイブする。
転校生はお金持ち…転校生の名前ってなんだっけ…
考えるのが面倒くさくなって寝た。
コンコン。ドアを叩く音がする。
「幸実様夕食のお時間です」
目を開け時計を見ると6時になっていた。
「すぐに行きます」
階段を降りてリビングに行くと、両親が座っていた。
両親は私に優しくしてくれる。
でも私は昔の記憶がない。だから昔の両親がどんな感じだったのかも知らない。
テーブルには既に夕食が並んでいる。
莉愛が私の椅子を引いて座らせてくれた。
「今日の久しぶりの学校どうだった?」
「変わらず楽しかったです」
今質問してきた人が、私のお母様。
私のクリーム色に、少し茶色が混ざった髪色はお母様の遺伝だと思う。
「転校生がお前のクラスに来たらしいな」
「はい」
私をお前と呼ぶのが、お父様。
そして、私はお父様には似ていない。
「その転校生はどんな感じの子なの?」
お母様は転校生に興味があるらしい。
「…冷たい人でした」
「あら…」
「でも私が今日ペンを忘れて焦ってた時、察してくれてペンを貸してくれました」
「そうなの?じゃあその子とは仲良くしなさい」
「…」
私は一瞬お父様の方を見る。
何も言ってこない…
「はい。分かりました」
会話はそれで終了。
それから、 静かに黙々と食べ進め、食べ終わった時には両親は自分達の部屋へと戻っていた。
私は食べ終わった自分の食器をシンクに持って行き自分が使った皿だけを洗う。
「幸実様はいつもご自身が使った皿を、洗っていて偉いですね」
と、両親の皿を持ってきた莉愛に言われた。
「そうですか?これが当たり前だと思うんですけど…」
「幸実様は大手企業の社長の娘さんなので、しなくても私がやっておくので大丈夫なんですよ」
「…」
食器を洗い終わり、お風呂に入った。
身体を洗って湯船に肩まで浸かり、目を閉じる。
私が大手企業の娘と言うことは学校のみんなには秘密にしている。
「洗面台にバスタオルと着替えを、置いておきますね」
「ありがとうございます」
お風呂から上がり、着替えて自分の部屋へ行く。
「はぁ…勉強しよ」
ノートに向き合いながら勉強を始めた。
一年生の頃はあまり学校には居られなかったけどいつも学年トップで、成績もトップだった私。
けれど皆は思っていた反応とは違い、憧れられとして見られるのではなく、憎しみとして見られていた。
それでも私はそれでいいと思っている。
勉強に集中しすぎて、気づいた時には既に11時を回っていた。
もう寝なきゃと思いながら布団に入り、今日を後にした。
翌朝になり部屋に陽の光が差し込んできた。
また長い一日が始まる。
階段を降りるとリビングに両親はいなかった。
「おはようございます、幸実様」
「おはよう莉愛」
いつもこんな感じの朝。両親は朝早くから家を出るので、いつも朝は会えない。
「朝食は出来ているのでおたべください」
今日の朝食は、パンにポーチドエッグとレタスが挟まれたサンドイッチだ。 食べると美味しいとは思うがなんだか味気ない気もする。
食べ終わり、制服に着替えて準備を整え学校に行く。
今日も何も変わらない日なんだろうな。
とか考えているとまた昨日の車が私の横を追い抜いて行った。その車にはやはり転校生がいた。
そのまま学校の方に歩いていくと、学校の前にさっきの高級車が止まっていた。
「そこから出てきだのは転校生」みたいな感じでみんな大騒ぎしている。
「まさかあの転校生が、日本で2番目に大きい企業の神崎だったの!?」
とか、「マジであの転校生イケメン」とか 聞こえてくる。
転校生は私に気づいたのか、こちらに来た。
ん?転校生こっちに来てない?
転校生が私の前まで来て。
「おはよう幸実」
?今私になんて言った?
「お、おはようございます…」
「一緒に行こ」
「え、はい…」
教室に二人で行くことになった。
廊下を一緒に歩いていると、転校生のせいで注目の的になってしまった。
なんでこの人は私に声をかけてきたの…?
その謎が解明されないまま、一日が始まった。
コメント
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おお、これはめっちゃ気になる導入だわ!転校生・風真くんの冷たい雰囲気と、一瞬見せた優しさ(マイネームペン貸してくれたとこ)のギャップがいい。主人公・幸実の「ざまあみろ」って心の中で笑うところ、わかるわ〜って思った笑。お父さんが「転校生とは話すな」って意味深な警告もしてるし、風真くんの車とか神崎グループの謎とか、これからどう絡んでいくのか超楽しみ。続き読みたい!