「やぁハック!今日も来てやったぞ!」
「来なくていいっすよ……」
いつも通り部室のソファーでハックを待っていたサブローにそう言った。
ハックは荷物を置いて隣に座る。
「いいじゃないか!友として語り合おうじゃないか!」
「だから友達じゃないっす」
「僕達は友達だろ!?!」
「違うっす」
サブローが必死に説得させようとするが、ハックはどうしても認めなかった。
「ハックは酷いなぁ…この僕が戦友だって言ってるのに」
ムカッ
「なんすかその言い方、まるでサブローくんが仕方なく言ってあげてるみたいじゃないっすか」
上から目線についイラッとしてしまった。
「そういう訳じゃ……」
「大体いつまで厨二病してんすか?恥ずかしくないんすか?」
「いっつも俺に付きまとって何がしたいんすか?」
「うっ…」
見事なハックの反論に、サブローは息をつまらした
「ハックだってパソコンばっかりいじってて僕の話を全然聞かないし酷いことばっかり言うじゃないか!」
「は?厨二病語喋ってるサブローくんだけには言われたくないっす!!」
「うるさいぞ!!だいたい僕は厨二病じゃない!!」
サブローが大声でそういうと
「もううるさいっす!!最近まで見直してたのに気の迷いだったっす」
「やっぱ大嫌いっす。最悪っすよ」
「…!」
(はっ…やばい、言いすぎたっす…!)
ハックが自分の言っていることに気がつき、少し焦り始めると。
「…………すまん」
物凄い小声でそういい、部室を出ていった。
ハックは止めようとした手をポケットの中にしまった
大体サブローくんにも非があるっす。
俺が全部悪いわけじゃないっす…
そう心の中で言い聞かせていた。
だがその翌日も、そのまた翌日も、サブローは部室にも現れなかった。
同じ学部のはずなのに教室にも姿が見当たらなかった。
「……あーもう…調子狂うっすね…」
いつも隣にいたサブローが居ない居心地の悪さに、いつの間にかハックは調子を狂わせていた。
そしてそれと同時に、ハックの心の中の寂しさが心の中に埋め尽くされていた。
「……」
お手洗いから出てきたハックが帰ろうとすると、泣き声が聞こえた。
少し気になったハックはその声をたどって歩いていった。
「…………だぁっ……」
「きっと……僕は…嫌われたんだぁ……っ」
声の正体はサブローだった。
ハックはすぐに隠れてこっそりと様子を見ると
隣にはタブーがいて話を聞いてもらっていた。
「ギャパパ…おめぇらよく喧嘩するよな」
「うぐっ………ハックに酷いこと言ってしまった……」
泣きながら話していると
「男が泣くんじゃねぇ!仲直りすりゃいいだろ!」
頭を撫でながらそういうが、サブローは言い続けた。
「僕が謝っても、ハックは絶対許してくれない…」
「きっとそうだ……」
そうメソメソしているとタブーがサブローの背中をバシッと叩く
「ギャパパ!まだ自分に素直になれないだけだ。」
「お互いに後悔してるはずだぞ」
「……!」
「だから早く仲直りしていつもの調子に戻れよな!」
涙をふいて「うん」と頷いた。そして立ち上がった。
「やっぱり、タブーは優しいな」
「ギャパパ!当たり前のこと言っただけだ!」
タブーが少し照れくさそうにしていると遠くにいたキリンが声をかける
「タブー!帰るじょ〜!!」
「ギャパパ!分かった!」
「じゃあまたな!」
「あぁ」
お互いに挨拶を交し、帰って行った。
「…………グスッ」
ハックも聞いていて泣いてしまっていた。
でもまだ心を決められていない。
このまま仲直り出来ないままでいいのか…と
ハックは走って行った。
「サブローくんっ」
「……!」
ハックは帰ろうとしたサブローの手を掴んで止めた。
今度はポケットに入れずちゃんと握りしめた。
「……えと…その……」
「……言いすぎてごめんなさいっす…」
目線を下にして謝った。
するとサブローが少し微笑んだ。
「僕も、ごめんな。言いすぎて…」
無理して笑おうとしているが、さっき泣いたぶん目が赤く腫れていた。
「俺がサブローくんのこと嫌いなんて、ないっすから…」
「…はっくぅっ……」
またくっつきながら泣いてしまった。
ハックは少し背の高いサブローの頭を撫でてこう言った。
「帰りましょうっす。」
「…あぁ!」
二人とも笑って言った。
ギュッ
「……?!」
ハックは帰り際にサブローの手を握った。
「なっ、なんで手を…!?」
「いいじゃないっすか」
「俺たち、友達なんすから」
「!!」
「え…いま…!」
今まで言ってこなかった発言に驚いてしまった。
するとハックは強く握って笑っていう
「サブローくん顔真っ赤っすよ」
「まっ……真っ赤じゃない!!」
これで俺も、少しは素直になれたっすかね
二人は仲良く帰って行った。
コメント
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泣けてきたうわぁぁぁぁぁ(泣)
はあっはあっはあっ(変質者ですみんな逃げて)