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ㅤㅤㅤ ㅤ syp×ci
ㅤ 春夏秋冬
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ㅤ 学パロ 不穏 死ネタ
ㅤ 付き合ってません
ㅤ syp『』
ㅤ ci「」
ㅤ こちら没作品です
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syp視点
春。出会いの季節。
恋人が作りたかった訳では無いし、都合のいい相手が欲しかった訳でもない
ただ、気軽に話せるような友達が欲しかった。
出会いの季節とか言うくせに、俺には出会いが無かった、そんな高校1年の春。
夏。席替えでとある人物が隣になる
それが彼、チーノだった。
「ショッピくん…やっけ?
ㅤ初めましてよな!よろしく〜〜」
なんて明るく元気に話しかけてくるもんで…暗いイメージは無かったけどここまで明るい陽のタイプだとも思っていなかった。
『…よろしく』
テンションについていけない俺はそう一言返した
秋。俺に食欲の秋というものが存在していたことに初めて気が付く。
「ここのクレープ食べたことある?」
『んー、クレープ自体あんま食べんから無い』
「ショッピくんも気に入ると思うよ!」
チーノの予想は見事に的中した、
年に1度食べるか食べないかのクレープは、とても美味しく感じた。なんなら甘いものからさっぱりしたサラダ系まで…4つも食べてしまった
冬。雪…はあまり降らないから降った日は大騒ぎしていた、主にチーノが。
あと、あけおめLINEを送った、自分から誰かに送るのは初めてだった。
春。高校2年生になった
うちの学校は高校卒業後の進路でクラスが決まっているため、クラス替えがない。
と言っても席替えはあった。初めて1番前の席になった。居眠りできない
「ショッピくん隣やん、 寝たらあかんで?笑」
『んなこと言われなくても寝ませんて』
通路を挟んで隣…まあ実質隣の席。
俺が隣で嬉しそうなチーノを横目に俺も少しだけ嬉しかった
そんなチーノとはこの日から屋上で一緒に昼を過ごすことになった
夏。暑い、暑すぎる
『流石にこの時期屋上で過ごすのばかやろ…』
「でも日陰にいれば…!」
そういう問題じゃないんよ、チーノと二人きりなのは嬉しいけど…
「秋まで教室戻る?
ㅤ…僕は二人きりなの嬉しかったんだけどな」
なんて言われたら無理やん。可愛くて許してしまった、きっと暑さのせいで頭がおかしくなっていた
秋。この秋は初めて
「ショッピーー!聞いてやー!」
と名前で呼ばれることになった。今までは ショッピくん と呼ばれていたが、
俺はずっと チーノ って呼び捨てしてたからか「僕も呼び捨てにしたい!」って。可愛い
元々友達を沢山作ろうと思わないしひとりでも全然良いタイプだから、呼び捨てとかそんな馴れ馴れしいことは自分から拒否していた
呼び捨てしてくれるのはチーノが初めてだった、
冬。この冬は一緒に年明けをした
大晦日の夜、近くの神社で集合して新年の挨拶を目の前でした。
あけましておめでとう!と白い息を吐きながら喋る彼は本当に可愛かったし、直接言い合えたことが嬉しかった
春。俺らは3年生になり、みんなが進路のことを話していた時期
「僕〜大学行こうかなって思ってるんやけど」
チーノが目指している学校は頭が良かった。着いていきたかった、けど彼は根からの努力家だった、つまり俺はそこまで頭が良くなかった。
今から頑張ったところで追いつけない、そうわかっていた
夏。夏期講習やなんやらでふたりでいる時間が減る
と言っても夏休みがほぼ1ヶ月で、そのうちの半分は一緒に過ごした。ショッピングモールに行ったり、互いの家に泊まったり。
本当に受験生か疑うレベルで夏を楽しんだ
秋。流石に勉強せな、と春夏よりも勉学に力を入れ始めた
と同時に色々な不安が出てきた。大学に受かるのか、仮にどこかへ進学したとしてもまた上手くやっていけるのか、というかこれからもチーノと仲良くできるのか
これからはチーノと疎遠になる?
そんな不安が1番大きかった。どの不安よりも大きく、本当に苦しかった
ずっとふたりで居たかった。この時初めて彼に恋をしていたことに気が付いた
冬。今年もあまり雪が積もらなかった。
積もった時があっても積雪1cmとか、それくらい
合格しますように…っていう願掛けをふたりでしに行った
…少しした後、彼は足を滑らせた
…別れは突然来てしまった
どうしてこんな別れになってしまったのか、自分にもわからなかった。わからないままで、涙も出なかった
でもチーノと最期まで一緒に居たのは俺だったし、これからチーノと疎遠になったらどうしよう だなんて悩みも解決してしまった。
有難いとか…そんなこと思ったらあかんのに、死んで欲しいなんて一度も思ったことは無いのに。
それでも俺の心はどこか満たされていた
俺の中の時間が止まったまま、春を迎えた。
彼と一緒に春を過ごせたのは2回だけ、本当はこの春も一緒に過ごす予定だった
一緒に合格して一緒の大学に進学しようと決めていた、サプライズ…ってよりかは俺がチーノと一緒に居たいだけだったけど
一緒に通うはずだった大学や生活にも慣れてきた頃、チーノの親から封筒が届いた。
中にはふたつ入っていた。チーノの親から”こんなものが出てきたから読んであげて”という紙が1枚。もうひとつは誰の趣味かわからないような少し可愛らしい手紙。まあ、おそらくチーノのもの。
ぺら、と開くと、 “2年の春くらいからショッピのことが好きだった、ずっと付き合いたいって思ってた。もし付き合えるなら僕のいる大学まで迎えに来て欲しい…” と書かれていた。
図々しいやつ、迎えに来いなんて笑
直接言うのが苦手なあたりチーノらしくて可愛いなと口元が緩んだ、涙も出た
人の死を喜んでしまった自分が憎かった、彼が生きていたらふたりともがもっと幸せになれていた、
これからもふたりで、幸せになりたかった。
本当に死ぬなんて思っていなかった、打ちどころが悪かったなんて知らない、突き落とさなければよかった。
複雑すぎる思いは涙を流すには十分だった
ㅤ ㅤ 終
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