テラーノベル
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19世紀に、初めて症例として報告されたこの精神分離症。
これは、19世紀以前から存在していた可能性は極めて高いと言われている。
そして歴史に名を残した偉人も、例外ではない。
王国軍を率いた少女・ジャンヌ。
彼女は鬼神の如く、敵を蹴散らした。
その猛攻は、陥落寸前だったオルレアンを、電光石火の勢いで解き放った程だ。
占領された都市や砦は、彼女の声に呼応し、次々と奪還されていった。
彼女の目指す先は、聖都・ランス。
大聖堂での戴冠式。
ジャンヌの偉業は、無事に成し遂げられた。
溢れる光。
天使の祝福。
教会の鐘。
だが、ふと影がさした。
ユダが潜んでいる、そんな予感はあった。
退路は閉ざされた。
オマエが選ばれた光なら
なぜ裏切り見抜けない?
鎖や牢屋、それらでは縛られなかった。
彼女は決して折れなかった。
奇跡が自身を救うと、信じて。
だが。
いつの頃からか、声が届かなくなっていた。
声…?
誰だ!!?!?
幻想にしがみ付いた
挙句全て失った
祖国はオマエを見放した
刑台に火は
くべられた
気づくのが少し遅すぎた
が
上出来だ
これで楽になるぞ
「オマエは」
『いや私達は』
『自らの意思で手を血に染めた』
Fin.
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