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宮舘の家——
🖤「おじゃまします」
♥️「適当に座ってて」
部屋を見渡す目黒。
視線がゆっくり、丁寧に動く。
🖤(ここが、涼太の部屋)
♥️(なんか緊張するな…)
⸻
🖤「え、これ高校のときの?」
アルバムを手に取る。
♥️「懐かしいだろ」
ページをめくる音。
🖤「……涼太、かわいい」
♥️「え?」
笑顔の写真。
目黒の指が、そこに少し長く止まる。
愛おしそうにそれを眺める。
⸻
しばらくして。
♥️「できたぞ」
テーブルに皿を並べる。
🖤「いい匂い……いただきます」
一口。
目が見開かれる。
🖤「……美味しい」
♥️「よかった」
🖤「止まらない」
夢中で食べる姿。
♥️「どんだけ腹減ってんだよ」
🖤「涼太の作ったやつだから」
さらっと言う。
♥️(……なんだそれ)
♥️「口、ついてる」
無意識に手を伸ばす。
指先が唇に触れる。
🖤「……」
目黒の顔が一気に赤くなる。
♥️「あ、ごめん」
🖤「いや……ありがと」
視線が合わない。
⸻
🖤「ねえ」
🖤「他の人にも、こうやって作るの?」
目黒の声が低くなる。
♥️「あー、職場の同期がたまに来て、」
♥️「飲むときに作るくらいかなー」
🖤「……ふーん」
一瞬だけ、空気が冷える。
🖤(ここに、他のやつも座ってるのか)
テーブルを見る。
キッチンを見る。
🖤(この空間を、共有してる)
目黒はまた宮舘の方を見る。
🖤「これからも」
♥️「ん?」
🖤「俺にも作ってよ」
真っ直ぐな目。
🖤「もちろん、ちゃんとお礼はする」
♥️「……」
♥️「いやいや、お礼はいいよ」
♥️「美味しく食べてくれるだけで…」
ちらっと蓮の方を見る。
嬉しそうに目を細めていた。
🖤「…絶対食べに行く」
♥️(……なんだこの空気)
静かな部屋。
やけに近い距離。
余裕あるはずの男が、
俺の前で少しずつ、崩れ始めていた。
つづく。