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犬狼鳥(けんろうちょう)・黒子
#21のチューリップ
皆さん、どうもこんにちは!
いつもの超巨大積乱雲・すーぱーせる。と申します!
今回は、頭に急激に舞い降りてきたお話、
「こんなのあんまりだ!!泣」を書かせていただきます…!!
いたらぬ点も、報われぬ点もござりましょうが、最後まで付き合っていただけると幸いです!
⚠Attention⚠
・ドイツ→イタリア→フランス→ドイツ
・BL
・三角関係
・学園パロディ
この時点で、少しでも『うわ…っ』となった方は、すぐに引き返すことをおすすめします。
それでは_____________
HALLO、僕の名前はドイツ。
学校では、才色兼備、文武両道をかかげるこの僕には、誰にも言えない悩みがある。
それは。
『Ciao!ドイツ!』
『この前はフランスとのデート手伝ってくれてありがとう!!』
『おかげで結構良い雰囲気になれたよ〜!』
コイツ。イタリア。親同士の仲が良いこともあって、昔から一緒に過ごしてきた、いわば幼馴染み。
突然だが、僕は彼に…まあ大きい声では言えないのだが…、恋をしている。
そんなイタリアは、自由人としてある意味有名なフランスに思いを寄せているらしい。
『……そうか。それはよかったな。』
昼休みの騒がしさの中、窓辺で席をくっつけてランチをする僕とイタリア。
直射日光が制服を突き抜けて肌を熱する。
この空気に呑まれて、こっそり、余計なことを言ってしまいそうで怖いな…。
『手伝ってくれたお礼に一つお願い聞いたげる!なんでも言ってくれたまえ!』
ふふん、とどこぞの将校のように胸を叩くイタリア。
ここで、イタリアに、『付き合ってくれ』と言ったって断られるに決まってる。
『じゃ、帰りに古本屋。読みたい本があるから一緒に探してくれ。』
『おっけー!エンデの本でしょ?任せてよ!』
『前も探しててないって言ってたもんね!』
コイツのこういう、細かい話を覚えている所が好きだ…。くっそ、身体が熱い…。
ソーセージを一つかじる。
ぷつっとジューシーな肉の旨味が広がり、心がほんのり落ち着く。
そもそもなんで僕は恋敵であるフランスとのデートを手伝っているんだ…。
『やーん、、フランスはやっぱかっこいいな〜〜!!』
教室から見える美術室の窓辺で、職人のような手つきでキャンバスに筆を走らせるフランス。
それを見て、イタリアは盲目的に目を輝かせている。
そっちじゃなくて、いま会話をしている僕のほうを見ろ!!この人タラシめ!!
『おい…、今は僕と話してるだろ。ちゃんと相手の目を見て話せ…。じゃなきゃフランスに嫌われるぞ。』
『それは一大事だ!!なんだい?ドイツくん!』
『……調子の良いヤツめ。』
ああ、憎たらしい。
でも、そんな憎たらしい所も、僕には愛おしくてたまらなかった。
『ドイツ〜!早く行くよ〜!』
蝉が煩い。保健室前に揺れる緑のカーテンがこの夏の暑さを誤魔化してくれている気がする。
下駄箱で先に靴に履き替えたイタリアが、僕に向かって手を振る。
『ああ。今行くよ……。』
『やあ、ドイツくん。』
『うわ…ッ!?な、なんですか…。』
唐突に背後から肩を掴まれた。
何事かと思って背後を振り返ると、
『や、探したよ。文化委員についての話があるからちょっと来てくれないかな…。』
着崩し、絵の具で少し汚れた制服。
ふわりと香るムスクの香りに顔をしかめる。
フランスだ。最悪だ。
『…承知しました…。』
かろうじてそう返事すると、僕はイタリアに向き直った。
『ごめんイタリア、すぐ終わらせるから、少し待っててくれ。』
『はーい!いってらっしゃい!』
良いヤツだな。僕はキミに対して途轍もない嫉妬心を抱いてるのに。
キミはまったく、嫉妬心のしの字も見えないよ……。
『イタリアはおっけーかな?』
『じゃ生徒会室いこっか。』
『はい……。』
……イタリアはコイツのどこが良いんだろう?
成績は僕のほうが良いし、スポーツもきっと僕のほうができる。
顔は……まあ同レベルだろ。
『失礼しま〜す』
『失礼します……。』
いつの間にか生徒会室の敷居を跨いでいた。
…誰もいないのに、冷房だけはガンガンだ。寒気がする……。
『はい。手短に終わらせてください。イタリアが待ってるので。』
不機嫌さにアクセル全開。
いや、これはあからさま過ぎたか?
『うん。単刀直入に伝えるね。』
沈黙に沈む。蝉の音が遠くで響き、クーラーのゴォーという音が嫌に大きく聞こえる。
『ドイツくん。ボクと付き合ってくれませんか?』
『……は?』
きーん、と耳鳴りがする。
嘘だ。これはきっと、聞き間違いだ。
イタリアと一緒にいるせいで、恋愛に脳が染まってしまったのか?嫌だな。
『え…えと、もう一度…。』
『ドイツくん、好きです。付き合ってください。』
『…っ!?』
この僕が二度も聞き間違いをする確率は、限りなくゼロに等しい。
ということは必然的に、フランスのこの発言は聞き間違いではないということになる。
『………、、。え、ど、ドッキリか何か?』
『…そんな訳ないじゃん…。』
『真面目な所、不器用だけど優しい所。』
『ちゃんと、好きだよ。』
フランスは、頬から耳まで真っ赤になっている。瞳が潤んで、少し手が震えているようだ。
痛い。心が。
え、ちょっと待て。状況を整理しよう。
僕は、さっきも言った通り、イタリアのことが好きだ。
そして、イタリアはフランスのことが好きで…。
そして今、あろうことか僕はそのフランスに告白されている。
『なんてこった…。』
『え?』
拗れに拗れたこの関係。
情報を処理しきれなかったようで、頭痛が催してくる。
イタリアの事を思えば、ここで断るのが正解なのかもしれない。
だが、同じく片想いをする側の人間として、片想いの辛さは身に染みて分かっている。
ここで断るなんてことは心が許してくれない。
『ちょ…っと、…考えさせてください!』
『え』
そう言って逃げるように生徒会室から出ていった。
すまんな、逃げるが勝ちなんだ。このご時世。
そう思考を巡らせながら、イタリアの待つエントランスへ一直線に駆けていった。
生徒会室に、ぽつんと一人取り残されたフランス。
『……まあ、上手くいくとは思ってなかったけど……。』
『…考えさせて…か…。』
ドイツ。
その名前を呼ぶたび、舌が痺れて、甘く儚い電流が身体を駆け巡ったようになる。
さわさわと涼風で木々の葉が擦れ、窓の外で揺れている。
『…諦められない…。』
『絶対好きにさせてみせるから…!』
本人は気付いていないだろうが、男にしては華奢で可愛い顔をしているドイツを狙う虫はごまんと存在する。
そばにいつもイタリアがいるから、少しばかりは虫よけになっている。が。
そのイタリアがドイツの事を好いていたら話は別だ。
「やっぱり、イタリア…、アイツは好きになれないな…。」
なんなら、一周回ってボクを好いていて欲しい。ボクはドイツに一途だから、浮気なんてしないし。
「そうじゃん。イタリアを落とせば、ボクの恋敵はほぼほぼいなくなる…!」
にやり、と意地悪そうに笑ったフランスは、これからの事を思考してしばし生徒会室に居座っていた。
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