「っ、ぁ、いくっ……っ」
「……っ、あ……」
数秒の沈黙。
目黒の腕の中で、ただ瞬きを繰り返していた。
何が起きたのか、ほんの一瞬理解が追いつかなくて。
頬に、額に、白く残る温もり。
それが何かに気づいた途端、目を見開いた。
「……えっ、な……っ、これ……」
唖然としたまま、自分の頬を指先でそっとなぞる。
その指先を見て、また目をぱちぱちと瞬かせる。
「ちょ……目黒……!」
俺はぐいっと顔をそらしながら目黒を睨みつけた。
「な、なんで……顔に……」
震える声に、目黒はちょっと申し訳なさそうに笑う。
「……ご、ごめん、我慢できなくて……」
でもその声は、どこか嬉しそうだった。
「って、笑うなよ!」
ティッシュを掴んで顔を拭いながら、ぷいっとそっぽを向く。
その横顔は耳まで真っ赤で、怒ってるのか恥ずかしいのか、自分でもよくわかっていなかった。
「……可愛くてさ、つい……」
ぽつりと呟いた目黒の声に、手が止まる。
「は?」
「いや、岩本くんが可愛かったから……我慢できなかった」
「っ……うるさい……っ」
恥ずかしさを隠すように、ティッシュの端をぎゅっと握った。
コメント
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顔ぉ……🥴🥴🥴