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るる
268
二人は、未来の悲劇を回避するために、具体的な行動を起こそうとした。
しかし、その矢先、タイムスリップの真相が、さらに複雑な形で明らかになった。
ある日、奨はマンションの自室で、未来から持ってきたはずのない、一枚の古い写真を見つけた。
それは、デビュー前の練習生たちが写っている集合写真。
だが、そこには、未来では存在しなかったはずの、もう一人の人物が写っていた。
その人物は、奨にそっくりだった。
そして、その写真の裏には、奨の筆跡で、こう書かれていた。
「奨、蓮を守ってくれ。お前が未来を変えるんだ」
奨は、混乱した。
自分は、なぜこの時代に戻ってきたのか。
未来の自分は、なぜ、もう一人の自分を過去に送り込んだのか。
そして、この世界で、もう一人の自分が、どこかにいるのだろうか?
蓮も、奨の異変に気づいた。
「奨くん、どうしたの?」
「…もしかしたら、俺が過去に戻ったのは、俺自身の意思じゃなかったのかもしれない」
二人の愛は、たった一人の「預言者」によって守られているのではなかった。
それは、もっと大きな、そして複雑な運命の糸に、操られていたのかもしれない。
奨は、未来の自分から送られたメッセージを信じるしかなかった。
「蓮を守ってくれ」。
この言葉が意味することは、未来の蓮に、何か恐ろしいことが起こる、ということだ。
そして、その原因を解決するために、奨は過去に送り込まれた。
奨は、蓮に写真を見せた。
「見てくれ、蓮。多分、未来の俺が、俺をここに送り込んだんだと思う…」
蓮は、写真に写るもう一人の奨の姿に、息をのんだ。
「…じゃあ、この世界にいる俺たちは、一体何なの?」
蓮の問いかけに、奨は答えられなかった。
彼らがいるこの世界は、未来の記憶とは微妙に違う。
それは、奨がタイムスリップしたことで、すでに運命が変わってしまったからなのか。
それとも、この世界は、未来の奨が作り出した、もう一つの可能性の世界なのか。
奨と蓮の愛は、もはや二人の関係だけではなかった。
それは、時空を超えた、二人の奨の意思によって、守られようとしているものだった。
そして、彼らは気づいた。
タイムスリップの鍵は、写真に写る、未来の奨が持っている。
彼を見つけ出せば、すべての謎が解けるかもしれない。
二人は、未来の悲劇を回避するために、そして、自分たちの存在理由を知るために、タイムスリップの謎を解き明かすことを決意した。
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