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野々さくら
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猫塚ルイ

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ありあ
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「トリック分かったかも」
青空に一番近い屋上に声が響いた
「トリック…?あれって催眠術的な非科学的な奴じゃなくて?」
露李が口を開き疑問を吐く
「トリックは自己否定と罪悪感の植え付けトリックって言う奴過去の失敗や欠点をみんなの前で告白させて、徹底的に糾弾・批判します。心理効果として自尊心(プライド)を完全に破壊し、「自分はダメな人間だ」「この集団(リーダー)の言う通りにしなければ救われない」という強い依存心を生み出すって奴、これぐらいしか短時間で方法がない」
弥の呪文の様な的確な説明を脳で処理をしきれずにいる
「簡単だよ、つまりは全員に失敗をバラされてプライドをなくすって奴。集団洗脳でよくある手口」
「…酷いな」
露李の右っ側のピアスが光る。
本心が自然と漏れ出た
「また、日常が帰って来ないのかな」
秋の青空と別の教室の黄色い声が混ざっていつもの五月蝿くて可笑しくて楽しかった日常がフラッシュバックする。
いつも五月蝿くて怒られていた蒼、
可笑しな行動で担任の機嫌を取っていた駿、
みんなに気を配っていた彩、
自分から行動していた悉夢、
みんなが支え合って、まさに十人十色なクラスだった。
また、その日常が1人の講師によって壊されるって思うと余計に腹が立った。
「あいつのせいで…!」
「きっと解決の糸口があるはずだ、虱潰しに調べていこう」
「だとしたら作戦はこうだ、講師、いやここからは屑とでも呼ばせていただくか。屑からクラスメイトを引き離す」
「それでひたすら説得する、って言うんだろう?」
露李と弥のファインプレーが続く中一つの不安が募っていた。
それだけでもう終わりなのかな。
屑ならもしかしたらもう一回やるかもしれない。そんな不安があった。
「また、やるんじゃ無いかな。」
すると2人は顔を変えて
「またやったらそん時はそん時だ。」
「3人いればなんとかなるだろ?」
屑には塵を、テストには解答を。
いつもの日常に少しだけスパイスが加わっただけ。
何も変わらない。
はず、何も変わらないはず。
弥が意を決した顔で
「戻ろう、計画通りに、な」
「ああ、」
グータッチの手を出した2人に合わせて手を出した。
コツン、と小さな音が屋上に響く。
3人で問題を起こした時は協力して日常に戻って、
問題にあった時にも協力して日常に戻って。
全部平和的に解決していた。
「「やるぞ、平和的にな」」
2人のいつもの口癖に少し頬が緩む。
「…いつもと変わんねーな、お前らは」
「お前も同じだ馬鹿」
「…とっとと行くか」
屋上の扉を開け、不自然な空気が吹く廊下を空気に乗りながら駆け足で教室に向かう。
俺らは息が切れることを知らない。
数分前に触った時には不自然に冷たかった扉が開けれる。
勢いよく扉を開ける。
さっきと変わらない景色。
ただ違うのは分針と秒針が違う場所を指すだけ。
クロノスタシス現象のせいで秒針が止まって見える。
さっき通りずっと刃先を首筋に当てている。
俺はけんちゃんの、露李は浩介の、弥は類の、
それぞれの腕を掴んで机から、この空間から引き剥がした。
「けんちゃん!」
「翅くん…?なんで俺廊下に…?教室に戻らないと…」
「…よ」
「翅くん?」
「その手に持ってるもん離せよ!」
「なんでハサミ持って教室に帰らなきゃだとかほざいてんだよ!」
「…けんちゃんはそんなひきつった笑顔しない」
「何言ってんの翅くん…俺は元から…」
「あれ…俺…何言って…」
親友からは無かったはずの涙が流れている
「なんで俺…泣いて…」
「戻ろう、けんちゃん」
その瞬間、洗脳が解けた。根拠は自分の勘、それだけ。
一方その頃露李の方では
「浩介、何してんの?」
「そんなハサミ俺に向けても怖くないの分かってるでしょ?」
「…っ、授業に戻らせて」
「何で?浩介は俺さえいればいいんだよ?」
「俺から離れないって約束したじゃん」
「俺じゃ不服だった?」
「っ…?何言って…?」
「言ったじゃん、浩介は俺がいなきゃダメなんだよ?」
目がハートになりかけている飼い犬と飼い慣らしている主、完全に主従の関係。
「また俺に帰ってきて?」
「うん…♡」
さらに一方弥の方では
パンッ!
平手打ちの音が廊下に響く
「…?弥なにをして…?」
「馬鹿っ!」
「…は?」
「聞こえなかったか?お前が馬鹿だっつってんだよ!」
「そんなイケメンの顔で洗脳にかかるほど馬鹿なのかっつってんだよ!」
「洗脳…?何のこと…?」
ゴッ!
鈍い音が響く
「お前が気づいてんの知ってんだよ!お前みたいな空気読まずの仲間にすんな!」
「弥…?」
「ふっ、やっぱり君の殴りは弱いや」
「もっかい殴って欲しいのか?」
「辞めとくよ、僕のこの顔が傷物になっt…」
もう一回鈍い音が響いた
「ナルシストも大概にしろ…!」
全員思うことはただ同じ
おかえり
【次回・完結編】
コメント
7件
いいっすねー。実に良い笑 クロノスタシス⋯
読了しました…🌙 洗脳ものって結構重くなりがちだけど、3人の連携プレイがかっこよくてグッときました。特に弥が平手打ちして「馬鹿!」って叫ぶシーン、胸が熱くなった…。あの一発で日常を取り戻そうとする感じが好きです。「おかえり」の一言が全部を救ってる気がしました。続き、ちゃんと見届けますね🤍