私こと博麗霊夢はいつも通り賽銭箱を見る。
霊「はぁ…」
もちろん中身は空っぽ。と言うよりまず客が来ないし、賽銭以前の問題なんだけどね。
?「お、霊夢。今日も絶賛、貧乏巫女中か?」
ムカつく言葉と共に空から放棄に乗り現れるそいつは、霧雨魔理沙。
まあ、友達みたいなもん。
霊「誰がそんなの絶賛するのよ。でもお金が無いのは本当なのよね。」
私は賽銭や、異変解決等で商売してるんだけど、最近は平和であんまし、売上がないのよね。
魔「霊夢も大変だな。まあ、私も言うて金欠だが…」
霊「商売はどうなの?本業泥棒の何でも屋だっけ?」
魔「何でも屋が本業だ。つっても開店時刻も場所の説明もしてないけどな。」
霊「ほぼないもんじゃない。」
魔「そうなんだよなぁ…個人的には欲しい魔導書なんかもあるし、金銭面は豊かにしときたいんだが…」
霊「そう簡単に手に入るもんでもないでしょ、諦めなさい。」
魔「くそぉー」
そんな雑談と同時に、お茶を入れようと神社の中に入ろうとする。
?「では仕事の依頼をしても宜しいでしょうか?」
聞いたことのある声が聞こえ振り返る。
そこには死神の小野塚小町と、閻魔、四季映姫が居た。
魔「うわ、なんだお前ら、まだ私は魔女になっちゃいないし、なる予定もないぜ。」
驚く魔理沙の反応をものともせず。四季映姫が口を開く。
映「確かにあなたの余罪は数え切れませんが、今日は立場上そういう訳にも行きません。繰り返し言いますが、依頼があるのです。」
魔&霊「依頼?」
頭に疑問符を浮かべる私達を見て、小町が話し始める。
小「本題は私から…」
魔「映姫じゃ、伸びるし途中から説教になるしな。(小声)」
映「聞こえていますよ。」
魔「おっと…」
小「あの〜」
霊「いいわ、続けて。」
そんなギャグを挟みながら本題に入る。
小「コホン…実は我々が仕事場として管理する地獄から、脱獄犯が出てしまい、現在逃走中なのです。」
地獄からの脱獄、どうも違和感が生まれる言葉であり、反応する。
霊「地獄から?ぬるい警備でも無いでしょうに。一体どうやって?」
映「それが分からないのです。」
分からないとは、また不思議な…
映「地獄に落ちた者の名は、『破童 ルイス』破壊神であり、地獄への反逆で無限地獄に落ちた神よ。」
地獄への反逆…何のためにそんな事を…
魔「なるほど、そいつをとっ捕まえれば良いってことか、余裕だな。」
映「そうなんですが、1つ…いや2つ警告を、まず最初にあの破壊神には、苗字は違いますが、双子の『創童 アラン 』という創造神が居ます。おそらく敵対するでしょう。そして2つ目が、2人の位置は確認できていません。どうか奇襲なんかにはお気を付けて、出来れば再びこのようなことが起きないように原因判明までして頂けると幸いです。」
やっぱり長いわね。まあ、良い…覚えときましょう。
……
そう言えば。
霊「そう言えば、アンタら無限地獄から逃げられたって言ってたけど、門を閉めれば何も無い地平線でしょう?どうやって逃げるっつうのよ。 」
※ここでの無限地獄は強大な門となっており、扉を閉めることで、中に入ったものを何も無い地平線に飛ばし、力や魔法を封じると言った地獄になっております。
映「方法としては、無限地獄の門を開く、つまり開門するという方法と、囚われた者と瓜二つな容姿と能力を持つ、者を地獄に連れていき、無限地獄に感知させるかのどちらかでしょう。このどちらかをすることで囚われた者が能力を使えるようになります。」
魔「なるほどね。そんじゃその、双子ってのが犯人なんじゃないか?」
確かに双子ならその容姿が似ててもおかしくはないが、問題は…
映「関わっているとは思いますが、『創造』と『破壊』は対極に有るものです。この2つが混じり合うことはないでしょう。それに双子は髪色が白と黒で違うのです。この2つをクリアするのは奴らだけじゃ不可能かと。」
魔「なるほど…」
魔理沙が分かりやすく頭を抱える。
小「そんでもってもう1つ、最大のリスクがあります。」
そこで小町が人差し指を立てる。
霊「リスク?」
小「えぇ、なんせ今回相手にするのは、何も無い空間に数百年囚われていた神様です。つまり『弾幕ごっこ』と『博麗の巫女』を知らない。」
霊「なるほど。」
弾幕ごっこは死んでしまえば幻想郷を滅ぼす博麗の巫女と安全に戦うためにできたルール、それを知らないということは…
魔「勝負は殺し合いになるってことだな。久しぶりに。」
映「頼めますか?」
正直リスキーではあるけど、まあ、なんかあったらあのスキマ妖怪が何とかするでしょ。
霊「いいわ、その話報酬次第で受けてやろうじゃない。」
魔「面白い。報酬次第でやってやるぜ!」
映&小「結局金かい…」
そうして、報酬額を伝えられた。
霊「こんないいの?地獄は財政難って聞いたけど。」
映「全体的にはそうですが、個人に払うならこの位軽いもんですよ。よろしくお願いします。」
こうして依頼調査が始まった。
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