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6月の夢路
7人が踏み出した新しい道は、まるで霧の中を進むようだった。
視界はぼんやりとして、足元の確かさが消えかけている。
「気をつけて」
きりやんが低く呟く。
「この先には、何が潜んでいるかわからない」
静寂を切り裂くように、闇の中から黒い影が一つ、ゆっくりと姿を現した。
その形は人のようで、人でない。
シャークんが素早く構えを取り、警戒の目を向ける。
「……敵か?」
影は言葉を発しない。
ただ、じっと7人を見つめていた。
「何かを伝えようとしているのか?」
スマイルが静かに歩み寄る。
影はふっと揺れ動き、まるで息を吐くかのように形を変える。
それは、彼らの心の中の恐怖や不安を映し出す鏡のようだった。
「これは……俺たち自身の影だ」
broooockがつぶやく。
「心の中の不安や迷いが、具現化しているんだ」
Akiraが前に出て、声を張り上げた。
「怖がってる暇はない!みんなで乗り越えよう!」
7人は手を取り合い、影に向かって一歩踏み出す。
その瞬間、影は一瞬だけ光を放ち、消え去った。
「これが、これからの試練か……」
きんときが呟く。
「心の弱さと向き合わなきゃならないんだな」
7人の足取りは、今まで以上に強くなっていた。
暗闇の中にあっても、互いの絆が彼らを支えている。
未来はまだ見えない。
だが、確かなのは――7人が共に歩むということだけだった。
つづく
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