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うわあああ第25話読んだよー!!😭💕 皇太子妃が妊娠したって報告、しかもリーシャのおかげで心穏やかになれたって直接言ってくれるシーン、めっちゃエモかった…!!最初はピリピリしてた妃殿下が今はこんなに柔らかい笑顔になってて、リーシャの絵が二人の関係を変えたんだなって感動したよ〜! 最後に「赤ちゃんの手を握りたい」って発言、不敬すぎて笑ったけど可愛すぎるし、そこから書画の先生になれる展開が嬉しすぎる…!!煜峰殿下も含めてこの家族の今後が気になりすぎるよ〜😭🌸
桃や桜の花が庭園を彩り春の暖かさが心地よい頃、麗霞は久しぶりに皇太子妃の侍女に呼ばれた。
前回春画を頼まれて納品してから、季節がひとつ通り過ぎている。久しぶりに皇太子妃の宮を訪れた侍女は、満面の笑みで出迎えてくれた。
「恋恋さん、お待ちしておりました」
「何かいい事でもあったのですか?」
春の陽気にでもあてられたのかと思うほど、ルンルン気分なのが伝わってくる。そのくらい、侍女の様子が変なのだ。
「うふふっ、分かりますか? とにかく中へどうぞ。妃殿下がお待ちです」
すっかり様変わりした宮の中へと足を踏み入れると、ゆったりと椅子に腰かける皇太子妃の姿があった。
「妃殿下、恋恋さんがいらっしゃいました」
「皇太子妃殿下にご挨拶申し上げます」
深々と礼をとるとると、頭を上げるように促される。
「表を上げてちょうだい。前回描いてもらった絵を侍女から受けとって礼はまだったわね。とても良かったわ。凄く気に入っているの。今でも時々引き出しから出しては眺めているのよ」
「そのようなお褒めの言葉、私には勿体ないくらいでございます」
妃殿下の笑顔が……変わった?
ちょうどこの春の陽気のように、暗さも嫌味もないふんわりとした笑みだ。
もしかして夜の生活が上手くいっているのかしらなどと、本人の前でつい、はしたない想像を巡らせてしまう。
「それからね、もう一つ礼を言いたいの」
「は、はい」
礼を言われる事など他になにかあっただろうか? 絵にしたって、遥か目上の皇太子妃からこうして直々に声を掛けてもらい礼を言われるのだって法外だと言うのに。
なんだろうと次の言葉を待つ麗霞に、皇太子妃はさらに顔を綻ばせた。
「わたくし、妊娠したの」
「に……妊娠っ!!!?」
驚きで、妃殿下の御前ということを忘れて大きな声を出してしまった。礼を言いたいからの妊娠報告は不意打ち過ぎる。
慌てて自分の口を押さえると、改めて深々と叩頭した。
「ご懐妊、誠におめでとうございます」
「ありがとう。このことで直接御礼を言いたいと思ったのよ」
「?」
「侍女達や煜峰から聞いたわ。わたくしの為に色々としてくれたのでしょう?」
「滅相もございません。むしろ出すぎた真似をしたのではないかと、気を揉んでいたくらいで……」
皇太子夫妻は仲良くやっていると、その後の様子を煜峰から多少聞いてはいたが、根掘り葉掘り聞くわけにもいかず。
皇太子妃から新たな春画の依頼も来なかったので、ずっと気になっていた。
「妃殿下がご懐妊なさったのは私の力ではありませんから、御礼には及びません」
「確かに妊娠自体は貴女の力ではないかもしれないわ。でもね、わたくしが今こうして心穏やかな日々を過ごせるのは恋恋、貴女のおかげよ」
困り果てて言葉が見つからない麗霞に、皇太子妃は話し続ける。
「自分の好きなように宮の中を変えてから、少し肩の力が抜けたのよ。これまでは内装から置き物、服の色まで全て風水師の助言を信じて実行してきたわ。絵だってそうよ。自分の趣味とは掛け離れていても、縁起がいいから、運を呼び寄せると言われれば飾ったわ。宮の中にいても、常に皇太子妃としての自分を求められ、夜の生活においては男児を早く身篭らねばと、わたくしも暁明様も焦っていたの」
ふう、と息をついた皇太子妃は部屋の中を改めて見回した。
そこには麗霞が選んで贈って貰った絵も飾られている。
威圧的でもなく、視線が気になることもない、蝶が舞う花の絵。
「本当に不思議ね。ただ部屋に、自分の好きを詰めただけ。好みの服を着ただけで、こんなにも幸せな気分になれるのだもの。暁明様から貴女の春画を見て女心を学んだのだと明かされた時には、笑ってしまったわ。わたくしも恋恋の愛好者なのよって、互いに笑いあってね……」
「さ、左様で御座いましたか」
#異世界転移
花月夜れん
2,559
設楽理沙
880
耀聖(ようせい)
269
耀聖(ようせい)
855
春画を見たことを堂々と奥さんに話したことにも驚きだが、妃殿下も旦那様に春画を見ていることを話すなんて。
二人は相当、仲がよろしいようだ。
「愛のある行為が、こんなにも満ち足りた気持ちにさせてくれるのだとは思わなかったわ。まるで貴女が描いた絵の中にでも入ったみたいな気分よ。だからね、今この腹にいる子が女でも男でも構わないって思えるの。だって愛する人と愛し合った結果産まれてくるんだもの。無事に産まれてきてくれさえしたらそれでいい。こんなにも心穏やかな妊娠生活を送れるのも、そして今いる娘達を心から愛せるようになったも、少なからず貴女のお陰だと思っているのよ。だから御礼を言わせてちょうだい」
「私こそ、このように多分なお言葉を頂戴し恐縮で御座います」
なんて美しい人なんだろう。
自分の腹に触れ慈愛に満ちた眼差しの女性が、こんなにも綺麗だなんて。隣に夫も描き添えたら、素敵な絵が出来上がりそうだ。
つい妄想に耽る麗霞に、皇太子妃は褒美は何がいいかと聞いてくる。
「褒美を遣わしましょう。何がいい? 金品や装飾品?それとも貴女のことだから、画材がいいかしら? 遠慮はいらないわ。何でも言って」
褒美と言われてもなぁ。
確かに画材ならいくらあっても困らないけど……。
でも皇太子妃から頂ける褒美だ。努力すれば自分で手に入れられるものよりも、もっと特別なものがいい。
「手に……」
「うん?」
「無事にお子様が産まれてきたら、お手を握りたいです」
麗霞の頭の中には、赤ちゃんが自分の手をギューっと握り返してきてくれる、そんな映像が浮かんでいた。
愛し合うお2人から産まれてくるお子様だもの。そんな事されたら絶対かわいい。キュン死にしちゃう。
妄想から現実に戻ってきた時には、まるで時が止まってしまったかのような静寂が、宮の中に広がっていた。
「あ……」
やってしまった。
天子の孫に触れたいなんて、自分がとんでもなく不敬な発言をしたことに気が付いた。冷や汗が背中を濡らすがもう遅い。
「も、も、も、申し訳ございません! 訂正させて下さい! お子様のお姿を一目見せて頂きたく存じます!! いえ、御簾の向こう側からだけでもお姿を拝めれば……!」
煜峰殿下、助けてくださいぃぃ!!
助けを求める相手もまた尊い身分であるが、煜峰なら麗霞の窮地を助けてくれるような気がする。
泣きそうになりながら額づく麗霞に、皇太子妃はコロコロと笑って言った。
「ふふふっ、本当に面白い子ね。もちろん産まれてきたら会いに来て、遊び相手になってやってちょうだい。実を言うとね、子供たちに書画を教えて欲しいと思っていたの」
「書画、ですか?」
「ええ。もちろん普通の絵だってかけるのでしょう? 書の方も書く内容は本から写せば問題無いし。引き受けてくれるかしら」
上流階級、それも皇族なら琴棋書画は当然身につけるべき教養だ。
そんな大役を仰せつかるとは……!
「精一杯努めさせて頂きます」
こうして麗霞は時折、皇太子妃の宮を出入りすることとなった。