コメント
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どもども、かんおです。
朝早くから投稿ゴメンネ…。
⚠︎これはwrwrd様の名前をお借りした二次創作です。ご本人様とは一切関係ございません。
⚠︎BLです。苦手な人はブラウザバック。閲覧は自己責任でお願いします!
初期人狼
…
夏が嫌いだ。
朝も昼も夜もずっと気分が悪い。
朝は、寝てる間にかいた汗でじっとりとしていて嫌だし、昼はなにより暑いし、夜も湿気が酷くてたまったもんじゃない。
家でクーラーをつけて、アイスを片手にゲームをしているこの時間が1番好きだ。
ジワジワと蝉がけたたましく鳴く。
耳鳴りのように響く鳴き声が思考を鈍化させ、気がつけば泥のように時間は溶けていく。
片手に持っていたアイスも溶けてしまって、容器の中で液体と化していた。
「あーもう、これだから夏は嫌なんや」
「おいゾム!」
突然聞こえる大きな声に少々、いやかなり驚き飛ぶようにあとずさる。
声の方を見てみると近所に住んでる幼馴染のロボロだった。
「なんや、ロボロか…脅かすなや。ノックくらいしてから入れ」
「いや、してへんわけないやろ。俺はしっかりノックもしたし何度も声かけたりしてましたー」
どうやら本当にぼーっとしてしまっていたらしい。なんなら寝ていたに近いのではないだろうか。
「あー…、まあええわ。ところでお前、何しに俺んとこ来たんや?」
「…あ、忘れとったわ。ゾム、久しぶりに公園行かへん?」
大きな銀杏の木の下にある小さなベンチに腰掛ける。
確か、秋には実が落ちてきて最悪な臭いを醸し出していたが…さすがは夏だ。青々とした葉が大きく影を落としていて、ベンチの下がとても涼しい。
ベンチの上に座って、ロボロがコンビニで買ってきていた2つ分がくっついていて、割るタイプのバニラ味の棒アイスを半分貰う。
さっきはほとんど食べることができなかったから、普通に嬉しい。
ジワジワと蝉の声が聞こえる猛暑の中、銀杏によって隔離された空間でただアイスを食う。
しばらく無言が続き、本当になんで呼ばれたのかわからずロボロの方へ視線をいかせればその手に持っていたアイスがどろりと溶けていっていた。
粘性の高いアイスの液体がゆっくりと腕を伝っていく。それに気付いたロボロはすぐさま腕を上げて液体の終点へ口を寄せた。
赤い舌が、滑らかな白い腕を上へ上へと伝い、アイスを口の中へと運んでいく。
暑さで汗ばんでほんのりと紅潮したその顔がいやに色っぽくて、なんだかいけないことをしている気分に錯覚し、思わず目を逸らす。
入れ違いにロボロがこちらを向いて、言う。
「なんやお前、アイス食べんのか?」
気付けば手に持っていたアイスは溶け始めていて、ロボロと同じように手を伝い、そのまま地面へとぽたぽたと落ちていた。
「もったいない、かせ」
「お、…え、え、?」
先ほどまで本人のアイスを食べていたはずのロボロのくちが、舌が、自分の手を伝うアイスを舐めた。
手のひらから順々に、指の先まで這っていくその口から時折漏れる吐息が生温かくて、手首から舌が溶けてきそうだと思った。
ようやく指先から舌が離れ、その間をバニラ色の唾液が糸を引く。
「なに、を、」
「…ふ。なあゾム、暑いなぁ」
太陽にも負けない熱を帯びた瞳がこちらをじっと見つめる。
首筋を流れる汗にごくりと生唾を飲み込む。
手に持っていたアイスは重力に耐えられずに地面に落ちた。
ジワジワと絶え間なく響く蝉の声がまた、思考をゆっくりと溶かしていった。
そうだ、これは夏のせい。
「…俺んち、来てもええけど」
二人の熱が、夏の虚空に溶けていく。
…
雰囲気だけのが好き。
最近、何か言おうと思ったんだけど忘れちゃったってことがしばしばあって老いを感じてます