テラーノベル
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任務は、いつも通り終わるはずだった。私にとっても、アメリカさんにとっても、
何度も経験してきた種類の仕事。
危険はあっても、致命的なものじゃない。
少なくとも、そう思っていた。
崩れたのは、一瞬だった。
爆音と同時に床が抜け、視界が反転する。
瓦礫と煙で何も見えない。
耳鳴りの中、私は必死に体を起こした。
そして、少し離れた場所で倒れているアメリカさんを見つける。
呼びかけても反応がない。
ようやく救助が入り、引き上げられていく姿を、私 はただ見ていた。
いつもなら、アメリカさんが先に立ち上がるのに。
今回は違った。
運び出されるアメリカさんは、自分で体を起こすこともできない。
あんなに強かったのに。
誰よりも前に立っていたのに。
ただ、動かない。
その姿を見た瞬間、私の胸に浮かんだ感情は
心配でも、焦りでもなかった。
(……やっと、対等だ。)
自分でも、ぞっとする思考だった。
何度も助けられた。
何度も守られた。
そのたびに、周囲は言った。
「アメリカがいなかったら、日本は危なかったな」
分かっている。
事実だった。
だが、その言葉はずっと胸に刺さっていた。
守られる側でいる自分が、嫌だった。
だから今。
動けず、誰かの手を借りないと生きられないアメリカさんを見て、
私は思ってしまった。
(今度は、私の番だ。)
そして、さらに気づく。
弱ったアメリカさんを見ても、嫌悪感は湧かない。
むしろ。
(……悪くない。)
自分はそう思ってしまった。
後日、世話役が必要だという話が出た時、 私は迷わず名乗り出ていた。
周囲は驚いた顔をした。
「お前がやるのか?」
私は、ただ淡々と答える。
「放っておけないだけです」
嘘ではない。
ただ、本音でもない。
病室で目を覚ましたアメリカさんは、少し困ったように笑った。
🇺🇸「悪いな。世話かける」
日本は肩をすくめる。
🇯🇵「今まで散々助けられてきましたからね。お互い様ですよ」
そう言いながら、心の中で思う。
(これで、お前は私を必要とする。)
その事実に、安心している自分がいる。
最低だと分かっている。
それでも。
ベッドの上で思うように動けないアメリカさんを見て、 私は確信してしまった。
(前より、今の方がいい。)
そして、この感情を、
もう引き返せないことも理解していた。
――立場は、完全に逆転したのだから。
これ、分かり難いけど四肢欠損ということにしといてもらいたいです!
ではまた!
コメント
2件
えっ、もう好きですッ!!(?)