テラーノベル
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「建物の中、どうする?こっちで部屋を借りても、全部は入らないだろ」
空っぽにしての売買が通常。
遺品整理などの業者を入れて処分などのケースもある。
うちは荷物をどうするかを決めていないから、経費が不明。
そういうことのようだ。
「全部処分して」
「菊、それはダメだ」
「どうして?」
「一度戻って、捨てられないものの選別をしろ。その後の処分は引き受ける」
「……」
「家を出た時と今では違うだろ?あの時には手放せた物も、今では手放せないということもあるはず。あと80年生きるんだろうが」
――そうか……そうだね
「わかった、そうする。数日後に友達が帰るから、一緒に帰るよ」
「それがいい」
「そうなると、もうひとつ相談いい?」
「どうぞ」
「あのね、早川さん、見たかな?うち、いくつかアンティークの絵があるの。家具も。素敵だけど実用性ゼロなのよ」
「ああ、あの広い屋敷だからこそ、な。マンションには置けないと言いたいんだな?」
「そう。どうするのがいいかな?」
「売るのが一般的。でも、もし菊が寄付を考えるなら…」
「寄付、出来るの?」
思わず前のめりになった私に、彼はパソコンを操作してから画面を向けた。
「前に話した、俺が関わっている古民家再生。そこへ寄付してくれるなら、歓迎する」
「お金じゃない寄付を受け付けているんだね。へぇ……こういうギャラリーなんかで使ってもらえるの?」
「ああ、ギャラリーやカフェ、いろいろな形で再生する。元が古民家だからアンティークは合うからな。喜ばれる」
「じゃあ、全部寄付する!小さい絵だけ持っておくね」
「それがいい」
リュックひとつで病院から家、家からバス、と移動した夜に手放したものが輝き始めた。
コメント
3件
大事な物は取りに行くべき!! 永美ちゃんと一緒なら心強いけど… 絶対に居るよね😱希輔さんもいてくれれば💦💦💦
荷物とかの処分か〜 菊ちゃん邸にはそうゆうアンティーク家具や大きな絵画や美術品もあって、きっとそれも含めてあのトリオは狙ってるんだ。お金になるもの。食器類一つにしても。 それらを希輔さんが言ってた古民家再生に寄付!いいね〜!きっと家具達も新たな場所で生き生きとするだろうな〜☺️ でも、大丈夫?😥永美ちゃんにずっと一緒にいてもらってね🥺

菊ちゃんの望む方へ進めそうだね(^^♪