※前回のアンケートにご協力お願いします
「ここ…どこだろ」
そこには、渡されたメモの場所とは全く違う場所へ行き着いた飯綱が、1人佇んでいた
「〜っ!朱雀!スマホ!!!!!!!!」
「どこよ?!」
「あ〜?!さっさと見つけろ!!」
「ここあっちゃんの部屋ね?!」
道満は、メモに振り仮名を振らなかった自分の失態に血管が焼き切れそうなほど苛立っていた。朱雀へ八つ当たりしつつ、己のスマホを探す。朱雀は朱雀で、なぜ振り仮名がふってあるか確認しなかった数十分前の自分に苛立っていた。飯綱がここにきたばかりの頃、漢字が読めず、部屋にたどり着けていなかった。なんなら、アジトの中で迷子になり、道満、朱雀はもちろん同年代だが漢字が読め、方向感覚もしっかりした暗、明たち4人で「秦中飯綱大捜索連盟」が結成されていた。他の構成員には暗と飯綱、明も当時は認知されていなかったため、構成員は頼れず、結局2時間かかった。ちなみに、飯綱が行こうとした場所は道満のいる「執務室」であった。どこにいたかと言えば、「執行室」の中だった。飯綱は、中に入れば道満がいると思ったらしい。大捜索連盟は、てっきり彷徨っていると考えていたため、中までは見なかった。「執行室」。元の名前は拷問部屋だ。なぜ改名されたのかと言うと、朱雀がまだ早いし、オブラートに包もうとしたため、執行室と改名されていた
「あ、あった、あっちゃん!、」
「よこせ!!…もしもし、飯綱?!」
朱雀が、タンスの上に置いてあったスマホを見つけた。道満は素早く朱雀から携帯を奪うと、飯綱に電話をかけた
『道…ボス?何かありましたか?』
電話口から聞こえた声は、道満と朱雀が想像した焦り散らかしたこえではなく、いつも通りの声が返ってきた
『ボス?』
「えっと…飯綱ん、たどり着いたんですか?」
『通行人の人に助けて貰いました』
無事にたどり着いていたらしく、捜索&救助の準備をしていた朱雀にまったをかけた。まったが出た瞬間、朱雀もどこかホッとしたような表情を浮かべていた
『あ、すみません…少し』
通話は繋がったままだが、一旦切られた。だが、聞こえてきた内容に驚いた
『飯綱君〜すまん、晴明君こっちおらん!』
『こっちも一通り見たがいなかったぞ』
元迷子常連が迷子を、探しているようだった
『嘘やろ…あと、行きそうなところは…』
『ったく、なんで目ぇ話したんだよ!!』
『だって!晴明君が飲みもの買いに行きよる言うたから…』
『迷子はそうやって量産されんだよ!』
飯綱、お前は違う方法で迷子だったんだよ、と思う2人だった。飯綱のことだ。助けて貰ったお礼がわりに迷子探しを手伝っているにだろう
数分前
「ここ…どこ」
数分間放心状態であった飯綱。目を開けてもやはり違う場所であった
「どこだ…終電まで乗ってもこんな駅なかったぞ…仕方ないか」
飯綱は、目の前を通りかかったアホ毛が特徴的な青年と、青みがかった髪をのばしている女性に声をかけた
「すみません…この場所に行きたいんですが、迷ってしまって…」
「…僕たちが行く所と一緒だね、凛太郎くん」
「せやな〜よかったら、一緒に行きます?」
「…お願いします」
凛太郎くん…つまり青年であった事に内心驚いていたが、表情に出さない様に努めた
『…』
無言の電車内。恐らく自分のせいだろうと考え気まずく思う飯綱。一方、誘ったはいいけど気軽に話しかけてもいいのか迷う2人
「あ〜…2人は、どういう関係なんだ?」
「幼馴染!凛太郎くん、力持ちなんだよ!」
「それ必要やった?」
「幼馴染…か」
「いる?」
「…いた。もう、5年は会ってないかな 」
飯綱は、近所の赤い髪を持った幼馴染を思い出していた。道満の計らいでたまに実家に顔は出していた。というのも、道満が飯綱を雇って一ヶ月がたとうとしていた時、飯綱は、道満が母の治療をすすめてくれていたことを知った。母は順調に回復し、今は以前ほどではないが、働けるレベルまで回復した。職場も、道満のマフィアが運営する場所なので、かなり手厚い待遇をして貰っていた。飯綱は、母や家族の顔を見に行っても、幼馴染に会いに行く事は難しかった。敵対しているからだ
「…会いたい?」
アホ毛の青年が気まずそうに聞いてくる
「そうだな…会いたい、かな…」
「…そっか」
「…おい、メガネ」
「俺?」
「お前以外メガネはどこにもおらんやろ」
「で、何」
「この重ぅなった空気どないしてくれるねん」
俺のせいか?そう思った飯綱だった
「…ま、もう1人には会えてるから」
暗である
「そうなんだ…あの、ところで名前って…?」
「…秦中飯綱」
「飯綱君か〜」
答えるか迷ったが、裏で本名は名乗っていない。故に、皆飯綱のことを「かまいたち」と呼ぶ。そして、当然の様に下の名前でよぶ…アホ毛
「僕、晴明」
「僕は…」
「晴明と凛太郎か」
「なんで僕の名前しっとんねん」
「さっきアホ毛…間違えた。晴明が呼んでたしな」
「え、僕の認識アホ毛?」
「特徴的だしな」
「なるほどな〜確かによく目立つなぁ」
「ひどいっっ!」
「トレードマークだろ?」
「うん!!! 」
言い方を変えた瞬間晴明は喜んだ。そうこうしているうちに、駅に着いた
「本当、ありがとな」
「…」
「?なんだ」
「その…これからも仲良くしたいな〜なんて…」
「…」
「飯綱君、LINEもっとらん?」
「…緑の方か」
「緑の方…や」
飯綱のスマホには、LINEとショートメールの2つが入っている。ショートメールの方は、家族との連絡に、LINEで仕事…つまり道満たちとやりとりをしているため、迷った飯綱だったが、後で道満に相談しようと決断し、LINEを交換した
「で、これをこないすれば…」
「グループLINE完成ー!」
グループLINEなる物が作られた。飯綱にとって初グループLINEである
「よろしくね!飯綱君!」
「あぁ…どうした?」
「いや…荊棘姉ちゃんきてへんなぁおもて」
「荊棘姉ちゃん」
「あ、凛太郎君のお姉さんで、ここで待ち合わせしてたんだけど…いないんだよね…」
「…すまん」
飯綱は、自分が声をかけたばかりにこうなったのではないかと思った
「いや…全然余裕あるんよ…ただ、荊棘姉ちゃんの事やし、5分前にはきてるおもたんよ」
「…」
組織内で待ち合わせをすると、暗だけが時間通りにくる。道満は、予定より1時間ほど早く伝えれば誤差30分で来る。が、朱雀は大体来ない。途中から合流してくる。どこまでも自由な烏だった
「凛太郎君、僕、飲み物買ってくるね!」
「ああ、気ぃつけや」
10分後
「…どこ行ったんや」
晴明が、戻ってこない。荊棘もこない
「…迷子じゃ、ねえよな…?」
「そないな事ないと信じたいわ…」
さらに10分後
「あかん!確定や!!!!!」
「嘘だろ…」
「すまんな、こんなバタバタした別れで…」
「いや…俺も手伝おうか?」
「いいんか?!」
「まぁ…時間はあるしな」
「すまん!頼むわ」
「じゃ、俺こっち見てくるから、」
「僕はこっちやな」
「集合ここでいいな?」
「了解!!」
『アカン〜!荊棘姉ちゃんも見つからへんわ晴明君もいなくなってしまうわ…厄日やわ〜…』
『だぁ!面倒くせぇ!あと1時間だけなら付き合ってやっからさっさと探すぞ!』
「「1時間で見つかるなら迷子とは言わねえ。」」
迷子を探すことが人を殺すことの次に得意であると胸を張って言えるくらいには探し回っていた。だいたいかかる時間もわかっている2人であった
『おおきに!どないして探そう』
『…字は、読めるのか?』
『何言うてはんの。2人とももう17やで?そもそも、17にまでなって字ぃ読めへんやつがおるかいな』
『そう…だな』
全くもって悪意はないだろうに、その言葉は飯綱の胸を深く抉った
『とにかく、入れるとこははいってもらさん様にせんと…!』
『あ、おい!その…荊棘?さんの写真とかないのか?』
『あ〜これや』
『…そっくりだな』
『僕が話せる数少ない 女性や 』
『…わかった。なら、もう一回見てくるか』
『頼んだで〜飯綱君』
『後で時給請求してやっから覚悟しろ…あ、凛太郎』
『今、僕の名前忘れてへんかった?』
『あーはいはい!悪かったな!!!オラ、早く見つけんぞ凛太郎!』
『せやな!』
会話が終わったのだろう。凛太郎、と呼ばれる男が走り去っていく音がした
「…飯綱くん」
『…はい』
「迷子探し舐めてると痛い目見ますよ?」
『え…?』
「そんなホイホイ見つかったら、迷子なんていないんですよ」
『なんか、すみません…』
自分が迷子になっていた自覚はあるのだろう
「はぁ…状況は分かりました。ただし、日付が変わる前までには戻ってきなさい」
『はい、分かりました。あ、仕事は滞りなく済みました』
「…探しながらやったんですか?」
『まあ…』
「…わかりました、お疲れ様でした。引き続き頑張って下さい」
『ありがとうございます。失礼します』
道満は飯綱との連絡を切ると、その場に座り込んだ。朱雀も、背負っていたリュックを下ろして座り込んだ。飯綱が外で迷子になれば、何週間かかるかわからない。なんせ、漢字が読めないので、場所の特定が難しい。似た町並みなどこの世に五万とあるのだ。野宿なんて前提とした捜索用用品が朱雀のリュックには入っていた
「よかった…」
「本当にな〜…でも、よかったのか?」
「…たまには、必要だろうが…」
聞く感じ、上手くやっているのだろう。たまには、そう思う道満だった
長くなり過ぎた…このままじゃ4話になっちまう…!
アンケートのことなんですけど、♡300以上の場合のものがた…物語はハッピーエンドにならないと繋がらないので、物語まで読んでくれるよって方は♡300以上よろしくお願いします
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