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いつもの定番である高めのツインテールをやめて1度だけやって彼がすごく褒めてくれた髪型で登校する
稲荷崎高校に転校してから半年経つがやはり髪色と制服の着こなしのせいのもあってか朝っぱらから視線の嵐
ピンク色の髪は男女共にうけがあまり良くなかったけど角名くんだけが褒めてくれた
普段フワフワのアクセサリーをツインテールのちびゴムの上にかぶせて付けているんだけどそのアクセすらも可愛いって褒めてくれる
今日の髪型褒めてくれるかな
お下げのゆるくほぐした三つ編みでいちごのゴムをつけてみた
「え待って🌸ちゃん可愛、ぃ、あ、おはよ」
「……おはよ」
相変わらず無愛想な挨拶しか出来ない
こんなんじゃ今すぐにでも嫌われちゃうかもしれないと焦る
角名くんは女の子からすごい人気だし今すぐに彼女が出来てもおかしくないくらい人気
角名くんと治くんが話しながら教室にいく少し後ろを歩く
授業中も角名くんは私の事本当は好きじゃないんじゃない?とか変なことばっかり考えて落ち込んでしまう。 今まで角名くんが沢山好きって言ってくれたし行動でも示してくれたのにと思いつつもまたマイナスな方向に考えちゃう
体育の時間--
少し肌寒い体育館
バスケのボール硬いから怖いなぁ、なんて思いつつもしっかりと授業を受ける
何とか一点を自分で入れたあと敵チームの子のジャージにはっとする
「角名」と胸元に刺繍の入ったジャージ
明らかに女の子には大きすぎるサイズで
鈍器で殴られたかのような痛み
足が動かなくなる、寒さでお腹が痛い気もする
視界がぼやけて何も出来ない
ショックでまともに立っていられない
ふらつく足元で先生に保健室に行くことを伝えて女子更衣室に戻る
保健室に行くって言っだけど早退しよう
無理だ、メイクもボロボロだしこんな顔で角名くんに会えない。、角名くんに会いたくない
何回か角名くんにジャージを貸してもらったことがあったけど「女子にジャージ貸すの初めてなんだよね」って「🌸ちゃんだから特別」って言ってくれたじゃん
あの子にも貸したってことは、あの子も特別なの?あの子が本命なのかな
着替えが終わり女子更衣室にある鏡を見れば酷くメイクが崩れているのを見て更に涙がでる
今日は角名くんのために可愛くしたのにな
ガラッと扉を開けて更衣室を出ると少し離れたところに角名くんの姿があって驚く
「🌸ちゃん、体調悪いって友達から聞いたんだけど大丈夫?」
「……、ぁー、うん」
「保健室行った?早退する?」
「……角名くんに関係なくない、?」
「確かに関係ないけど好きな子が体調悪いかもしれないのにほっとけないよ」
「……」
本当に私のことが好きだったらほかの女子にジャージなんて貸さないよね
「え」
「……え?」
あ、私声に出てたんだ
いやだ醜い嫉妬がバレちゃった
「ジャージほぼ勝手に持ってかれただけだから」
「……別に、聞いてないし」
「🌸ちゃんに貸すつもりだったから机に置いといたらもってかれただけだよ」
「……ぁ、へ、あーそうなんだ」
「嫉妬した?」
手を優しくでも逃げられないくらいの強さで握られるから心臓が早くなる
「嫉妬、した、……かも」
こんな時ですら素直になれない自分が嫌
「嫌だったら振り払って」
「えっ、ぅわ…」
頬が角名くんの胸に押し付けられる
ギューッと抱きしめられて身動き取れない
ソローっと繋いでいた手を離し角名くんの背中に回す
「っ、、そんなことされたら流石に期待しちゃうって」
「期待、?」
「俺の事好きになってくれたのかなー、とか」
「うん」
「え、待っ…は?ぇ、」
信じられないという様子で目を泳がせる角名くん
角名くんの頬を両手で包み顔を近づける
「1回しか言わないから」
「ぇ、なに、」
「すき」
「……俺今世界一幸せかも」
「えへへ」
「っ、えーその笑い方は可愛すぎるって」