※フィクション&自殺(不穏)表現あり
柵に手を添え、足を外の方へと放り出す
少し寒くて、心地よい風を受けながら私は下を見つめていた
あれだけが大きかった
木も家もビルも何もかも
全てがちっぽけな存在に見えてくる
まるで自分みたいだ
私は今、ビルの屋上に居る
足をずらせば落下してしまう
生死の狭間に私は立っている
そうだ、見て聞いてわかる通り
私は今から自殺をするつもりだ
何故か、って?
別に大した問題はない
虐めも虐待も何もされていない
なら、尚更何故だって?
答えは簡単、疲れたからだ
毎日毎日、 起きて食べて勉強して寝て
同じことの繰り返し
ただただ、つまらなくて窮屈だった
だから私は死ぬ、今ここで
それに死んでも問題は無いだろう
両親は娘が死んで金に余裕ができるだろうし
友人達は私が死んだとしても
数日経てば直ぐに忘れる
そして何より、生きてるより
死ぬ方が幸せなことが多い
私一人の命が犠牲になるだけで
こんなにも幸福なことが起きるんだ
私はもう生きるのに疲れたし、飽きたし
今からも、これからも生きるつもりなんてない
なら早く飛び降りよう!!!
今すぐ!今すぐにで_____
「なーに死に急いでんの?」
……は?
「そんな落ちるスレスレの所に居ちゃ危ないっしょ、早くコッチ来なって」
何、此奴
私の自殺を邪魔しに来た??
意味わかんない、なんで止めてくんの?
見て分からないの?人生に絶望した感満載なのに、自殺しますよー!って合図感、満載なのに
なんで止めようと、そっちに引き寄せようとすんの??
は、意味、わっかんな、気持ち悪
私は自殺すんの!!疲れたの飽きたの自由になりたいの!!!
アンタの「危ないからコッチ来な〜っ」っいう、腹立つ声と顔で言われても意味ないっつーの!!
むしろ自殺が加速するだけだわ!!!
何、何なの、折角、せーーーっかく!!!
良い気持ちで!!!清々しい気持ちで!!!
何にも考えずに!!!楽な気持ちで!!
……辛いこと、思い出…さ、ずに゛、死ねるとこ、だった、のに゛……ッ
「……君さ、何で自殺しようと思ったの?」
は、なに、また意味のわかんないこ、
「辛いことでもあった?虐め?それとも逆体??」
ちょ、待っ、躊躇もなくズカズカと……!!
「ねぇ」
「なんで?」
……何で、って…
「何でちゃんと出来ないの!!!」
「アンタみたいな子、あぁ゛っ、産まなきゃ良かった!!! 」
「は?友達?」
「バッカじゃないの?wアンタみたいなやった、友達でもなんでもないからww」
「……辛いこと、あったっしょ」
辛いことなんか……!!!
「素直になっても良いと思うな〜、俺は」
別に嘘なんか……!!!
「溜め込んで爆発して、死にまーす!!」
「より、今溜め込んだことぜーんぶ俺に投げ飛ばして、発散した方が良いと思うよ?」
だから……!!!
「君はどうしたいの?」
「死にたいの?それとも死にたくないの?」
わ、、私は……!
「俺は君を苦しめた奴の言いなりみたいな行動、取らなくて良いと思うな〜っ」
っぁ、……
私、ゎ、たし……は…
「まだ、死に゛だぐ、なぃ゛よ……ぉ゛…っ」
ポロポロと涙がこぼれ落ちる
生暖かく、少しだけほっとする感覚
「……っははwよく言えたなぁ…っ!」
ポンッ、と
優しく、そして豪快に私の頭を撫でてくる
普段の私なら髪が崩れる!汚い手で触らないで!だのなんだの言っているだろう
でも、今だけは
この瞬間だけは
思う存分、撫でて欲しかった
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