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 ※こうはや
『可愛いこいびと』
 
 
 俺は工藤亘清。
天羽組のまだ何にもなれてない構成員だ…。
そんな俺だが…
 『亘清くん、お疲れ様』
 可愛い歳上の恋人がいる。
 
 速水の兄貴こと、速水泰輝さん…。
出会った時は正直に言って全く頼りげのないひとという印象だ。
しかし初のカチコミの時…色々あって己がいかに井の蛙かを知り、あの時を思い出すと今すぐ地面に頭を叩きつけてかち割りたい。
 紆余曲折あったがそんなあの人に恋をして、なんやかんやあり、告白したのがつい先日。
空龍街の夏祭りで。
 
 『お、俺で良ければ…ッ』
 
 大輪の下で顔を赤らめながらもはにかむ速水の兄貴…泰輝さんの顔が今でも忘れられない。
普段は優しく、子供っぽさが残る愛くるしい人だが、あの夜の告白の返事をする泰輝さん…
綺麗だったなぁ…。
 そして現在まで驚くほど清いお付き合いだ。
組のみんなには恥ずかしいから内緒ね、と可愛いらしい俺たちだけの秘め事。
……泰輝さんは気づいてないだろうがたぶん何人かにはバレてると思う…。
姐さんやおやっさんが優しい目で見てるし、野田の兄貴や小峠の兄貴からは生暖かい目で『バレないように』と言われたし。
 『亘清くん』
 ……まぁ、いっか。
速水の兄貴可愛いし、可愛いし。
可愛い過ぎて早くキス以上のことも…したい。
 手を繋いだり、ようやく触れるだけのキスは出来たし。
……柔らかかったなぁ…唇……
 
 
 『亘清くん、ねぇ話聞いてる?』
 『!あ、すいません聞いてませんでした!』
 『もぉ〜 俺だからいいけど他の兄貴達の時はちゃんと聞かないと!頭蓋骨に刻まれたりされるから〜』
 …刻むといえば。
泰輝さんはよく小林の兄貴と組むことが多い。
というか小林の兄貴が泰輝さんを連れ回す。
…泰輝さんも満更じゃないし…
 いや、男がウジウジすんな女々しい!
 『あ、あの泰輝さ…じゃなかった速水の兄貴ッ』
 『わ!なになに!?』
 『……ふぅ…あの、今度兄貴の部屋に行っていいでしょうか!』
 『え、それって…』
 耳が熱い俺だが、
泰輝さんは頬をその瞳と同じ色に染める。
 
 …あぁ、やっぱり俺のこいびとは可愛い!
 
 
 
 
 ※外野
 
 『あいつら、一応隠して付き合ってるらしいですが…』
『まぁ…意外と速水は普段の素直さからバレてない野田
問題はバレた時のヤバそうな奴らの対処だな』
『……例えば?』
『例えば小林とか小林とか小林とか』
『小林の兄貴は確かにやばいですね』
『あと結構永瀬も面倒な野田…』
『え”⁉︎永瀬の兄貴も⁉︎……俺は宇佐美とかあのあたりの舎弟とか……』(北岡…すまん)
『速水の奴面倒な奴等ばっかり引き当てやがる』